清盛の尿瓶?NHKが探してたよ 第523回「落語研究会」

ちょいと風邪気味なのでストレッチもやめて家事もさぼって日曜日のテレビ(報道番組)を見ていると腹が立ってくる。
居並ぶ連中それぞれに、どんな話題がふられてももっともらしい顔をして屁みたいなことをくっちゃべって(恥ずかしくないんだろうか)。
とくにむかつくのはメデイア出身のコメンテーターのしれっとした顔。
拡大する格差の上のほうで屁みたいなことばっかり言い続けてこんな日本にしてしまった責任なんて考えもしないんだろう。
マスコミ業界の下請け孫請け構造は原発作業員の多重請負とちっとも変らない”搾取”(きとらさんが懐かしい言葉を思い出させてくださった)の構造だろうに。

下請けも孫請けもない、あるのは真打から前座までの師弟関係のみ、力さえあれば学歴なんてむしろからかいのネタ、落語の世界はいいのウ!

ことし初めての落語研究会。
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開口一番は一之輔「初天神」
こんどの3月、真打になります。ですから二つ目として落語研究会に出るのはこれが最後、、、なんて(真打になったら)出られるかどうかわからないのに、、でるつもりで精進します(拍手)。
よくできたポスターがあちこちに貼ってあります、、すでに目に画鋲が数本刺さっていたとか「辞退します」という紙が貼ってあったとか、、恐ろしい世界です、
冗談みたいにしゃべっていたが実際”男の嫉妬”がすさまじいだろう。
がんばれ、負けるな!

クレバーな金坊と少々ヤクザな父親の初天神、さいごに凧を揚げるとこは気分が出ていた。

一琴「松山鏡」
鏡のない国の噺。
働き者の男が代官から親孝行を愛でられて「着物をもらっても野良仕事の邪魔になるだけ」「田地田畑はこれ以上あっても耕せない」「お金くれえ毒になるものはない、あれば遊んじまう」と褒美を断る。
押して何でも好きなものを、といわれそれじゃ死んだ父にあいたい。
代官、一計を案じ秘蔵の鏡をやる。男が覗くと、そこには懐かしい父の姿が。
鏡をつづらに入れて毎日密かに覗いているのを見咎めた妻がこっそり覗くとそこには女、こんなひどい面相の女を隠していたとは!

いかにも古い民話を語るようで気持ちよく聴けた。
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志ん橋「火焔太鼓」
志ん生の全編ギャグみたいな、このネタ、大好きだ。
志ん橋はマクラが少々長すぎたがあとはゆっくりゆっくり懐かしい志ん生の面影を確かめるように語ってくれた。

脱俗のオーラをまとうがごとき古道具屋の甚兵衛さん、今までに古い物仕入れて失敗したのは「清盛の尿瓶」「頼朝のふんどし」それだけじゃないだろ?「卜伝の鍋蓋」もあった。
定吉が侍に咎められるのかと思い込んでかばうときに
ありゃ、馬鹿なんですよ、顔もバカガオ、夏になりゃ咲く、目をごらんなさいバカメ、おつけの実にしかならないン
女房が甚兵衛が出かけるときに
しっかりしなさいよ!うっかりしちゃダメだよ。
バカが太鼓しょってるんだと思って(しっかりしなさい)
口は悪いが心は優しい。
300両もらって帰るときに三太夫が金を落とさないかと心配すると
手前を落っことしても金だけはオトシャしねえ
300両懐に家に帰る途中で
女房のやつ、(腹が減って)おなかと背中がくっついちゃうだとお。帰ってうんと食わして動けなくしてほうぼうくすぐっちゃうぞ、てめえ
いまどきこんなギャグ、どこが面白い?という向きもありそうだが、俺はにやにやくすくす、時に声に出して笑ってしまう。
もう何十回聴いたかわからないけれどおかしくておかしくて。

田河水泡だったか、昔の漫画を見ているようなのんびりとゆったりとした面白さ。
志ん橋だけじゃなくて志ん生も一緒にやってくれているような気がした。

中入り後、花緑「平林」、さん喬「雪の瀬川(下)」があったのだが。
三席聴いたら満腹して、そのあとねちっこそうなのを聴く気がなくなって(去年の「瀬川(上)」を聴いてないし)、帰ってきてしまった。
Commented by takoome at 2012-01-15 11:25
サワディ〜カ〜
どの世界にも怖い事いっぱい!
Commented by saheizi-inokori at 2012-01-15 11:41
takoomeさん、落語の世界のいたずらなんてかわいいものですよ。
Commented by 旭のキューです。 at 2012-01-15 13:41 x
3席聞いて満腹、充実な日々で何よりです。私も月3ラウンドはやりたいです。
Commented by 創塁パパ at 2012-01-15 16:24 x
「初天神」は、一之輔の出世作。後、「松山鏡」は初めて全部覚えた「古典落語」です。お手本は黒門町ですが。最近この噺は聴いたことがないので貴重ですね。
Commented by c-khan7 at 2012-01-15 17:13
松山鏡。不思議な噺です。
昔は電気もないし、鏡だって今ほど普及していなかったから、
こういった事も無くはないけど、やっぱり、無い、無い。
でも、思い白いオチですね。
Commented by maru33340 at 2012-01-15 17:42
志ん生はやはり「火炎太鼓」ですね。何度聴いても同じ所で笑ってしまいます。最後に甚兵衛さんが五十両ずつ置いて行き、驚いたおかみさんが「水を一杯おくれ」「俺も同じ所で水飲んだんだ」というくだりがなんとも大好きです。
Commented by saheizi-inokori at 2012-01-15 22:12
旭のキューです。さん、3ラウンド?それではきかないでしょう。
ゴルフは一日仕事、おつかれさまです^^。
Commented by saheizi-inokori at 2012-01-15 22:14
創塁パパ さん、出世作ですか、それほど感心しませんでした。
でも水準以上なのは間違いないですが。
Commented by saheizi-inokori at 2012-01-15 22:15
c-khan7さん、だってつづらのなかから出てこないってありえない。
でもわかっていて面白い。
Commented by saheizi-inokori at 2012-01-15 22:17
maru33340さん、仲のいい夫婦なんですね。
それは夫がバカになっているから、そこも面白いです。
Commented by tona at 2012-01-16 08:59 x
居並ぶコメンテーターは格好よく言いたい放題、言いっぱなしで、責任なし。こんなことをずっとしていていいのでしょうか。この手のTV番組は世のため人のためになっているのか?と思うときがあります。何か変だと感じながら、時々観てしまいます。
Commented by saheizi-inokori at 2012-01-16 09:50
tona さん、世のためにも人のためにもなっていませんねえ。
白々しい思い出眺めているときがあります。
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by saheizi-inokori | 2012-01-15 11:19 | 落語・寄席 | Trackback | Comments(12)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori