ずっしりとした清らかな人生
2012年 11月 10日
ストローを使って、奇想天外、ユーモアにあふれる動く楽器をつくり軽妙な語りとともに楽しい歌を演奏する神谷徹さん。
百人あまりの患者と職員、招待客たちは大喜びで、病院の講堂に笑い声が弾けた。
コンサートがすんだ後、友達の家で二人きりでずっと積もる話。
途中から奥さんも入って手作りの野菜の煮物、お浸し、刺身の盛り合わせをいただきながら話を続ける。
ふだんはビールしかのまないのに俺のために用意してくれた吉野川の酒がうまい。
イクタテを経て、父親からこの精神科病院を継いで三十年、ひたすら病院のために働き続けてきた。
祖谷など近辺の観光地のことを訊いても行ったこともない。
趣味はリコーダーをふくくらい、ゴルフは無縁なもの、ぼさぼさ頭、身を飾らない、学生の頃のストイックな、しかもキラキラと子供のように輝くマナコのまんまの友達だった。
病院は古かったけれど明るく、なにより看護師たちスタッフの笑顔が自然で、ああ、これがほんとの病院にあるべき笑顔だと思った。
医療だけでなく病院経営の責任者として、どちらかというと人付き合いの苦手な友達が、これだけの笑顔に満ちた病院を作り上げ維持し続けるのには大変な辛酸があっただろうし、強い使命感がなければやりとおせない。
高所恐怖症だからいまだに飛行機に乗ったことがないし、自動車の運転もしない。
さいきん金馬の全集を聴くようになったという。
心が温かくなりお腹も満たされて宿に向かった。
心温まるお話。
まだこんな方が医療現場にいらっしゃるのかと驚きです。
友達は福祉ホームも提供しています。
ご友人の飾らない人柄は感動的です。
「医術」ではなく「算術」ばかりの病院が多いなか、ユートピアのような病院ですね。
今回、今松を蹴ってまで行かれた理由が、よく分かりました。
近いうち、じゃなく^^。