白酒独演会&世田谷ぶらり散歩&杉浦日向子「江戸へようこそ」

一昨日はJTホールで「白酒独演会」
前座があってすぐに白酒が上がって、今回から前半に白酒が二席、中入り後、二つ目と白酒で一席づつやります、とのこと。
それから小沢一郎のこと、その顔がまずいこと、タレントにもいろいろあって3Dなんかに出たらびっくりする、、面白くもない、切れ味もユーモアもない、そこら辺の会社の飲み会でおじさんおばさんがしゃべるようなことをくっちゃべる、14分も!
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「大山詣で」の銅像、ぼろ市通り(大山街道)の外れにある、キセルが欠けちゃってるのが惜しい。
今日の記事は白酒独演会と世田谷ぶらり歩きの二重奏だ。

マクラの効用・機能はネタの分からなそうなところに予備知識を与えたり、噺ながら会場の空気を測り温めていったり、いろいろあるけれど、あくまでネタにスムーズに入っていくためのものだから、ここだけをネタと関係なく長々とやるのは邪道だ。
小三治が長いマクラで売って、その部分だけを本にしている。
これはそれだけの面白さがあってネタそのものと言ってもいいような機知やユーモア、世界が出来ていた。
それでも俺はネタをやるなら長すぎると思う。
マクラだけを新作や漫談・隋談として完結させればいいのにと。
その点、白酒の長い噺は、新作にもならず、漫談・隋談というより雑談だ。
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世田谷郷土資料館、休祝日休館、平日に休めばいいのに。
がっかりしたら(と言っても当てもなく歩いていたら資料館の前に出たというだけ)向かい側の天祖神社境内からにぎやかな声。
誘われていってみるとBBQ、焼きそばにサザエなどが見える。
町内の仲良し、老若男女、いい笑い声だ。
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世田谷線世田谷駅から小さな電車に乗る。

ところで白酒のネタは「だくだく」
ド近眼の泥棒と貧乏男のエアの戦い、手裏剣が飛び、吹き矢をしゅしゅしゅっ、煙玉がボン!、槍でついたつもり、血がだくだく出たつもり。
子供の頃のチャンバラだって竹の棒や新聞紙を固めて刀を作ったものだがね。
そんな思い出とかエア演奏のことでもマクラにすればいいのに。
小沢の皺じゃシャレにもならない。
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三軒茶屋キャロットタワー、ふと思いついて26階展望ロビーに、入場無料。
連休中日だというのに空いている。今更26階でもないか。
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さっき乗ってきた世田谷線が見えたり、遠く横浜ランドタワーがあったり、なかなか鳥になった気分もよろしい。

白酒は、しびれを予防するためにちょっと立って行きすぐに戻る。
「お茶くみ」
昨日も書いた杉浦日向子「江戸へようこそ」によれば、
江戸の価値観を一口で表すのは「傾城に真(まこと)があって運のつき」という諺です。
ひょっと誠意のある遊女に出会った客は運のつき、身の破滅だということ、それが「江戸趣味」とは違うところだ。
遊女との一時の夢を買うのが吉原で、夢ならば醒めなければならない。
立ち戻る現実があればこそ、夢は面白い。

お茶くみの女郎がしかけた夢は目の下のツケボクロが茶葉だったからすぐに覚めてしまったのだ。
それにつけても女郎が「年が明けたら夫婦になろう」とささやくと男は嬉しそうにOKする話がおおい。
杉浦は、江戸の人々は、セックスには明るさを求めていて、庶民のセックスはかなり自由だったという。
当時の堅気の女性が吉原の遊女を見る目には、今の女優とかアイドル・タレントを見るような感覚があったようだ。
与太郎のオカミサンが錦の袈裟を用意するのなんかも今から見たら不思議な感覚だ。
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遊一「辻占の独楽」
女性の声が声色のように細く裏返ったりする。
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冬の間銭湯に入らなかったので久しぶりに入ったら極楽だ。
極楽を出ると腹の中も極楽にしたくて『赤鬼』、ここも久しぶり、5時過ぎで満席、電話が来るたびに「10時ころには空席ができると思います」、いいタイミングで滑り込んだ。
「雪の茅舎」「飛露喜」「佐久の光」

白酒「火焔太鼓」
先日雲助の「人情噺 火焔太鼓」を聴いたばかり、今日は本格滑稽噺としてやる。
やっぱりこっちの方が面白い、なんちゃってほめ言葉にもならない。
ただ甚兵衛さんがニ三度、カミさんとのセックスをクスグリに使ったのはあまり戴けない。
白酒の体型から痩せたオカミサンを想像するのが難しいということがあるにせよ。

