その名も高き「居残り会」の発足 国立演芸場中席
2011年 05月 15日
地下鉄を出て右に行けば国会、今日は左、最高裁の裏門をみて国立演芸場だ。
電話で予約できるとシルバー(シーベルトじゃないよ)割引が受けられて2000円の入場料が1300円になる。
超人気の番組だと電話ではなかなか取りにくい(話し中)のでネット予約をするのだがこれだと正価販売なのだ。
早目に着いて切符を発行して貰い持って行ったお握りを食い、一階展示室で「講釈の歴史展」を眺める。
酒飲みの太郎稲荷が荒物も売る茶店の主人の商売繁盛の願いに答えて草鞋を一枚売ると直ぐ後から又一枚、また一枚、ぞろぞろと草鞋が出てくる不思議を顕現するという噺だ。
出がけにシーベルト星人とお狐さまのことをブログに書いて来たのでニヤリ。
朝太「鰻屋」
丈二「権助魚」
左龍「短命」
”水が垂れる”いい女、結婚した相手が直ぐに死んでしまうのはなぜでしょう?
俺は“水も滴る“いい女、と習ってきたが、なぜか落語ではいつも“水が垂れる”という。
なんか鼻水みたいで汚い感じもするのだが。
大きな目玉と丸い顔、異相ともいうべき左龍は若夫婦の色気漂う食事風景(色気に負けて食事なんか食ってらんない)を四季折り折りに描写する。
文生「居酒屋」
ぐでんぐでん、もう一本、もう一本、居酒屋泣かせの酔っぱらいを描写、うまいなあ。
落語に酒飲みは付き物だが本当に酒癖の悪いのは出てこない。
だらしが無いのが愛しいような酒飲みばかりだ。
兄貴分がカミサン(ちょっと気がある)に頼まれて居酒屋まで迎えに来て勘定を立て替えて連れ帰る。
好い友達だ。
仲入り後ホンキートンク「漫才」
居酒屋の後にホンキートンク(安酒場)とはシャレてる。
圓太郎「真田小僧」
歌舞伎をくさすマクラが面白いけれどちょっと長すぎた。
ネタはテンポも良くとても面白かった。
アサダ二世「奇術」
ひょうひょうとした味のある話術がいつも楽しい。
今手元の「和の色事典」によれば「江戸紫」の羽織に「大和柿」の着物、なのか、いつも粋な志ん輔が、上がるとすぐに復興支援ハガキのこと。
正楽の協力で作ったハガキ、10枚500円、売り上げは全て赤十字社から被災地に、売れれば売れるほど志ん輔の出費が増えるという仕組みだ。
買わざあ、なるめえ。
錦絵に描かれた吉原のナンバーワン花魁に一目ぼれした職人の恋が成就する噺。
3年前にも志ん輔で聴いたのだが、今日はずっと良かった。
ケレンミが抑えられて職人の純一な恋心、真情が素直に感じられて涙腺が緩む(このところどんどん緩くなっている)。
かといっていたずらに劇的にやるのではなく軽い滑稽味もあって極上のトリだった。
いつもはガラガラな時間なのにバカな混みよう、土曜日だから。
早々に風呂から出たから店が開いていない、土曜日でもあるから。
「平河天満宮」でステーキのスエヒロが寄進した牛の石像を撫でたりして時間を過ごす。
いっそ、お堀沿いに歩いて神保町にでも行ってみますか、親父ばかりの三人旅もまた佳かろうと歩き始めて、5歩も歩かないうちに開いている店を見つけた。
「替り目」みたいだ。
噺家の好みがほぼ似ている。
ほぼ、ということはところどころ、違うところもあって、それがまた楽しい。
というわけで今日をもって三人で落語同好会、その名を九郎判官じゃない、「居残り会」と名付けて華々しくスタートとアイナッタ。
趣旨に賛同の向きは随時ゲストとして参加されんことを。
資格は、「落語が好きで」「居残りを覚悟する」こと。
よろしいですねえ〜ってかんじ。
居残りしませんか^^。
最近、志ん朝関係の本を読み続けていて、ふと思うのは
着物の良さ。志ん朝を中心に噺家さんたちの着物について取材・まとめた本はないでしょうか。
と書きつつ、今まで見ていたETV特集に心が重くなっていて・・・・また書きます。
居残り会、どうぞご参加下さい。
いやあ「得した気分」でしたね。楽しかったなあ。