マクラが多すぎてもネタきになれんなあ rakugoオルタナティブvol.4「マクラ王」
2011年 07月 18日
とはいうものの、天皇の家の前=国立演芸場・国立劇場ではしょっちゅう落語を聴いてるけれど。
前座ってのは練習を“聴いて頂く”という立場。
だから俺は前座は料金の中にいれてはいけない、すなわち開演時間の前にやるべきだと思う。
なのにこの人きっちりマクラをやってネタはホンの5分もやっただろうか。
「マクラ王」という企画、しかもぴあ・主催、立川企画・制作のせいなのか、こしらさん今日の正式メンバーであるかのごとく大きな顔してつまらない噺をぐだぐだ、愚だよ。
兼好「蛇含草」
ドイツで公演したときの噺など、やっぱりマクラを長く、それが趣向だからしょうがないか。
歌之介「お父さんのハンディ」
この人はもともとどこがマクラでどこがネタか分からないような人。
ネタの途中、というよりギャグの合間にネタをつっこんでいくのが持ち味だから、今日はマンマでよいのだ。
白酒「松引き」
もうこれだけマクラを聞けば私はもうイイでしょう。もともと私はマクラは人の悪口とか妬み・ソネミばっかりだからCDになったときは全部カットされてる。などと前の二人に比べて毒舌が魅力。
今日は圓楽党の悪口でもやりますか。
落語の一門なんて仲よさそうな顔してるけどありゃウソです。
噺家は師匠の取り合いだから仲は悪い。
旧楽太郎組と圓生になりそこなった人たちなんか大変で、兼好さんだけが中にいて、圓楽党がどうなるかは兼好次第
最後にぴあのなんとかいう人が黒い背広着て現れて“司会”をして座談会。
またもやこしらが出てきて出しゃばる出しゃばる、会社の宴会男でももうちょっと気のきいた突っ込みをいれるぜ、とうとう白酒に「こしら、入ってくるなよ」と言われちゃう。
司会が又緊張して「マクラは前もって考えてくるのか」「マクラをやりながらネタを決めるのか」「マクラの稽古ってやるのか」「即興でできるネタっていくつくらいあるか」、質問も質問だが、それを単に順番に訊いていく。
兼好、歌之介、白酒という持ち味の違った爆笑噺家が三人揃って醸し出す空間を創りだすどころか白酒なんか盛り下がって高校生の答えみたいになり、辛うじて歌之介が救いの手をいれて何とか座談会終了。
マクラは所詮マクラ。
いくら面白くてもネタを聴くためのウオーミングアップでしかない。
小三治が面白いマクラを長く続けている時だって心地よく聴きながらも心のどこかで「そろそろネタに入らないと時間がなくなっちゃう」と心配している俺だ。
今日はやや本末転倒、マクラが気になってネタがイマイチだった。
せっかく面白い三人を揃えながら企画倒れ、もったいないことをした。
落語が終わって4時、外はまだカンカン照り。
青山通りはなまじ歩道が広いから並木越しにギラギラ西日が右頬を炒るようだ。
居残り会3人は若い。
そこを2キロ、地下鉄で2駅分、歩いて表参道の銭湯へ。
さっぱりして「焼鳥倶楽部」。
生ビールで乾杯、後は焼酎、ビール、酒とそれぞれ気ままにやりながら、とは言え俺は冷酒を3合に仕上げにビール一本、いくら話しが盛り上がったとはいえ、少しは年のことも考えなさいっての。
なんだか不思議、、、でも行ってみたいな〜
今度は立川抜きでまいりやしょう。