やりなおそうか やましたひでこ「新・片づけ術 断捨離 『片づけ』で人生が変わる」

「断捨離」続行中。
やましたひでこが書いた同名の本が指南役だ。
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何かで頂いたブランドものの食器セットやシーツが納戸の奥の方にパッケージのまましまいこんであるのに毎日使うグラスが酒屋の景品だったり台所の引き出しにコンビニの箸やラプラスティックのスプーンが一杯になってやしないか
潜在意識に、高価・高品質は恐れ多くて、自分には安物がちょうどいい、相応しい、と自分で自分を貶めるクセが染み付いてしまっているようだ
との指摘には笑ってしまう。
いつか使うから、ではなく今現在それを使うか、まだ使えるかどうかとモノに振り回されるのでなく今の自分自身がそれを必要とするのかを基準にして考えろという。

大学に入って上京、学生寮に入るときの荷物は布団一組にリンゴ箱一つをチッキにしてそれでおしまい。
それまでだって二部屋の家に母と弟と三人、なにもない生活だった。
金も冷蔵庫もないから食べ物も原則その日暮らし。
それはその後の学生時代の4年間、そして社会人になっての独身時代、続く結婚生活でも基本的には同様だった。

自分及び妻や子供たちがいて、一生懸命生きて行く。
そのために必要なものだけを買うというか、しか買えなかった。
少しずつ余裕が出来るに従って「これもあったら便利」「もっと良いものを」「安く売ってたから」「みんな持ってるから」「いただいたから」「○○の記念に」、、どんどんモノが増えて、古いモノも捨てないから、いつの間にか使いきれないモノに囲まれていた。
モノに執着する自分、俺とモノの関係が主客転倒していた。
ライフスタイルとかスローライフ、エコ、、いろいろ俺も言ったし世の中でも喧伝するけれど、それもフアッション、グルメ、車、電化製品、、正体は販促のための言葉でしかない。

そして一番問題なのは貧しくて必要最低限のモノしかなかった頃の方が精神的に充実していたような気がすること(老化ゆえのノスタルジーもあるかな)。
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(夏湯温泉で。裸になる心地よさってあるなあ)

村上春樹やハードボイルドを読んでいて主人公が必要なものだけを精選して身の回りに置いて暮らすストイックな生き方に惹かれることがある。
それは俺がかつて経験して(あのころは精選する余裕はなかったが)いた生活へのノスタルジーかもしれない。

夏湯温泉に行く時に必要なモノを小さなスーツケースにしまって大宮駅のホームをガラガラ転がしているとき「この中に入っているモノがあれば半年くらいは平気で暮らしていけるなあ」と考え、直ぐに「いやいや昔の俺だったら一生もんだ」とも思った。
そうしたら妙に肩の荷が降りたような身軽な気持ちになったのだ。
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(「流れる・流す」というのもキーワードかもしれない)

ダンシャリは収納術・整理術ではなく片づけ術だとやましたはいう。
片づけなければならないのは心の持ちよう、生き方だと思う。
今の自分がすべきこと、本当にしたいこと、出来ることは何なのか。
 
マガジンハウス
Commented by きとら at 2010-11-20 20:38 x
 方丈の暮らしでいい、いや、半畳一畳二合半でいい。
 大事なのは To be. だ。 To have. じゃない。
 
 ハウツーから哲学まで、シンプルライフについては読んだり考えたりしましたがねぇ・・・。理論と実践は別もの。これが真理でした。(笑)
 
 丁度いま『坂の上の雲』を観ています。秋山好古は茶碗を一個しか持っていなかった。その茶碗で好古は酒を飲み、真之は飯を食ってます。
Commented by cocomerita at 2010-11-20 22:01
Ciao saheiziさん
あーーわかるわ、わかるわ
そうなんですよね――
物の重みで、自分の心のフットワークが鈍くなる
動物ならば、フットワークはその生死さえも決めかねない大事なものだ
それを軽やかに保てないと言うことは、動物としてむしろ恥ずかしい
実はね
この本のブームも知らず、日本に発つ前に帰ってきたら、物の整理をしようと決めてきた
ものの片付けと言ういうよりは、そうすることによって自分自身が軽く自由になる気がしたんですよね
確かに心の持ちようなんですよね

