緊急院内集会Part2福島原発の現状をどう見るか

行ってきました。
院内というから国会の中かと思ってゲートまで行ったら守衛が丁寧に教えてくれた、議員会館の地下の会議室だ。
飛行機に乗る時のようなチエックを受ける。
会館の中のセブンイレブンには乾電池や懐中電灯があったのでこれ幸いと買う。
立派な食堂があったのでコンビニで買ったお握りは明日のために持って帰ることにして750円のオムライスを食う。
フツー。
緊急院内集会Part2福島原発の現状をどう見るか_e0016828_16352513.jpg
福島みずほとか見たことのある国会議員が前のほうに12,3人、その後ろに、どんどん増えて最後には立っている人もいて100人以上はいたろうか。

後藤さんは原子力発電機の格納容器の設計に携わってきた人だ。
普通に動いていれば不要とも言える格納容器、それはいざとなると最後の砦になる。
後藤さんの開口一番は今回の事故は「設計時の限界を超えている」。
理論上起こり得ても確率的には極く少ない事象に対してはフェイルセーフにはなっていないのだそうだ。
苛酷事故(シビアアクシデント)は起きない前提で設計がされている。
日本は負けないという前提で戦争に突っ込んだのと似ている。
苛酷事故への対応は民間の自主的対応に任されて法的な規制もないし原子力安全委員会もチエックしない。

そして今その苛酷事故が起きてしまった。
現地の情報があまりにも少ないので見通しを語ることは難しいと言いながら、現地でのデータすら取れない実情は極めてシビアである。
外部から通電出来たからと言ってもこの先はまさに予断を許さない。
建物の最地下にある冷却ポンプが機能するのか、そのシステムに欠かせない熱交換器は外においてあったそうだが、それが津波などで破壊されていないか、、。

格納容器は放射能を閉じ込める最後の砦のはずだが冷却が不充分だと(現状)炉内の圧力、温度が上昇して破損する(2号機は既に破損?)爆発する可能性が出てくる。
それを避けるために格納容器内の水蒸気などを外に出す(ベント)する必要が出てくる。
ベントの際には大量の放射性物質を大気中にまき散らすことになる。
なんと日本のベントにはフィルターが付いていないのだそうだ(独仏はある由)。
後藤さんはベントというものを考えなければならないこと自体が原子炉の自己矛盾だと、すなわち原子炉の不条理を言うかのようだ。

20日だったかに3号機の圧力が上がったのでベントしなければならないというニュースをNHKの解説者は顔色も変えず(当然だが)淡々というのを聴いたときは、多少の放射能も出るだろうが仕方がないなあ、くらいに受け止めていたけれど、それはある意味では悲壮な決断だったのか。
幸いにして何故か圧力が下がったためベントしないで済んだまま推移しているが、なぜ圧力が上がったかの原因も下がったかの原因もつかめていないのだから、いつまたどうなるかはまさに予断を許さないのだ。

1時間半ほどの講演の後、質問が引きもきらない。
福島は石棺(チエルノブイリで行った)の可能性について質問をしたが、後藤さんの答えは格納容器よりもしっかりした閉じ込め機能をもった石棺はほとんどあり得ない(少なくとも当分の間)ということだった。

俺も訊いた。
最善のストーリーはどういうことなのか。
国会議員も来ているがさまざまなストーリーについてシュミレーションをして備えて欲しい(これは要望)。
最悪の事態について、他の人から質問があって、後藤さんはチエルノブイリのようなことにはならないとは思うが、再臨界もないような、、と言うが歯切れは悪かった。
それはそうだと思う。今どうなっているかの情報があまりにも限られているのだから。
そして人類として初めてのトラブルに遭遇しているのだろうから。
最善というのはこれ以上放射能を出さないように出来ること
そう言っている今も現地では放射性物質が放出されているのだ。
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1979年のスリーマイル島原発の炉内を見るのには10年以上必要だった。
福島原発でも一応の収束後、さらに7~8年以上かかるだろうという。
一体、いつ収束するのか、それは誰にも予測できないようだ。

