戦後の子供たち 黒岩比佐子「音のない記憶 ろうあの写真家 井上孝治」
2010年 11月 29日
きとらさんのブログ「境界通信」はとてもありがたい。
大西巨人「神聖喜劇」を読んでいる頃からだろうか、いやもっと前からブログ名も「書店保安員のノート(旧 SSD通信)」という頃から簡潔にして鋭い問題意識のある記事を書いておられて拙ブログにも時折り元気の出るコメントを下さる。
その過程でいろんな未読の本を教えて頂いて、お陰で我が貧しき読書生活がいくらか豊かになった。
”聖徳太子は実在したか”に関する何冊かの本のように未読のものもあるけれど、それはきとらさんのせいじゃなくて俺が怠け者だからだ(そのうちきっと読むつもり)。
今度は先ごろ亡くなった黒岩比佐子の本のことを教えてくださった。
大逆事件については最近では「新日本文壇史」「北一輝」など多くの本で事件のことを読みながら真正面から勉強してはいなかった。
黒岩の「パンとペン」も真正面からということではないようだが当時監獄に入っていて間一髪フレームアップから免れその後の社会主義運動を支えた堺利彦の伝記だ。
これは是非読まなくては、とアマゾンに注文したついでに、同じ著者の本できとらさんも書いていた本書も買った。
アマゾンの送料が無料になったのは有難いけれど財布のことや積読が増えそうなことを考えるとビミョーだ。
1919年生まれ、93年逝去。
福岡生まれの聾唖の写真家の伝記だ。
文庫本だけど井上の写真が何枚か挿入されている。
そこには俺や死んだ妻がいる。
いがぐり頭とおかっぱ頭。
井上の生い立ちを読んでいるとしょっちゅう思いが自分の子供の頃のことや過ぎ越し方に飛んでしまう。
なかなか頁が進まないけれど、その物思いにふける時間が楽しい。
これからときどきその”物思い”を書いてみよう。
(半世紀後の渋谷駅前)
表紙の写真、1954年の福岡新天町商店街、路に置いた氷柱を舐める子。
甘露!だったろう。
しらくも、だろうか、俺は幸いかからなかったけれど、昔はいっぱいいたなあ、今はどうなんだろう。
昔の子供にあって今の子にないもの、、あかぎれ、しもやけ、青っ洟、ずるずるっと啜ってもまた垂れてくるから袖で拭く、袖はガビガビ、鼻紙って新聞紙を切って使ったんだものなあ。
鼻の周りが活字で黒くなって、、。
坊主頭、親がバリカン持ち出して、だからトラ狩りの子が多かった。
昭夫ちゃ~ん!ごはんだよ~!
昭夫に和夫、昭和の子の名前、母ちゃんのどなり声、みんな今はないなあ。
角川ソフィア文庫
大西巨人「神聖喜劇」を読んでいる頃からだろうか、いやもっと前からブログ名も「書店保安員のノート(旧 SSD通信)」という頃から簡潔にして鋭い問題意識のある記事を書いておられて拙ブログにも時折り元気の出るコメントを下さる。
その過程でいろんな未読の本を教えて頂いて、お陰で我が貧しき読書生活がいくらか豊かになった。
”聖徳太子は実在したか”に関する何冊かの本のように未読のものもあるけれど、それはきとらさんのせいじゃなくて俺が怠け者だからだ(そのうちきっと読むつもり)。
今度は先ごろ亡くなった黒岩比佐子の本のことを教えてくださった。
大逆事件については最近では「新日本文壇史」「北一輝」など多くの本で事件のことを読みながら真正面から勉強してはいなかった。
黒岩の「パンとペン」も真正面からということではないようだが当時監獄に入っていて間一髪フレームアップから免れその後の社会主義運動を支えた堺利彦の伝記だ。
これは是非読まなくては、とアマゾンに注文したついでに、同じ著者の本できとらさんも書いていた本書も買った。
アマゾンの送料が無料になったのは有難いけれど財布のことや積読が増えそうなことを考えるとビミョーだ。
1919年生まれ、93年逝去。
福岡生まれの聾唖の写真家の伝記だ。
文庫本だけど井上の写真が何枚か挿入されている。
そこには俺や死んだ妻がいる。
いがぐり頭とおかっぱ頭。
井上の生い立ちを読んでいるとしょっちゅう思いが自分の子供の頃のことや過ぎ越し方に飛んでしまう。
なかなか頁が進まないけれど、その物思いにふける時間が楽しい。
これからときどきその”物思い”を書いてみよう。
表紙の写真、1954年の福岡新天町商店街、路に置いた氷柱を舐める子。
甘露!だったろう。
しらくも、だろうか、俺は幸いかからなかったけれど、昔はいっぱいいたなあ、今はどうなんだろう。
昔の子供にあって今の子にないもの、、あかぎれ、しもやけ、青っ洟、ずるずるっと啜ってもまた垂れてくるから袖で拭く、袖はガビガビ、鼻紙って新聞紙を切って使ったんだものなあ。
鼻の周りが活字で黒くなって、、。
坊主頭、親がバリカン持ち出して、だからトラ狩りの子が多かった。
昭夫ちゃ~ん!ごはんだよ~!
