お茶漬けサラサラ、よかちょろパッパッ 第516回「落語研究会」
2011年 06月 30日
暑い夏は落語で乗り切ろう!
毎月一度の落語研究会、あっという間にひと月が過ぎる。
光陰矢の如し、その意味は?
現代人は光=時の流れという感覚が身についていて、光速ってことも知っているから、それを矢の速さに喩えるってのが変な気もする。
馬治「真田小僧」
刑務所の近くの子供が懲役ごっこをする小噺で今まで聴いたのは、みんな「終身懲役」と言う。
そんな刑はないのになあ、と思っていたら馬治「無期懲役」と言った。
金坊が真田六連銭をだまし取って芋を買うところまでやった。
ここまで聴かないと「真田小僧」と言うネタ名の意味が分からない。
兼好「百川」
軽妙な話し振りで受けていた。
惜しむらくは“マキ舌”がない。
普通の今の標準語の若い衆になっていた。
平治「源平盛衰記」
来年十一代文治を襲名するそうだ。
その文治の十八番、軍記の語りの間にいろんなクスグリや小ネタを挟みこんで聴かせるのが噺家の腕の見せ所。
と言っても俺は談志のしか聴いたことがない(前の三平のはCDで)。
驕る平氏ならぬ奢る平治の失敗談などもあって明朗闊達な源平盛衰記だった。
(今年初、これから何杯食うことになるんだろう)
雲助「よかちょろ」
始めのうち、ちょっとのらなかったが、道楽息子が親父の小言に恐れ入るどころか憎々しく開き直って「浪費=女遊びのどこがいけない」みたいな態度がまことに面白くていつの間にか雲助ワールドに浸ってしまった。
掛け取りにいって回収した二十両をきれいさっぱり遊びに遣いこんでしまった息子がその使い道を説明する。
謹厳な親父は筆とソロバンを持って一銭も書きもらすまいと構える。
まず、髭そりに五両と願います。ナニい?五両だと!
ついでは
なんとなく艶笑譚的な味わいがある。
じゃんけんをして酒を飲ませたり着物を脱がせて遊ぶ“拳“の歌、「よか」「しっちょる」などは長州人や薩摩っぽをからかう遊び人の底意があるとは平岡正明の指摘。
「山崎屋」の頭、続きは来月の落語研究会でやるという、楽しみが一つ増えた。
(かつては俺も走ったものだが)
志ん輔「刀屋」
ブログに、この噺の稽古をしたと言う記事が何度も出ていたから楽しみにしていた。
徳三郎、契ったはずのおせつが婿取りをすると聞いて逆上、殺してやる、と刀屋で”ふたり殺せる”刀を買いに来る。
不審におもった刀屋の親爺が徳三郎を宥めたり諭したり。
落語ってのは油断できないネ、こういう言葉がすらっと出てくる。
世の中スイスイお茶漬けサラサラ、いいね。
稽古の甲斐あって、難なく出来上がった。
難なく、そこが難か。
面倒なことを言う客だ、我ながら。
毎月一度の落語研究会、あっという間にひと月が過ぎる。
光陰矢の如し、その意味は?
、、コーインてのはなあ、矢のようだてんだ志ん朝が何かのマクラで言ってた。
現代人は光=時の流れという感覚が身についていて、光速ってことも知っているから、それを矢の速さに喩えるってのが変な気もする。
馬治「真田小僧」
刑務所の近くの子供が懲役ごっこをする小噺で今まで聴いたのは、みんな「終身懲役」と言う。
そんな刑はないのになあ、と思っていたら馬治「無期懲役」と言った。
金坊が真田六連銭をだまし取って芋を買うところまでやった。
ここまで聴かないと「真田小僧」と言うネタ名の意味が分からない。
兼好「百川」
マキ舌の相談もある祭り前河岸の若いモンたちと田舎弁丸出しの百兵衛の珍無類のやりとり、お約束の「ひえっ!」はいつ聴いても愉快だ。
軽妙な話し振りで受けていた。
惜しむらくは“マキ舌”がない。
普通の今の標準語の若い衆になっていた。
平治「源平盛衰記」
来年十一代文治を襲名するそうだ。
その文治の十八番、軍記の語りの間にいろんなクスグリや小ネタを挟みこんで聴かせるのが噺家の腕の見せ所。
と言っても俺は談志のしか聴いたことがない(前の三平のはCDで)。
驕る平氏ならぬ奢る平治の失敗談などもあって明朗闊達な源平盛衰記だった。
雲助「よかちょろ」
始めのうち、ちょっとのらなかったが、道楽息子が親父の小言に恐れ入るどころか憎々しく開き直って「浪費=女遊びのどこがいけない」みたいな態度がまことに面白くていつの間にか雲助ワールドに浸ってしまった。
掛け取りにいって回収した二十両をきれいさっぱり遊びに遣いこんでしまった息子がその使い道を説明する。
謹厳な親父は筆とソロバンを持って一銭も書きもらすまいと構える。
まず、髭そりに五両と願います。ナニい?五両だと!