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俺たちはどうする?
ここからは人生感にもよるのだろうな。
Commented by antsuan at 2011-03-23 18:12
ミサイルが撃ち込まれても大丈夫な建物だとばかり思っていましたが、全然大丈夫じゃなかったんですね。 これは安全詐欺ですよね。 
Commented by saheizi-inokori at 2011-03-23 18:16
antsuan 、それでも夕刊を見ると(読売)中央制御室が思いのほか壊れていないようです。
せめてもの救いかな。
Commented by hiranuma-nasubi at 2011-03-23 18:27
行ってくださったんですね。

レポートありがとうございます。
これからは生き方を問われるんですね。
Commented by 小言幸兵衛 at 2011-03-23 20:39 x
帰宅してからユーストリームを見ていて佐平次さんがご質問される姿に、「おやっ、行ってらっしゃったんだ!」と思い、その後にブログを拝見しました。
後藤さんも今の情報量と精度では、答えにくいでしょうね。
広瀬隆の主張は、あえて最悪論派として聞きました。でも、彼の主張も知っておく必要があります。
今日は仕事で都内に出たので、神保町で原発事故関連の本を数冊入手して帰ってきました。そのうち、参考になりそうな情報を私のブロフで書かせてもらいます。
過度な楽観も悲観もできない、適切な情報が欲しい、そんな時なのだと思います。
Commented by at 2011-03-23 21:01 x
ご苦労さん。
若い命を守らなね,
Commented by saheizi-inokori at 2011-03-23 21:20
hiranuma-nasubi さん、教えて頂いてありがとう。
確かにそれぞれの人生感が問われると思います。今までいい加減に考えてきたことの付けが来たような気がします(私の場合)。
Commented by saheizi-inokori at 2011-03-23 21:22
小言幸兵衛さん、枝野もついに記者会見で「長期にわたって続くと考えられる」といいました。
10日前との違い!
Commented by saheizi-inokori at 2011-03-23 21:23
蛸さん、ほんとに。
Commented by maru33340 at 2011-03-23 21:47
何が正しい情報なのか…皆が不安な時期です。どうか佐平治さんのような方が正しい事を伝えて下さい。私も次男が大学で放射線学科に通っています。わかる限り正しい情報をお伝え出来るようにしたいと思います。
Commented by 創塁パパ at 2011-03-23 21:49 x
佐平次さん。すごい。こんな集まりがあったのですね。
そして、参加した佐平次さんも偉い。でもわからなかったら
行動!!!今非常時の「日本」にはこれしかないですね。
どこかの某○○菅総理につめの垢を煎じて飲ませたいです(苦笑)
Commented by saheizi-inokori at 2011-03-23 21:59
maru33340 さん、私も五里夢中です。ただ知らないまま引きずり回されるのは腹が立ちます。
Commented by saheizi-inokori at 2011-03-23 21:59
創塁パパ さん、寄席で笑ってる方がどれだけいいか^^。
Commented by kaorise at 2011-03-23 23:55
saheiさんの行動力すばらしいです。
今日も学校の帰りに、(実は1月からデザインの学校に毎日通っているんです)情報不足に疲れ果てて暮らす都民の声を、どこに届けたらいいんだろう、、と語りあっていました。
ありがとうございます!
Commented by tona at 2011-03-24 08:30 x
ベントのこととか、知らなかった情報がたくさんです。ありがとうございます。
日本の他の原発すべても心配です。
当初原発をやめる時のことは考えられていないとか。
Commented by saheizi-inokori at 2011-03-24 09:23
kaorise さん、今朝もテレビの解説者が1号機の温度が300度になっていることについて「これ自体はどうということはない」などと平然としていうのです。
300度が設計限界だというのに。
Commented by saheizi-inokori at 2011-03-24 09:25
tona さん、あれだけ安全だと学者も政府もいい続けてきたのに統制不能になるのですからね。
浜岡とか六ヶ所とかがまず心配です。
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by saheizi-inokori | 2011-03-23 17:37 | 原発はいらない | Trackback | Comments(16)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori
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