よってたかって楽しませてくれた「花形演芸会スペシャル」
2012年 06月 26日
日曜日、国立演芸場、花形演芸会スペシャル~受賞者の会~。
前座は朝呂久「饅頭怖い」
蛙は口が大きいから、馬は顔が長くて頬かむりするのが大変だろうと思うから、蟻はみんなで俺の悪口を言ってるように見えるから、、怖い理由はさまざまだ。
家に帰ってベッドで米朝のを聴いたら、怖いもんの前に好きなもんの話があって、酒、女、羊羹、麺類ではぼた餅(あれ魚類やったか)、化け物みたいな卵かけごはん、なんてのがあって、朧月夜に386800円包んだ風呂敷包みを拾うなんてケッタイなんがあって、やっと嫌いな・怖いもんになる。
ヘビ、ゲジゲジ、、の類からうちの嫁はん、ありゃ他人でも怖いのやさかいなあ、そしてケツネ、キツネに騙された噺があって、身投げしようとする女の怪談噺になって、、そうこうするうちに、饅頭までたどり着かんと寝てもうた。
それほど長い噺やねんな。
枝雀で聴きたかった。
銀賞受賞のエネルギー・コント
狂言の仕草や声色を巧みに織り込んだ異色のコント。
かなり狂言を本格的にやった人でないとこんなに面白くならないだろうと思ったら、受賞者の挨拶の中で野村万蔵や南原清隆に感謝の言葉を述べた、やっぱり。
金賞受賞の左龍「棒鱈」
酒癖の悪い江戸っ子とあまりにもどんくさい薩摩侍。
丸い大きな目を活かして独特の語り口が楽しい。
異相も噺家には大事な資産だ。
さいごにみんながクシャミをするところがもう一工夫あれば大賞も狙えるかも^^。
おなじく金賞の兼好「天災」
少し元気がない印象だったが話し始めると快調なテンポで笑いを取っていく。
審査員の講評で「大賞に推す人もあった」と明かされるだけのことはある。
好みからいうとあのだみ声がなんとかならないかと思うが、そりゃムリナンダイ!
「こんな自分が嫌で生まれ変わりたかった」、「喧嘩っぱやいけど気が弱い」なんてつぶやく八ッアン。
他の人の八ツアンよりも剽軽で繊細な演出。
(九品仏の猫)
表彰式は菊之丞が司会
やや硬くなっているやに見えたが、だんだん調子を上げて、「師匠との不仲が囁かれている左龍」「王楽をつぶしにかかっている兼好」「披露目が終わって無一文になった一之輔」、、受賞者をいじる紹介がウケた。
菊之丞「幇間腹」
幇間の一八を徹底して戯画化して、この噺のもつ一種の暗さを払しょくした。
昨夜の夢見が悪く「親鸞上人が聖教新聞を配っている夢」を見た、って変なギャグだ。
過去に金賞三回取ったのに大賞は取れなかった実力を発揮、ってこれも変な評だね、うまいっていってるつもりだけど。
菊池まどか・浪曲「嫁ぐ日」
目鼻立ちの大きな(これも褒めてるつもり)明るい、、おっさんたちがいちころの可愛さ。
美声を張り上げて長持ち唄、、噺は、、父ひとり娘ひとり、「嫁ぐ日」、明るい涙、まあ、こういうのが好きな人も多いかな。
(いつものパン屋ではない、こっちもいける)
大賞の一之輔「初天神」
目が腫れぼったく顔の艶もイマイチ。
彼のブログを覗くと毎日朝から晩までの多忙ぶりに驚く。
いかに大物といわれる太い神経と転換の早い才能の持ち主とはいえ緊張の連続だろう。
ネタ、俺は二度目かな。
前のと違う。
父よりも長いこと世間の荒波をくぐってきたようなシビアな突っ込みを入れる金坊。
しかし飴玉や団子が食べたい、可愛がられているよその子をみたら羨ましい、可愛い坊主。
緊張感すら漂う親子の鋭い掛け合いに笑って、ああ、間違いなく新しい才能の誕生だと納得する。
だが、やはりくどすぎる。
このまま凧揚げまで行ったら何時に終わるのか、と思わせるほど長すぎて、団子のところで終わってみせた。
大賞受賞の晴れの場、さいごの凧揚げまでやってほしかった。
父もかつての子だった、と微笑ませる凧揚げを。
バラエテイに富んだ楽しい一夜だった。
蛙は口が大きいから、馬は顔が長くて頬かむりするのが大変だろうと思うから、蟻はみんなで俺の悪口を言ってるように見えるから、、怖い理由はさまざまだ。
家に帰ってベッドで米朝のを聴いたら、怖いもんの前に好きなもんの話があって、酒、女、羊羹、麺類ではぼた餅(あれ魚類やったか)、化け物みたいな卵かけごはん、なんてのがあって、朧月夜に386800円包んだ風呂敷包みを拾うなんてケッタイなんがあって、やっと嫌いな・怖いもんになる。
