一朝・一之輔のちょっといい話 第529回「落語研究会」
2012年 07月 28日
一昨日の落語研究会のことから。
志の吉「初音の鼓」
「立川志の吉」をスマホに打ち込むと「タテカワシノキチ」=「立川市の基地」になるので「昭和記念公園」と呼ばれるなどと若手は名前を覚えてもらうために工夫する。
白酒「水屋の富」
落語研究会だから力が入るというようなヤワなたまでもあるまいに、いつもの毒舌が鳴りをひそめて大人しいマクラ、どうやってネタにつなごうかと7分くらいあちこちして江戸の水屋が富くじにあたって、その金がとられないかと苦労する噺に。
マクラの具合が悪かったかネタの調子もいまいちだった。
俺は薄い枕でないとネタ気になれない。
車で旅行するときには持ち歩くのだ。
山陰は飛行機だったから我慢したけど。
(ありゃ?二羽しかいないぞ、あとはどうした?)
一朝「芝居の喧嘩」
研究会のパンフレットのおしまいにはいつも長井好弘が「当世噺家気質」という面白い文章を書いていて、そうだ、これは捨てないで取っておこうと思わせる(結局は捨ててるけど)くらいなのだが、今回の表題は「春風亭一朝と『芝居の喧嘩』」。
一之輔の真打披露興行、休みなしに50日間つきあった一朝が3月21日の初日に選んだのが「芝居の喧嘩」だった由。
愛弟子の門出だから、明るくにぎやかなネタがよかろうと、もちろん十八番だ。
鈴本の披露目で一之輔が毎日ネタを変えるのに気がついた一朝は「それなら俺も」と10日間違うネタをやり末広亭に移っても連日ネタを変えつづけた。
新宿の4日目に一之輔が「師匠、もう勘弁してください」といったそうだ。
もともと楽屋では口数の少ない師弟だが、それまでネタに触れることはまったくなかったそうだ。
その噺にはもうひとつ裏があって、披露目が始まる前に一朝は50席書き出して悦に入って、珍しい噺などをさらっていたらしい。
それを一之輔にいったら「師匠、大人げないですよ」と言われた。
味のある噺だ。
↑の文章の最後に「時間の余裕がある当夜の公演。歌舞伎にかかわるまくらや、普段はやらない「噺」以前の物語も聞かせてくれるという」とある。
一朝本人が楽しくて楽しくてしょうがないように、「真打」「トリ」の語源、歌舞伎の大向こうからのかけ声、歌右衛門の可笑しなエピソード、「こういう噺を始めると終わらなくなっちゃう」と言いながら20分ほど聴かせてくれた。
(いたいた!遅れた二羽を待っていたんだね、やれやれ)
歌武蔵「馬のす」
一年前にイベント会社から電話があって怖ろしくアバウトな出演交渉、聴いてみるとスカイツリー開業式に出てくれ、光栄なことだと引き受けたが、開業当日に至るまで一切連絡がなく、、、雨が降ったので思わず「バンザイバンザイ」、大声でやったのがおかしいったらない。
枝豆の食い方はまあまあだったが、大相撲の四股名についてぶつぶつ独り言をいうのが彼らしくて面白かった。
”田舎の暴走族”みたいな四股名、あるね、たしかに。エジプト出身だったら「大砂嵐」、それもいいかも。
じっさい「鰤の里」というのもいるんだからなあ。
テンポも仕草も安定している。
市馬「船徳」
そりゃあ、副会長ですもの、このくらいの芸はみせてもらわないとね。
しかしどうしてもっと弾けないのか、もっと色気がないのか。
志の吉「初音の鼓」
「立川志の吉」をスマホに打ち込むと「タテカワシノキチ」=「立川市の基地」になるので「昭和記念公園」と呼ばれるなどと若手は名前を覚えてもらうために工夫する。
白酒「水屋の富」
落語研究会だから力が入るというようなヤワなたまでもあるまいに、いつもの毒舌が鳴りをひそめて大人しいマクラ、どうやってネタにつなごうかと7分くらいあちこちして江戸の水屋が富くじにあたって、その金がとられないかと苦労する噺に。
マクラの具合が悪かったかネタの調子もいまいちだった。
俺は薄い枕でないとネタ気になれない。
車で旅行するときには持ち歩くのだ。
山陰は飛行機だったから我慢したけど。
