脱原発に関する大阪の住民投票を否決した橋下・維新の会の真意は

すばらしい高座に接したのに橋下のことなど書きたくもない、のだが、、。
大阪の原発稼働についての住民投票案が市議会で否決されたニュース、今までも腹が立っていたのを我慢していたけれど、今朝の東京新聞の記事でとうとう切れた俺。
東京でも住民投票への署名集めが行われていた。
歩いていても身をすくめるような寒風吹きすさぶ渋谷のガード下、立ち尽くして声を枯らし署名を呼びかけ、署名に応じる人に丁寧に説明していた人たちのことが目に浮かぶ。

「大阪市が大株主として関西電力に脱原発依存を提案するから」とか「住民投票には経費がかかる」とか「署名が関西全体の住民の意思を反映しているとまではいえない」などと意味不明な理由を寄せ集めたような否決理由らしい。

株主提案なんてほとんど形式的なもので会社側の総会スケジュールに沿って簡単に否決されるものだ（株主提案はアリバイつくりであって否決されることを見込んでの行動だ）し、住民の意思と株主の意思とは別次元のものだ。

選挙に勝てば白紙一任をもらったようなものだとか首相の公選を声高に叫ぶ橋下は投票結果に表れる多数の国民の意思を最優先する（それにはそれで俺は異議ありだが）かのごとくに見せて、原発に関しては住民多数の意思をはっきりさせることを拒否した。
原発稼働に関する住民の意思によって原発稼働を否定されて（または肯定されて）自らの行動が規制されることを嫌ったのだろう。
少し前にはテレビで脱原発について国民投票をした方がいいとも発言し、そのときに「節電をすることや電力供給が不安定になったり電力料金が上がっても原発はいらないという国民の覚悟を明確にした上で脱原発をすればいい」というようなことを言って、あれ、そんなイヤガラセみたいなことは前には言わなかったんじゃないか、ちょっと変な言い方になったなあ、と思って聞いた記憶がある。

住民投票であれ国民投票であれ脱原発の是非についての国民意思を明らかにするものであることには変わらない。
株主提案をしようが、反対に原発再稼働を推進するとしても、原発が国民の命と生活に重大すぎる影響をもたらすことがはっきりした現在にあっては、国民にその是非を問い、そのうえで行政・政府は意思決定をするというのはいいことだ。

株主提案を通したい、よしんば否決されても脱原発のために全力投球をしたいというのが本心ならば、住民投票で脱原発の意思を明確にすることはとても大事な力を得ることになるのではなかろうか。
それとも住民投票をすれば原発再稼働派が勝つという読みなのか、え？空気読みの達人君よ。
逆櫓を用意し始めたか。