「船徳」にもいろいろあるね 「瀧川鯉昇独演会」
2011年 07月 21日
渋谷が移ってきたかと思うほどの若い子、さまざまな衣装で蝟集、は大げさか、幸田未来のコンサートがあるらしい。
開口一番鯉斗「新聞記事」
羽織を着てるから二つ目なんだろうが、俺はどうもね。
普通に喋るから聴きとりにくい上にギャグが全然面白くもない。
鯉昇「質屋蔵」
質屋の三番蔵に化け物が出る。
質草ってのはいろんな人の思いが残っているからなあ。
旦那を騙すようにして買った帯を当座の金繰りで質入れして突然死んでしまった奥さんとかね。
番頭にひと晩見張ってくれと頼むが、そんならお暇をと。
じゃあ、強いと言う噂の熊さんを助っ人に。
ところがどっこい、その熊さん、ちゃっかり旦那の家の酒やら漬物、下駄なんぞをもって行ってしまう癖に、しかも昇り竜、下り竜、真中に三毛猫の刺青をしてるってのに、臆病このうえもない。
臆病な二人のおっかなびっくり、いよいよ出てきた相撲のお化けに天神様、だんだん尻上がりに鯉昇調が出てきた。
後席は鯉昇「船徳」
長いマクラが長すぎた。
旅館で「行燈部屋」みたいなのに泊められたというと「そりゃ立派な部屋でしたね」と言われてしまった。とか
料理を注文するときに「冷奴に焼き魚に、、ハバカリは?」と訊くと、メニューを見ながら「ハバカリはありません」。など今や通じなくなっている落語世界の言葉の話などは好きだけど。
ろくろっ首なんてのもご町内にあれば見せてやれるんですが
インフルエンザがらみの月亭八方の奥さんが八方に電話して「マスクありったけ買ってきて」と言ったら、マスクメロンを山ほど買ってきた。
八方が電話を受けたのは千歳空港のメロン売り場の前だった、という噺も面白いが夏のマクラじゃない。
独特の「船徳」。
今日は「質屋」で行きますと、居候の徳さんは質屋の倅という設定。
「質屋蔵」で熊さんが旦那に呼ばれてきっと叱られるんだろうと思い込んで酒泥棒などを自白してしまうのと、この噺でも船頭たちが同じように訊かれもしない悪事をゲロしてしまうくだりがかぶるので、そこを省略したのは、今日だけなのか。
その分、前段でオカミサンと親方、親方と徳三郎のやりとりが長かった。
鯉昇らしい爆笑ワールドになったのは二人の客が船で斜めに揺れて煙草の火を着けるのに四苦八苦する形態模写のあたり。
汗びっしょり(だろうな?)の熱演、
これは夏やる噺じゃないなぼそっと呟いて、サゲは「質屋の倅だけに客まで流してしまった」。
徳さんが客に肩車して、蝙蝠傘のお客が流されてしまうのだ。
幸田未来のショーが9時に終わるのでその前には終わりますと言って8時55分に終わった。
もっと早く終わらせたって(マクラを縮めて)かまやしないのに。
鯉昇のマクラ、そろそろ新ネタへの入替え時期なのでしょうね。
しかし、マクラはマクラ、ですけど^^
あまり悪口は書きたくないけれどこういうのは趣味好みの問題じゃないです。