ヘビ、ゲジゲジ、、の類からうちの嫁はん、ありゃ他人でも怖いのやさかいなあ、そしてケツネ、キツネに騙された噺があって、身投げしようとする女の怪談噺になって、、そうこうするうちに、饅頭までたどり着かんと寝てもうた。
それほど長い噺やねんな。
枝雀で聴きたかった。
狂言の仕草や声色を巧みに織り込んだ異色のコント。
かなり狂言を本格的にやった人でないとこんなに面白くならないだろうと思ったら、受賞者の挨拶の中で野村万蔵や南原清隆に感謝の言葉を述べた、やっぱり。
金賞受賞の左龍「棒鱈」
酒癖の悪い江戸っ子とあまりにもどんくさい薩摩侍。
丸い大きな目を活かして独特の語り口が楽しい。
異相も噺家には大事な資産だ。
さいごにみんながクシャミをするところがもう一工夫あれば大賞も狙えるかも^^。
おなじく金賞の兼好「天災」
少し元気がない印象だったが話し始めると快調なテンポで笑いを取っていく。
審査員の講評で「大賞に推す人もあった」と明かされるだけのことはある。
好みからいうとあのだみ声がなんとかならないかと思うが、そりゃムリナンダイ!
「こんな自分が嫌で生まれ変わりたかった」、「喧嘩っぱやいけど気が弱い」なんてつぶやく八ッアン。
他の人の八ツアンよりも剽軽で繊細な演出。
表彰式は菊之丞が司会
やや硬くなっているやに見えたが、だんだん調子を上げて、「師匠との不仲が囁かれている左龍」「王楽をつぶしにかかっている兼好」「披露目が終わって無一文になった一之輔」、、受賞者をいじる紹介がウケた。
菊之丞「幇間腹」
幇間の一八を徹底して戯画化して、この噺のもつ一種の暗さを払しょくした。
昨夜の夢見が悪く「親鸞上人が聖教新聞を配っている夢」を見た、って変なギャグだ。
過去に金賞三回取ったのに大賞は取れなかった実力を発揮、ってこれも変な評だね、うまいっていってるつもりだけど。
菊池まどか・浪曲「嫁ぐ日」
目鼻立ちの大きな(これも褒めてるつもり)明るい、、おっさんたちがいちころの可愛さ。
美声を張り上げて長持ち唄、、噺は、、父ひとり娘ひとり、「嫁ぐ日」、明るい涙、まあ、こういうのが好きな人も多いかな。
大賞の一之輔「初天神」
目が腫れぼったく顔の艶もイマイチ。
彼のブログを覗くと毎日朝から晩までの多忙ぶりに驚く。
いかに大物といわれる太い神経と転換の早い才能の持ち主とはいえ緊張の連続だろう。
ネタ、俺は二度目かな。
前のと違う。
父よりも長いこと世間の荒波をくぐってきたようなシビアな突っ込みを入れる金坊。
しかし飴玉や団子が食べたい、可愛がられているよその子をみたら羨ましい、可愛い坊主。
緊張感すら漂う親子の鋭い掛け合いに笑って、ああ、間違いなく新しい才能の誕生だと納得する。
だが、やはりくどすぎる。
このまま凧揚げまで行ったら何時に終わるのか、と思わせるほど長すぎて、団子のところで終わってみせた。
大賞受賞の晴れの場、さいごの凧揚げまでやってほしかった。
父もかつての子だった、と微笑ませる凧揚げを。
一之輔「初天神」ですが、あの緊張状態の父子では凧揚げは無理でしょう。あれはサゲまで行かない演出なんだと思います。
今年の初めごろ一之輔が真打披露の前売りをしていたら、チケットを買った客から「初天神はやめてね」と言われたそうです。
評価が分かれるんでしょうね。
今年の初めごろ一之輔が真打披露の前売りをしていたら、チケットを買った客から「初天神はやめてね」と言われたそうです。
評価が分かれるんでしょうね。
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日曜でなければ、といつも思う会です。
一之輔は『初天神』に限らずどのネタでも高座の度に変わっているように思います。それだけ“新陳代謝”の活発な時期なのでしょうね。
一之輔は『初天神』に限らずどのネタでも高座の度に変わっているように思います。それだけ“新陳代謝”の活発な時期なのでしょうね。
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c-khan7 at 2012-06-26 23:36
境内で熟睡中のネコさんがフカフカで可愛いです。
ウィンドーの中のパンもフカフカで美味しそうです。
楽しそうな一日でしたね。
近所のお爺さんに好物を聞いたら
「ごはんの上に梅干しの汁をたらして、砂糖を混ぜた梅ご飯」
なんと斬新な食べ物だろう!