saheiziさん、またnaouさんと一緒にデートで切ると思ってたんだけど、今回は無理そうです
次回お目にかかれるのを楽しみにしていまーーーす。

追伸
老化ゆえのノスタルジーではなく、本当にもののないくらいのほうが、ものを大事にするし、精神的に充実する。と私も思います
ぁ、おまえも老化だって言わないでね――――ははは
Commented by saheizi-inokori at 2010-11-20 23:07
きとら さん、悟りを得た禅僧のようにはなれずともせめて50年前の自分くらいになれればと思うのです。
江戸時代、藤沢周平の描く侍はストイックでいいですね。
Commented by saheizi-inokori at 2010-11-20 23:09
cocomerita さん、首を長くして待ってます、もうかなりキリンの子供くらいですが。
Commented by kaorise at 2010-11-21 00:09
よっく考えてやっぱり残していた写真の道具の一部はヤフオクに出すことにしましたよ。
ヤフオクって捨てようと思ったけどとりあえず出品したら、大喜びで買ってくれる人もいて面白いです。
お片付けの味方ヤフオクに、今年はちょっとはまりました。
Commented by tona at 2010-11-21 08:44 x
チッキという言葉が懐かしいです。学生生活もストイックで厳しかったでしょうね。自宅から通いであった私は生ぬるかったとつくづく思いました。
物が増えていく課程をなるほどと頷き、これを逆に回すことは不可能ですね。
説明書や保証書を入れてあるファイルが2冊にもなってしまったんですよ。
Commented by saheizi-inokori at 2010-11-21 11:03
kaorise さん、ヤフオクって話には聞くのだけど利用したことがないのですよ。
本はブックオフで売ってアマゾンで買いました。あとは売るものもないし買うものも今はもうないかな^^。
Commented by saheizi-inokori at 2010-11-21 11:07
tona さん、使っていないコード類だけでも相当なものでした。
説明書はいつか使うと思うけどいざとなると電話したり買い換えてしまったり、もう本体がないモノもあります^^。
学生時代は貧乏でしたがストイックというよりあるだけの金で酒を飲んでました。
Commented by kaorise at 2010-11-21 18:19
いやあ、、saheiさんが本をブックオフで売ったのを読んで
ああ〜もったいない、と思ったんですよ、、
本ってヤフオクの商品のなかでも一番送りやすく、売りやすいアイテムなんです。
ハードカバーの綺麗な本なら思いがけない値段で売れ、買い手には感謝されて、うれしいです。
ヤフオクは面倒くさいとは思いますが、私は今の自分には必要ではないからとすぐに捨てるのではなく、以前はお世話になったのだから、感謝の心でものを「必要な人」のところに送り出したいという気持ちが強いんです。
まあ私はキッパリいかないので、そこがダメだなあとも思います。
Commented by saheizi-inokori at 2010-11-21 21:19
kaorise さん、ヤフオク、勉強してみます。ありがとう。
Commented by yukiwaa at 2010-11-22 10:08
わたしも、片付けたい・・・と考えてはいるんだけど、姉が着ていた着物とか、、母が使っていた指輪とか、、、整理しにくくて。
最近、チャイムが鳴って入って来られた人が「貴金属を売って下さい」と言う人でした。思わず要らないものを出したら高値で買ってくれました。お店を構えていたらこんな高値では買わない・・とその方は言ってましたが、やはり、今度は一回お店に行ってみようかと思いました。
それにヤフオクも良いですね
kaoriseさんに聞いてみたい!
Commented at 2010-11-22 10:12
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by saheizi-inokori at 2010-11-22 12:58
yukiwaa さん、使ってないモノを他の人が喜んで使ってくれるならお母さんやお姉さんも喜ぶのかもしれませんね。
Commented by saheizi-inokori at 2010-11-22 12:59
鍵コメさん、喜んで!
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by saheizi-inokori | 2010-11-20 11:23 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Trackback | Comments(14)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori
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