ジイさんが一杯! 映画「ヒトラー~最後の12日間~」
2016年 01月 31日
(この記事は2005年7月16日にアップしたものです。
ちょっと直したら今日の日付でしか投稿できなくなってしまいました)
全くビックラこいたぜ。、なんかの老人会と思ってしまった。おじいさんばかり行列、渋谷ライズ。「オペラッタ狸御殿」でも、「バタフライエフエクト」でも「ミリオンダラーベービー」でもこんな光景は見られない。この年頃のおじいさんが懐かしむと言うなら「アヴィエイター」だって、ほとんど若者ばっかり。渋谷という街、しかもこのスペイン坂の上のシネマライズに・・。確かにかつてこのあたりはこのおじさんたちが下駄を鳴らして闊歩したところではあるが。
長い、ストレートな映画だ。きわめて実直にヒトラーの最後の12日(かどうかは映画じゃ分からないのだが)を一生懸命に描いている。見ごたえもある力強い映画だ。今頃流行のひねりを効かしたものとは違う。破滅に面して、自らの希望が絶望に変わるときの人々のありようが迫力をもって描かれる。肝心のヒトラーの内面の苦悩となるとよく分からない。語り手の秘書の言葉「総統の内面は謎です」の通りだ。ただ、謎にしてもやや深みが感じられない。
ヒトラーの日常生活における人間味と”総統となった”ヒトラーの二重人格性、なかんずく彼の小児性など、俺などは何となく知識としてして知っていたから、いまさらそう驚く話しではなかった。寧ろこのあたりは”戦争を知らない子供たち”に見て欲しい。
ナチズムが600万人のユダヤ人を殺し、ヒトラーは「ドイツをユダヤ人の穢れた血から守ったことが誇りだ」と嘯き、国民に対する忠誠と愛情から戦ってきたといいながら「戦争に負けるような運命の国民に価値はない」といい、負け戦が分かりながら徹底抗戦を強いる。
そういう中でも幼子を殺してまでヒトラーに殉ずるゲッペルス夫妻。鬼気迫るシーンだ。
昔見た「ニュルンベルグ裁判」でも、一般市民がナチのホロコーストなどを知らなかったことを「無知ゆえに許されるものではない」と弾劾していた。この映画もつまるところはそこが一番言いたいところだろう。小説「となり町戦争」もそうだった。ノーチョムスキーも森達也も、今や世界中の人々が見ざる言わざる聞かざるの罪を憂えているように感じる。
観客がお年寄りばかりと言うのはどういう意味があるのだろう。
http://rinkou.exblog.jp/tb/1202325は、東京裁判のことについて一生懸命考えている。
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from 悪の教典楽天市場店
at 2005-08-04 20:33
タイトル : 東京裁判ウェブ裁判長に対する忌避動議
「しない善よりする偽善」などとほざく連中が居る。ライブ8やホワイトバンドの支持者に多い。何もしないよりは偽善でもやった方がいいと言うつもりか。ならば問う、「偽善は悪である。『しない善よりする偽善』とは悪行の勧めではないのか」。 さて本日は「ディベート...... more
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from ダディャーナザン!ナズェ..
at 2005-08-05 01:15
タイトル : ヒトラー 〜最後の12日間〜
市原悦子主演「家政婦は見た!」ではなく、 「女性秘書は見た!ヒトラーの真の姿を!!」 映画の日、夜の部。この日4本目で最終。 「ロボッツ」、「ポケモン」の2本のアニメと、オバカ人形劇「チーム★アメリカ」を鑑賞後の歴史映画。 茶化したような書き出しで... more
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from 桂木ユミの「日々の記録と..
at 2005-08-16 17:20
タイトル : 殺人鬼ヒトラーの内面を描く◆『ヒトラー 〜最期の12日間〜』
8月11日(木)名演小劇場にて 2004年2月に、私は『アドルフの画集』という映画を観た。独裁者になる前の青年時代のアドルフ・ヒトラーは絵を描くことが好きで、ある画商との出会いによって一時は画家を目指すのだが、次第に政治運動に傾倒して行った…というストーリーで...... more
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from Blog・キネマ文化論
at 2005-08-16 22:30
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from 旦那にはひ・み・つ (☆..