(吉原の)大店、三階の角部屋、窓を開け放つととても見晴らしがいい、花魁の部屋着を引っかけて、床几にこう斜にかまえたあたしの横顔を花魁が見つめ、その顔に髪結いの職人が、こう、ぬるま湯に浸した手拭いをあて(言いながら目の前の親爺の顔を撫でる)、ここに鏡があって、こっちには新造が座って、ここには猫がいたりいなかったり、、そんな髭そりだったら五両も安い。
ついでは
よかちょろ、十五両と願います。安くていずれ値がでる。おお、さすが我が子、アキンドの道に目覚めたかと喜んで、その「よかちょろ」なるものについて尋ねると、朗々と歌い出す
は~~、女なりとも、まさかのときは、ハッハッ、よかちょろ。主にかわりて玉ダスキ、よかちょろスイのスイの、してみてしっちょる、味よ見ちゃよかちょろ。しげちょろパッパッ。これで十五両。
なんとなく艶笑譚的な味わいがある。
じゃんけんをして酒を飲ませたり着物を脱がせて遊ぶ“拳“の歌、「よか」「しっちょる」などは長州人や薩摩っぽをからかう遊び人の底意があるとは平岡正明の指摘。
「山崎屋」の頭、続きは来月の落語研究会でやるという、楽しみが一つ増えた。
志ん輔「刀屋」
ブログに、この噺の稽古をしたと言う記事が何度も出ていたから楽しみにしていた。
徳三郎、契ったはずのおせつが婿取りをすると聞いて逆上、殺してやる、と刀屋で”ふたり殺せる”刀を買いに来る。
不審におもった刀屋の親爺が徳三郎を宥めたり諭したり。
世の中スイスイお茶漬けサラサラ一緒にお茶漬けでも食おうと誘う。
落語ってのは油断できないネ、こういう言葉がすらっと出てくる。
世の中スイスイお茶漬けサラサラ、いいね。
稽古の甲斐あって、難なく出来上がった。
難なく、そこが難か。
面倒なことを言う客だ、我ながら。
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蛸
at 2011-06-30 12:35
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スイスイお茶漬けサラサラ・・・よかねぇ、
でも、お茶..........、
でも、お茶..........、
0
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mackworld at 2011-06-30 15:55
■ひょー冷やし中華だすな、冷麺と言う響きだけで涼味満点だすだす、夏場は1日おきに喰らいませう。酒のつまみにもなる具沢山なのがええだすな(^◇^)
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maru33340 at 2011-06-30 19:58
志ん輔について「難なく」が難とのご意見に納得です。僕も大好きなんですが、時々さらりとまとまり過ぎるように感じて、欲張りであるとは思いながらも、もすこしコクがあれば…なんて思う時あります。
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saheizi-inokori at 2011-06-30 22:25
蛸 さん、お茶漬け嫌いですか?
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saheizi-inokori at 2011-06-30 22:28
mackworld さん、今日は昼はざるうどん、夜は冷やしじゃあじゃあ麺、一日おきどころじゃなかった^^。
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saheizi-inokori at 2011-06-30 22:29
maru33340 さん、そうかと思えば力が入りすぎたり、、真面目な人ゆえの苦労があるように思います。
毎日ブログを拝見しているとよく分かります。
毎日ブログを拝見しているとよく分かります。
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saheizi-inokori at 2011-06-30 22:32
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創塁パパ
at 2011-07-01 11:09
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「よかちょろ」いいですね。最近このネタをかける噺家さんは
少ないのでは。文楽のが大好きでして。談志も「よかちょろ」は
文楽だと言っていました。雲助のがんばりに拍手です。
平岡さんの本も結構好きです(笑)
少ないのでは。文楽のが大好きでして。談志も「よかちょろ」は
文楽だと言っていました。雲助のがんばりに拍手です。
平岡さんの本も結構好きです(笑)
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saheizi-inokori at 2011-07-01 11:15
創塁パパ さん、「よかちょろ」が今の人には面白くないのかもしれませんね。何が面白いの?って。
平岡はまだ生きていて欲しかったです。
平岡はまだ生きていて欲しかったです。
私も志ん輔のブログで『刀屋』の稽古を重ねていたのを見ていたので、きっと良かったのだろうと思っていました。あの噺は、さん喬も言っていましたが、盛り上げるのが難しいネタだと思います。志ん生、志ん朝親子の域に近づくには、時間がまだまだ必要でしょうね。
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saheizi-inokori at 2011-07-01 20:07
小言幸兵衛さん、聴く側の力もまだまだかもしれないなあ^^。
by saheizi-inokori
| 2011-06-30 11:37
| 落語・寄席
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Comments(13)