京都は遠いから幽界で遊ぼう 粟谷能の会・研究公演「檜垣」
2010年 12月 03日
髭彦さんやtonaさんは紅葉真っ盛りの京都の写真、 mmiizzz さんは韓国茶の噺で韓国への旅情を誘い、そして園長さんは懐かしい地名で望郷の念を熾す。
毎朝ブログ探訪をするとあっちこっち行ってみたいところがたくさんだ。
でもブログで我慢、体も財布もひとつしかないんだから。
というわけで身一つ、チケット一枚を懐中に国立能楽堂、おっとその前に恒例の銭湯、今日は鶴の湯でジエットバスに浸かる。
あまり気持ちが良いので長湯をして晩飯を食う時間がなくなる。
コンビニで肉まんを買ってみちみち食いながら能楽堂へ、粋でしょ。
「檜垣」、老女物の中でも最も重い(格の高い)曲とされ、「粟谷能の会・ 研究公演の『檜垣』は、前回(昭和62年シテ・友枝喜久夫 地頭・粟谷菊生、笛・一噌仙幸、小鼓・北村治、大鼓・柿原崇志)の演能から、 実に24年ぶりとなります。」と粟谷明生からの「粟谷能の会通信 12月号 号外」というメールにある。
そして今回は演出に新工夫を凝らすのだとその内容も予告している。
明生さんのブログはざっくばらんに能楽師の苦心とかウラ話を書いているから能が身近に感じられる。
後撰集に
年ふればわが黒髪も白河の みづはくむまで老いにけるかなと詠んだ筑前の白拍子・檜垣の幽霊(シテ・友枝昭世)が舞う。
そもみづはくむと申すは、そもみづはくむと申すは、ただ白河の水にはなし、老いてかがめる姿をば、みづはぐむと申すなり一段と声を高める地謡が残酷だ。
媼(シテ)が水に映る面影をみると
老悴影沈んで、緑に見えし黒髪は、土水の藻屑塵芥、変わりける、身のありさまぞ悲しき。げにやありし世を、思ひ出づればなつかしやふっと体重がなくなったように後じさりする媼。
諦観の中にときにちらっと残る色香を感じる。
渋い茶色の麻長絹が光を受けてさまざまな色に揺らぐのが水の流れを映している。
美しい白拍子として男どもの気持ちを誘ったのが罪なのか、地獄に堕ちて苦しんでいるのを僧(ワキ・森常好)が
はやはや浮かびたまへ最後に地謡が
罪を浮かべて賜び給へ、罪を浮かべて賜び給へと静かに静かに謡い終えるとシテはかがみこんでお囃子がしめる。
二時間があっという間に過ぎる。
快い緊張感の持続、これが能の魅力かも知れない。
友枝昭世(シテ)、森常好(ワキ)、山本東次郎(間)
一噌仙幸(笛)、鵜澤洋太郎(小鼓)、國川純(大鼓)
地謡 大島輝久 金子敬一郎 狩野了一 内田成信 長島茂 出雲康雅 粟谷能夫 粟谷明生
他に
仕舞 「忠度」粟谷明生 「松風」粟谷能夫
これも良かった。
外に出ると驟雨、慌ててタクシーに乗る。
何故か一台目は知らん顔して通り過ぎ二台目の運転手がその愚痴を聞かされる羽目に。
<東京に逼塞>どころか、
映画「ハーブ&ドロシー」
自由が丘「金田」
粟谷能の会・研究公園(公演!)「檜垣」
と、うらやましい限りです。
「ハーブ&ドロシー」は吾妹と予告編を見て以来、観に行きたいと言いつつまだ行けていませんし、「金田」はつい最近行ったばかりの吾妹から散々聞かされていました。
暮れの駒次、楽しみにしています。
よろしく。
まーねーー
かっこいいsaheiziさんがやれば、肉まん歩きながら食べてもそれはそれなりにかっこいいでしょうよ
牡蠣グラタン 興味ある――
ぁ、牡蠣今回食べてないって言ったけどね
実は食べてた
京都のお好み焼きで
牡蠣のお好み焼きはうちらの定番ですねん
...足りない同業者の愚痴を聞くのもサービスのうち
そしてサービス昂進に努めるっと ははは
でも能楽堂のロビーでお握り食べたり饅頭食べている人も結構いますよ。
より多くの、津軽藩、南武藩、庄内藩、そして道産子のお客様が「新青森駅」から「東京駅」に来ていただくと嬉しいですね!
「高橋お伝」の「おでん」がなつかしいです。
「おでんはください」の「お電話は」セブンイレブンでしたっケ?
就職した年の私の誕生日の前日に期せずして「博多開業」を迎えた「山陽新幹線」の35年前を思い起こしつつ・・・
私が就職する前年が東海道でしたよ。
TBありがとうございました。
サンチくんが染まってしまいそうな銀杏並木はお近くですか?
銭湯、肉まんと牡蠣グラタンに能楽と、これぞゆったりとした素敵な1日でしたね。
こうして1年はあっという間に過ぎていってしまうのですね。
ゆったりとした一日があれよあれよと過ぎて行くのです。なんか不思議です。
でも書くことは好きです、ヘタの横好きです。