どうも俺、白酒にきついなあ。
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これは『赤鬼』で一人で食ったシシャモ。
白酒の後も居残り分科があって結構内容のある落語観が交わされたのだが料理の写真は撮らなかった。
その代り、昔懐かし銀座線レトロ車両を
あの瞬間停電はどこでだったったけ?
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Commented by tocotoco-o3po at 2012-04-30 20:00
saheiziさんも一日で結構な歩数を歩いているのですね!
日記を拝見してはそのように感じています。

三軒茶屋キャロットタワーからの鳥になった気分~^^
いつも通らない道やあまりいかない場所にいってみると色々な物が見えて楽しいですよね!
ししゃもがとても美味しそうです^^
Commented by poirier_AAA at 2012-04-30 20:08
このレトロ車両にも乗りたかったんですが時間が足りませんでした。
肝心の落語の話にはつゆ触れず、電車に反応しているわたし。
Commented by mama at 2012-04-30 20:13 x
マクラって、もしかしたら現代の噺家さんたちは勘違いしているんじゃないかなと思うことあります。もっと噺の空気を作って欲しいのですが。むしろ壊してしまって、観客に「勝手に入ってこい」と言わんばかりの人もいますもの。
ちなみに小三治の場合はマクラとして(私は)聴いていません。(^^;)

私も白酒にはキビシイです。話し方ももう少し明瞭にして欲しいし、体型も削って欲しい(・・・あ、私もだ・・・)
Commented by sweetmitsuki at 2012-04-30 20:44
鳥瞰視すると大山街道はまだ面影がありますね。
手前の緑は目青不動、彼方の緑は世田谷城跡と豪徳寺でしょうか。
それにしても、こういう資料館が休祝日に開いてないって、どういう事なんでしょう。
所詮は大学のOBが天下るためのハコモノなんでしょうね。
貴重な発掘資料を保存してくれてるから有難いのですが、会社休んで観に来いではキツ過ぎます。

Commented by saheizi-inokori at 2012-04-30 21:22
tocotoco-o3poさん、現役時代は1万歩は軽かったのですが隠居してからは5000歩平均です。
昨日今日は1万を超えましたが^^。
Commented by saheizi-inokori at 2012-04-30 21:24
poirier_AAAさん、銀座線は上京してすぐに乗った地下鉄でしたから、とても思い入れがあるのです。
全線往復50円!
Commented by saheizi-inokori at 2012-04-30 21:25
mama さん、ネタに惚れこんでいないのかもしれないですね。
自信がないからマクラで受けようとするのではないでしょうか。
Commented by saheizi-inokori at 2012-04-30 21:27
sweetmitsukiさん、目青不動ですか、今度行ってみます。
ほんとに役所の感覚ですね。
それを抜けたら自分も楽しくなるのにねえ。
Commented by haruneko3 at 2012-04-30 23:49
日向子さんの大ファンです。
江戸時代への憧れは、彼女の本がきっかけでした。
日向子さんのすすめていた<素隠居>時間を絞り出しては
楽しむ。。。。それが心の糧かな。
Commented by c-khan7 at 2012-05-01 08:54
線路わきのグリ〜ンがグリングリンしてますね。
電車は走りにくくないのかと、、
長い枕は抱き枕にでもしておきなさい。はい!!
Commented by tona at 2012-05-01 09:05 x
高所恐怖がなくて、鳥になった気分でよかったですね。
26階だと俯瞰する景色がかなりのものですね。
Commented by saheizi-inokori at 2012-05-01 18:07
haruneko3さん、以前読んだときはそれほどでもなかったのですが、今読むと面白いです。
隠居になったからか、3・11以後だからか。
Commented by saheizi-inokori at 2012-05-01 18:08
c-khan7さん、見た目にはいいけれど、ちょっと安全を心配してしまいます。ゆっくりだからいいのかな。脱線してもどうってこともない?
Commented by saheizi-inokori at 2012-05-01 18:09
tona さん、がっちりした建物の中でしたから怖くなかったです^^。
Commented by 創塁パパ at 2012-05-04 08:41 x
キャロットタワーは、東京の営業担当の時、よく行きました。眺めがいいですよね。白酒は三三に少し遅れを取り始めたかな。がんばらないと。
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by saheizi-inokori | 2012-04-30 12:05 | 落語・寄席 | Trackback | Comments(15)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori