二本二百円 ＤＶＤも悪くない 「おとなのけんか」＆「ヘルプ～心がつなぐストーリー～」

俺はほとんどＤＶＤで映画を観ることはない。
なんかチマチマして、映画独特の”別の世界”に浸るという気分になれないからだ。
持っているのは「七人の侍」「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」「幕末太陽伝」くらい、あまり見ることはない。

それが昨日、一昨日と二編のＤＶＤをみた。
いづれも映画館で見損ねたものだ。


「おとなのけんか」、最初から終わりまで、ある家庭の室内で、アクションらしいアクションはなく、二組の夫婦の会話のやり取り、つまりたった４人しか登場人物はいない。
短編小説、チエホフの劇のようだな（あまりみたことはないけれど）と思ったら、ヤスミナ・レザの戯曲をもとにロマン・ポランスキーが脚本を書き監督を務めたのだ。
ジョディ・フォスターは名前も知っていたがほかの３人は名前は知らないが顔は知っている、大物俳優ばかり。

子供のケンカを大人が買って、始めは紳士的に、やがてホットになって、それぞれの夫婦のケンカにまで発展、それぞれの隠された本音や本性が丸出し。
爆笑とまではいかないが笑わせる。
それにしても西洋人は正直というか恥を知らないというか、俺には到底ああいうことはできないなあ。


「ヘルプ～心がつなぐストーリー～」、もうちょっとどうにかならないかと思う題名だが、結構シリアスな黒人差別問題を正面に取り上げた映画だった。
予告編なんてあんまり真面目に観てはいないがもっと軽いコメデイ―タッチなのかと思っていた。

なかなか終わらない、長い映画だ、なんていうと退屈したみたいだが、そうでもなくて最後は涙腺が緩んでしまった。

いわゆるハッピーエンドではなくて、主人公たちが苦難の道であっても顔を挙げて生きていこうとするところで終わる。
それが、なかなか、良いのだ。