一朝「芝居の喧嘩」
研究会のパンフレットのおしまいにはいつも長井好弘が「当世噺家気質」という面白い文章を書いていて、そうだ、これは捨てないで取っておこうと思わせる(結局は捨ててるけど)くらいなのだが、今回の表題は「春風亭一朝と『芝居の喧嘩』」。
一之輔の真打披露興行、休みなしに50日間つきあった一朝が3月21日の初日に選んだのが「芝居の喧嘩」だった由。
愛弟子の門出だから、明るくにぎやかなネタがよかろうと、もちろん十八番だ。
鈴本の披露目で一之輔が毎日ネタを変えるのに気がついた一朝は「それなら俺も」と10日間違うネタをやり末広亭に移っても連日ネタを変えつづけた。
新宿の4日目に一之輔が「師匠、もう勘弁してください」といったそうだ。
もともと楽屋では口数の少ない師弟だが、それまでネタに触れることはまったくなかったそうだ。
その噺にはもうひとつ裏があって、披露目が始まる前に一朝は50席書き出して悦に入って、珍しい噺などをさらっていたらしい。
それを一之輔にいったら「師匠、大人げないですよ」と言われた。
味のある噺だ。
↑の文章の最後に「時間の余裕がある当夜の公演。歌舞伎にかかわるまくらや、普段はやらない「噺」以前の物語も聞かせてくれるという」とある。
一朝本人が楽しくて楽しくてしょうがないように、「真打」「トリ」の語源、歌舞伎の大向こうからのかけ声、歌右衛門の可笑しなエピソード、「こういう噺を始めると終わらなくなっちゃう」と言いながら20分ほど聴かせてくれた。
歌武蔵「馬のす」
一年前にイベント会社から電話があって怖ろしくアバウトな出演交渉、聴いてみるとスカイツリー開業式に出てくれ、光栄なことだと引き受けたが、開業当日に至るまで一切連絡がなく、、、雨が降ったので思わず「バンザイバンザイ」、大声でやったのがおかしいったらない。
枝豆の食い方はまあまあだったが、大相撲の四股名についてぶつぶつ独り言をいうのが彼らしくて面白かった。
”田舎の暴走族”みたいな四股名、あるね、たしかに。エジプト出身だったら「大砂嵐」、それもいいかも。
じっさい「鰤の里」というのもいるんだからなあ。
テンポも仕草も安定している。
市馬「船徳」
そりゃあ、副会長ですもの、このくらいの芸はみせてもらわないとね。
しかしどうしてもっと弾けないのか、もっと色気がないのか。
落語研究会のサイトで顔付けとネタを見た時、「あつ、これは一朝の『芝居の喧嘩』だな!」と思っていました。
江戸っ子の威勢のいい啖呵、現役では一番でしょうね。
真打昇進披露興行のネタの裏話、貴重な情報でした。
江戸っ子の威勢のいい啖呵、現役では一番でしょうね。
真打昇進披露興行のネタの裏話、貴重な情報でした。
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saheizi-inokori at 2012-07-28 22:00
小言幸兵衛さん、今回は江戸っ子の啖呵よりもマクラの雑談が楽しかったですよ。
たまにはこういうのもいいです。
たまにはこういうのもいいです。
私見ですが一朝、一之輔の真打昇進が公表された辺りから変わってきたかなと思うんです。
それ以前は上手いけど地味というイメージでしたが、芸に華が出て来た。
一之輔の飛躍は師匠自身にも励みになったのではなかろうかと推察しています。
それ以前は上手いけど地味というイメージでしたが、芸に華が出て来た。
一之輔の飛躍は師匠自身にも励みになったのではなかろうかと推察しています。
Commented
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saheizi-inokori at 2012-07-29 11:50
by saheizi-inokori
| 2012-07-28 11:28
| 落語・寄席
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