昭夫に和夫、昭和の子の名前、母ちゃんのどなり声、みんな今はないなあ。
角川ソフィア文庫
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kaorise at 2010-11-29 16:03
かわいいですねえ。
こういう子は東京にはいませんねえ、、
九州の妹の子供達は野放しの野生児なので、いまだにこういう雰囲気を持っています。
他の写真はどんなのでしょう、見てみたいなと思いました。
こういう子は東京にはいませんねえ、、
九州の妹の子供達は野放しの野生児なので、いまだにこういう雰囲気を持っています。
他の写真はどんなのでしょう、見てみたいなと思いました。
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cocomerita at 2010-11-29 17:53
Ciao saheiziさん
私も昭和の子
昭和はいいなあと今だに思いますし、昭和に生まれて良かったと本当に思います
私の子供のころも、青っ洟、あかぎれ、しもやけありましたよ―
青っ洟は元気の印だったらしいです
だから青っ洟も出ない今の子は、やっぱ草食系かもねー
対照的な渋谷の交差点
苦笑い
その昔は、彼女のように命をかけて、何かを訴える、闘う人がいた様に思います
それに比べて、今は一億総サラリーマン
それも、せいぜい係長どまりの低レベル
ちょっと溜息かな...
私も昭和の子
昭和はいいなあと今だに思いますし、昭和に生まれて良かったと本当に思います
私の子供のころも、青っ洟、あかぎれ、しもやけありましたよ―
青っ洟は元気の印だったらしいです
だから青っ洟も出ない今の子は、やっぱ草食系かもねー
対照的な渋谷の交差点
苦笑い
その昔は、彼女のように命をかけて、何かを訴える、闘う人がいた様に思います
それに比べて、今は一億総サラリーマン
それも、せいぜい係長どまりの低レベル
ちょっと溜息かな...
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saheizi-inokori at 2010-11-29 18:31
kaorise さん、今の都会の子にはない表情ですよね。
他の写真も本書に載っていますが写真集「想い出の町」(河出書房新社)〈こどものいた街」(河出書房新社)「あの頃」[沖縄タイムス社)などがあるようです。
他の写真も本書に載っていますが写真集「想い出の町」(河出書房新社)〈こどものいた街」(河出書房新社)「あの頃」[沖縄タイムス社)などがあるようです。
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saheizi-inokori at 2010-11-29 18:32
cocomerita さん、渋谷の人は男のようです。唄をうたっていました^^。
>そこには俺や死んだ妻がいる。
そうですね。
「昭和三十年」は団塊世代の「懐かしい記憶」にとどまりませんね。生活の元型・文化の元型のような気がします。いまの子供らは元型から疎外されているような気がします。
彼らが五十年後、現代のスナップ写真を見てどう思うでしょうね。
単なる「ファッション」の違いとしか感じないのかも知れません。
そうですね。
「昭和三十年」は団塊世代の「懐かしい記憶」にとどまりませんね。生活の元型・文化の元型のような気がします。いまの子供らは元型から疎外されているような気がします。
彼らが五十年後、現代のスナップ写真を見てどう思うでしょうね。
単なる「ファッション」の違いとしか感じないのかも知れません。
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maru33340 at 2010-11-30 07:36
黒岩さんというライターの本は読んだ事ありませんでした。ご紹介の本読んでみたいと思います。
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saheizi-inokori at 2010-11-30 08:30
きとら さん、勝手にリンクしてしまいました。
たしかに”元型”がないといえるかもしれないですね。
単なるフアッションの違いにとどまっていればまだよいのかもしれない。
それでも「あの頃は人のつながりがあったなあ」となるかもしれないです。
たしかに”元型”がないといえるかもしれないですね。
単なるフアッションの違いにとどまっていればまだよいのかもしれない。
それでも「あの頃は人のつながりがあったなあ」となるかもしれないです。
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saheizi-inokori at 2010-11-30 08:31
maru33340 さん、てらいのない文章ですが大事なところを抑えている人だと思います。
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散歩好き
at 2010-11-30 15:37
x
シラクモは深在性白癬です。毛穴に水虫と同じカビが入り込む皮膚病です。現在は殆んどありません。
子供の頃は明治の校歌を聞いて「しらくもなびく・・」がおかしかったです。
子供の頃は明治の校歌を聞いて「しらくもなびく・・」がおかしかったです。
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saheizi-inokori at 2010-11-30 17:33
散歩好きさん、では今の子に「白雲なびく」でひやかしたことを言っても通じませんね^^。
by saheizi-inokori
| 2010-11-29 11:45
| 今週の1冊、又は2・3冊
|
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