隠居の義太夫で雪が積もらないって 鯉昇「寝床」ネタおろし、一之輔の脱力

あれよあれよ、、光陰に驚いている俺。
今を去る5日前、29日の、新宿・亭砥寄席、「鯉昇・一之輔二人会」のこと。
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会場の新宿文化センターの前に凄いビルが出来ていた。
近頃はなんでも俺に無断でやるのが腹立たしい、小沢君だってひとことアイサツがあってもいいのに。
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それにしてもこんなビルに住んだら落ち着かないだろうなあ。

鯉丸「転失気」
一之輔「加賀の千代」
いたいけな老人に布団を売りつけるような会場だと、たしかに。
昭和女子大付属高校の良い子たちに「初天神」を聴かせて、飴玉をいじった指を舐めたり、しゃぶった団子をもういちどタレの壺に入れると、「それはいけないよ」という視線で咎めたけれど、素直でちゃんと笑う良い子たちだった、、一之輔にとっては彼女たちは異星に住んでいるようなものかもしれない。
ネタは、さらっと笑わせた。
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ついで鯉昇「寝床」
最前列でみると迫力あるけど優しさもある顔だね。
浅草にいた鳩がスカイツリーの電磁波の影響で鯉昇の近くに退避してきたという。
そういえば浅草であったことのあるのが二三羽、、新しいマクラ。

新ネタに取り掛かると溌剌としていいのだけれど、でき上がらないうちにかけたくてたまらなくなるのが困る。
おもしろくないと思うけれど我慢してくれと言って「寝床」だ。
今頃?意外だった。

志ん生のを下敷きに?独自のギャグを加えてたっぷり。
ガンモドキの作り方はテレビの料理番組よりも丁寧だ、包丁の向きまで指南する。
旦那の義太夫がもたらす甚大な被害のいろいろ、ちょいとした毒入り竜巻だ。
ブラジルで日の出が遅れるってんだから、ちょいとしたレベルではおさまらないか。

寝床が出てこない寝床。
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(馬事公苑のひとなつこいポニー)

休み中はロビーで一之輔、鯉昇並んでCDにサイン、鯉昇の方が多かったかな。
身の置き所がなさそう、照れくさそうな一之輔のたたずまい、ちょっとよかった。
鯉昇「粗忽の釘」
箒をかけるんじゃなくて、おばさんの形見にもらったロザリオをかける釘を打つのだ。
夫婦の馴れ初めを語るところは一切カット。
18分、すきっと終った。
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一之輔「茶の湯」
高校生のとき初めて浅草演芸ホールに飛び込んだら柳昇がトリで鯉昇も出ていた。
あれから17年かな、その鯉昇師匠と二人会ってすごいですね、たしかに。

蔵前の噺から、渋谷なんてなくなりゃいい、ってやっぱり一之輔は山の手嫌いだ。
笹乃雪、豆腐なのに気取って高い!
俺も賛成、鎌倉の何とかいう店で玉子焼き定食なのに1200円も取る店があって、そこに並んで食うバカな客がいて、それをまた何度でも映すバカなテレビがデエッキレエだ。
男なら漱石、女なら雅子!
ご隠居が定に持って来いという茶の道具、なんだかわかる?
そう、棗、なつめですね。
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ここんとこ力の入った、それが空回りするような一之輔を見ていたから、今日のように脱力して流すのにホットもするし、、物足らなくも思う、わがままな、あ・た・し。

鯉昇、さすがに貫録でした。
末広亭が小三治だったのにチケットを早くに取ってしまったからもったいない精神で来たこの会。
それなりに満足、帰りのいっぱい、おなじみになった客たちとの話も満足。
Commented by 豆ママ at 2012-07-04 12:15 x
>わがままな、あ・た・し。

落語聴いてるときぐらい、我慢しなくていいですよォ~~!
Commented by saheizi-inokori at 2012-07-04 14:01
豆ママさん、どっちも欲しいといわれても一之輔も困るでしょうね。
又今度期待しましょう。
今日は柳好トリビュートですよ^^。
Commented by 豆ママ at 2012-07-04 17:38 x
おっ、小柳枝さんですね!!!
小柳枝さんの「野晒し」・・・聴いてみたいわァ~~。
Commented by kaorise at 2012-07-04 23:26
このビルすごいですね、、なんなんでしょうか~
手前の彫刻?卵みたいな建物?
宇宙人でも襲来したみたいな新宿になっておりますねえ。
情緒のある建物を作る人はもういなくなったのかしら・・・・・
Commented by c-khan7 at 2012-07-05 00:01
高座の落語家さんと目が合うと、なんか、どうしたものか、、と。
最前列は、緊張します。
Commented by saheizi-inokori at 2012-07-05 00:17
豆ママさん、「粗忽長屋」でした。
かるみがよかったです。
Commented by saheizi-inokori at 2012-07-05 00:18
kaorise さん、都市の芸術かもしれないけれど、そこに住んだり仕事をしたい場所ではないですね。
Commented by saheizi-inokori at 2012-07-05 00:21
c-khan7 さん、実際はも少し後ろが目があうかもしれないのですが、まえが無防備なのはおちつきません。
メモも取れないし^^。
Commented by at 2012-07-05 13:34 x
最後の写真、タイの軍鶏じゃないのかい?
Commented by saheizi-inokori at 2012-07-05 19:42
蛸さん、そうですよ。東京農大の「食と農の博物館」前に設置されています。
タイのアユタヤ王朝、第19代目の王、ナレースワン大王が愛玩した闘鶏だそうです。
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by saheizi-inokori | 2012-07-04 11:35 | 落語・寄席 | Trackback | Comments(10)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori