欲しがりません、勝つまでは！ ほんとに勝てるのか、福島は？

福島原発が“予断を許さない”状態だと菅も枝野もいう。
最悪の状態になった時の国としての対策を作っているのだろうか。
４号機のプールに水があるとかないとか基本的な事実ですら把握できていない。
広瀬隆の「ニュースの深層」（３月１７日）



”残念ながら”彼の言うことに説得力がある。
反対にテレビでしゃべる紳士然とした東大だのの学者の「チエルノブイリほどにはならないと思う」という話は根拠も言わず（言えるわけがない、現場の情報が限られているのだから）、たんなる希望的観測にしかすぎないように感じる。

「ただちに」健康に被害があるとは思えない、というお決まりのセリフ。
放射能でただちに健康被害があったらそれは阿鼻叫喚地獄絵だ。
因果関係という意味でも時間的な意味でも「ただちに」でない影響が気になるのだ。

昨日も書いたが「距離の二乗に比例して放射能は減る」みたいなことを言って、微粒子となって気流に運ばれる放射性物資のことを敢えて触れようとしない。
一過性の治療行為と体内に取り込まれて放射線を発し続ける食品汚染とを同レベルで説明する。
どうもパニックを恐れての愚民化発言の臭いがする。
国家危難の際だ、欲しがりません、勝つまでは、前線で戦う兵隊さんのことを考えたら我慢我慢。
余計なことを言わないで、おかみを信じなさい。
日本は負けるはずがないのだから。
たった６０年前に経験したのと同じ道を歩いていくのか、日本人は。

そうでなければ時々刻々変化する広範囲のデータ（たとえば放射性物質）を把握していないから希望的なことしか言えないのかもしれない。

広瀬が言うように非常用電源がダウンしたのだから何よりもその復旧を目指すべきだったのに外部電源を持ってくるということを始めたのはずいぶん後になってからだ。
何が起きているのだろう。

昨日のテレビで厚労省の大塚副大臣が２０キロ～３０キロに現在何人がどのようにして生きているかを把握していないということを平然として「しっかりフォローします」とのみいう。
体力、財力があって、知人や親せきなどが圏外にいる人が自主的に逃げ出していることは知っている。
本当は避難範囲を広げる必要があるのに、そうすると東京などにパニックが起きることを恐れて自主的に逃げてくれという考え方なのかと勘ぐってしまう。

隠居たる俺は逃げないだろう。
「ただちに」被害がないのなら逃げて寿命が延びるものでもないし。
問題は子供たち、若者たちだ。
この後日本の再建を担うべき若者・子供たちの安全を死守しないといけない。