ウィンドーの中のパンもフカフカで美味しそうです。
楽しそうな一日でしたね。
近所のお爺さんに好物を聞いたら
「ごはんの上に梅干しの汁をたらして、砂糖を混ぜた梅ご飯」
なんと斬新な食べ物だろう!
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saheizi-inokori at 2012-06-27 00:04
小言幸兵衛さん、上のコメントにも書いたように今の一之輔は危ない所にいると思います。
早く平常に戻らないと危ない?
早く平常に戻らないと危ない?
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saheizi-inokori at 2012-06-27 00:07
c-khan7 さん、むかしご飯にバタ(マーガリンじゃない!)を乗っけて醤油をたらすのが最高のぜいたくでしたよ^^。
筍の皮に梅干しを包んでしゃぶるのも。
筍の皮に梅干しを包んでしゃぶるのも。
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marsha
at 2012-06-27 05:56
x
↑ご飯にバターをのっけてお醤油を数滴垂らすのは最高のご馳走で母に見つからないように隙を狙っていました。 子供達の間ではバタマンマと云っていました。 お味噌汁にもバターをちょっと入れて、これも美味しかったですねー。
バターやチーズは最高においしい食べ物だと思いました。 チーズも種類は殆ど無く、きまって雪印の長方形のチーズでした。 母がお客様にお出しするお酒のおつまみの一品でした。 薄くスライスしている側につきっきりで見ていると、一切れ呉れるのが楽しみでした。 その一切れを大切に味わって食べたものです。
バターやチーズは最高においしい食べ物だと思いました。 チーズも種類は殆ど無く、きまって雪印の長方形のチーズでした。 母がお客様にお出しするお酒のおつまみの一品でした。 薄くスライスしている側につきっきりで見ていると、一切れ呉れるのが楽しみでした。 その一切れを大切に味わって食べたものです。
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創塁パパ
at 2012-06-27 06:48
x
一之輔は、少しお疲れでしょうね。菊之丞最近聴いていないので
聴きたいなあ(笑)
聴きたいなあ(笑)
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蛸
at 2012-06-27 09:39
x
エネルギー・コント、素敵! 今度見たい物です。
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saheizi-inokori at 2012-06-27 10:28
marsha さん、チーズなんて食べるそばから”エイヨーがついて”元気になるような気がしたもんです^^。
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saheizi-inokori at 2012-06-27 10:30
創塁パパ さん、昨日落語研究会での一之輔「青菜」も出来が悪かったです。
早くも壁?そんな感じすらしました。
早くも壁?そんな感じすらしました。
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saheizi-inokori at 2012-06-27 10:31
蛸 さん、楽しいコントでした。
うまく来日の時にどこかでやっているといいですね。
うまく来日の時にどこかでやっているといいですね。
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saheizi-inokori at 2012-06-27 10:33
ほめ・くさん、彼のブログによれば知らぬ間に32分経ってしまったということですが、私は今の一之輔は少々疲れて抑制が効かないハイ状態ではないかと見るのですが、、。
昨日返信コメントしたつもりでいたら非公開せっていになっていました。
昨日返信コメントしたつもりでいたら非公開せっていになっていました。
by saheizi-inokori
| 2012-06-26 14:59
| 落語・寄席
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