at 2005-08-27 10:43
タイトル : 「ヒトラー 最期の12日間」@新宿武蔵野館
今日は秀君がお休みだったので2人で「ヒトラー 最期の12日間」を見てきました。かなり見たかったんだけど、試写会にとうとう行く事が出来なくて、でもどうしても見たかったの。会社は今あまり忙しくないのでお休みを頂いて、平日の昼間に映画。というちょっと贅沢な一日でした。見たのは夕方の回で16:30スタート。けど、立ち見が出たんですねぇ・・・びっくり。確かに150席あるかないか、という感じでそんなに大きい箱ではないのですが、平日の昼間から立ち見。と言う事は休日はどうなってるの?!ちなみに、かなり年配の方が多かっ...... more
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from サウンドトラック秘宝館
at 2006-02-14 18:58
タイトル : ヒトラー ~最期の12日間~
DER UNTERGANG 監督: オリヴァー・ヒルシュビーゲル 音楽: ステファン・ツァハリアス 出演: ブルーノ・ガンツ,アレクサンドラ・マリア・ラーラ,ユリアーネ・ケーラー,トーマス・クレッチマン,コリンナ・ハルフォーフ,ウルリッヒ・マテス,ハイノ・フェルヒ,... more
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from ヒューマン=ブラック・ボ..
at 2006-04-01 12:56
タイトル : 映画のご紹介(113) ヒトラー 最期の12日間(200..
ヒューマン=ブラック・ボックス -映画のご紹介(113) ヒトラー〜最期の12日間〜(2005年)-戦争って、本当は 誰が責任を負うのか? 3月中旬以降、映画館で上映している映画にあまり興味を引かれるものがなか....... more
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aokimugi at 2005-07-16 01:07
青麦です。
こちらでははじめまして。
この映画、是非見てみたいと思っております。
あと、先日私のブログの方にこの記事のコピーを貼っていただいていたのですが、そのコピー4つすべてが入力ミスだと勘違いしてしまいまして、すべて削除してしまいました。折角コメントしていただいたのに、本当に申し訳ないです。
こちらでははじめまして。
この映画、是非見てみたいと思っております。
あと、先日私のブログの方にこの記事のコピーを貼っていただいていたのですが、そのコピー4つすべてが入力ミスだと勘違いしてしまいまして、すべて削除してしまいました。折角コメントしていただいたのに、本当に申し訳ないです。
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saheizi-inokori at 2005-07-16 05:56
4つも同じコメントが行けば・・勘違いといえませんよね。すみませんでした。改めてよろしくお願いします。
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saheizi-inokori at 2005-08-16 18:01
ユミサン、tbありがとう。ああいう普通の人間味がある人がとても恐ろしいことをする。それが人間ですね。狂信ということの怖さも感じました。
佐平次さん、こんばんは!
いまさらの私の記事にTBありがとうございます。
すごく現実味のある映画だったと思います。
自分もその場の空気を肌で感じたような・・・。
そういう意味で重くて怖い映画でもありました。
いまさらの私の記事にTBありがとうございます。
すごく現実味のある映画だったと思います。
自分もその場の空気を肌で感じたような・・・。
そういう意味で重くて怖い映画でもありました。
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saheizi-inokori at 2006-04-21 23:31
園長さん、そうだよね。もしかすると今私たちもあのドイツ人たちと同じところにいるのかもね。
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kanekatu at 2016-01-31 15:55
この映画、最近になってDVDで見て感想を書こうと思っていたら佐平次さんの記事を見つけてしまいました。
ロケをロシアのサンクトペテルブルグで行ったそうで、市民たちが生活を犠牲にして協力してくれたと監督が語っています。膨大な数のエキストラもセリフの無い人は全てロシア市民で、最高の演技をしてくれたと感謝していました。
サンクトペテルブルグ(旧レニングラード)ではドイツによって100万人の市民が殺されたのにです。
作品は元より、そうしたエピソードに感動しました。
(ほめ・く)
ロケをロシアのサンクトペテルブルグで行ったそうで、市民たちが生活を犠牲にして協力してくれたと監督が語っています。膨大な数のエキストラもセリフの無い人は全てロシア市民で、最高の演技をしてくれたと感謝していました。
サンクトペテルブルグ(旧レニングラード)ではドイツによって100万人の市民が殺されたのにです。
作品は元より、そうしたエピソードに感動しました。
(ほめ・く)
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saheizi-inokori at 2016-01-31 17:32
> kanekatuさん、ブログを始めたばかりの記事、なんでそのままアップできないのかとあせったらほめ・くさんに見てもらえ、ということのようですね^^。
by saheizi-inokori
| 2016-01-31 12:49
| 映画
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