暑い日は東京を半周 映画「屋根裏部屋のマリアたち」

昨日は充実、というかよく動いた一日。
５時過ぎに起きてサンチと２キロほど散歩、部屋の中を掃除機、ストレッチをしてブログを見たり書いたりして１２時前に渋谷へ、映画「屋根裏部屋のマリアたち」を観る。



１９６０年代のパリ、お金持ちの家の屋根裏に住むスペイン人メイドたちとお金持ちおじさんの交友・恋愛。

（夫が彼女たちに夢中になるのは正しい、あの人たちに比べたら）わたしたちなんて死んでいるようなものよ

優雅な買い物と食事に噂話三昧の有閑マダムのセリフ通り、メイドたちの助け合いの毎日はにぎやかで生き生きしていて、金持ちおじさんが惹かれるのも無理はない。

屋根裏の共同便所が詰まったエピソードでは学生時代の寮の便所が詰まったことを思い出した。
「おーい！突貫だ」と誰かが呼ばわると各部屋から出てきた学生たちが庭の隅に這わせた古い下水管をデッキブラシや棒きれでゴシゴシ、バケツリレーで水を流して大汗かいて”開通”させる。
本郷西片町の屋敷街に時ならぬ歓声があがり、たちこめる懐かしくもカグワシキ田園の匂い。

キリスト教で結ばれた貧しい仲間たちの仲が良く、日々が輝いていたのは映画のスペイン人たちの毎日によく似ていた。
共産党贔屓がいるのも。

渡辺篤によく似た専務が出てきたり、スキャンダルを売り物にする魔性の女資産家がデビ夫人に似ていたり、それぞれの役どころにぴったりの配役が笑わせて、ストーリーも浅く軽く楽しく、類型的なところが安心できて猛暑の過ごし方には最適だ。
映画を観てドコモで一時間あまり待たされて契約変更。
障害者割引があることを最近知ったのだ。
６０パーセント割引、やれ嬉しや、と思いきや既に５０パーセント割引だったから都合２００円ほどのセーブ、ちょっとがっかりしていたら、でも一年ではバカになりませんよ、とやさしいドコモ兄ちゃん。

時間があるので都バスで池袋山田電器へ。
相も変わらず、「駐車は定められたところで」「車内に新聞を置き捨てるな」、、お説教テープが猪瀬と石原の凸凹コンビが迫ってくるようで暑苦しい。

先日の山陰旅行でデジカメの電池が切れるという想定外事故があったので予備電源を買う。
渋谷の山田電器においてなくて取り寄せだと現金で前金を払えなどと不埒なことを言われたから無料の都バスで池袋まで行ったのだ。
池袋から上野まで山手線で直ぐ。
窓から見える鶯谷のホテル街が暑苦しくてご苦労様、俺は冷房完備の電車の中、ザマヲミロ！って誰に言ってるんだ。
不忍池をゆっくり一周する。
日差しは衰えたりと言えどもまだ強いが池を渡る風が涼しくて気持ちがいい。


一昨日は半分以下のスイカだった月がどんどん丸くなる。
カラスが飛んでいく。
花鳥風月、ヨキカナヨキカナ。
セミは鳴いているけれどトンボが見えない。
麦藁帽子も見えない。
どっちも６０年代の夏には健在だった。
麦藁帽子に下駄をつっかけて東海道線に乗って倉敷の友人の家を訪ねた夏休み。
湯島天神の落語会のことは明日書こう。
落語を聴いてＹさんたちと「岩手家」に行ったら「１０時までですよ」と言われてそれでも３０分、冷や酒を海鞘などでやって正直に切り上げて、そのままご帰宅ならご立派だったけど、一日の感傷にもう少し浸りたくて家の近くでビールを一本。

でも今日の内にご帰館、長い一日、さっきの月くらいな東京半周、１３５００歩也。