チリ奇跡の生還、家族があってよかった

チリ銅山の奇跡の生還、何べんも何べんも、まあ、それだけ感動を呼ぶ場面だ。
33人の簡単なプロフィーイルも紹介されているが、一人ひとりにはいろんな物語があるのだろう。
そういう物語、地下生活の細部な描写、地上でのさまざまな苦闘と軋轢、、映画化や小説のネタはずいぶんある。

再会の瞬間、かたく抱き合う家族の映像を見て、家族の素晴らしさを感じる。

ふっと、33人全てにこうして出迎える人があってよかった、と思った。
32人が喜びの輪に包まれている中で、自分だけ唯一人、病院に向かうのは、どんな気持ちがするだろう。
地下生活の間、上で待っている家族のことを考えないで生きるってどうだったろう。
小説的にはそういう人の物語に興味があるけれど。

昔、長男の幼稚園の運動会で父親と走る種目があった。
当然父親が来ていない子もいる。
俺はその子とも一緒に手をつないで走った。
俺の手をしっかり握りしめたあの感触は忘れない。

10月も半分過ぎる。
まず祖母の歌を。
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山なみをくぎりて碧きこの朝の晴れたるそらをうつくしと見る
地下生活から解放された人たちの見た空はどんなだったろう。
ことごとに亡きせ思ほゆとげすらもとりてたびにし君なりしかな
陸軍大佐、謹厳実直のサンプルのようだったらしい祖父のことはあまり記憶にない。
弓を作ってくれたくせにそれで遊んでいたら「危ないことをするな」と取り上げらて恨めしかったことを覚えている(前後の脈絡はないが)。
そんな祖父が祖母の刺を抜いてあげてる姿、見たかった。
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母の句。
狛犬の仔を負ふ狛犬あきうらら

再びの夜店の秋灯我老いぬ
お母さん、俺もだよ。
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Commented by c-khan7 at 2010-10-15 11:45
お母様とおばあ様の句が心にしみますね。
運動会で一緒に走った、子供さんは、今でも手のぬくもりを覚えている事でしょうね。運動会、泣き笑い。。
Commented by antsuan at 2010-10-15 12:01
>俺の手をしっかり握りしめたあの感触は忘れない。
こっちのほうに感動してしまいました。本当に愛しいですね。
Commented by minmei316 at 2010-10-15 12:19
家族を思うことが、心の支えにもなったのでしょうね。
家族は偉大です。改めて家族に感謝です。

Commented by ginsuisen at 2010-10-15 12:21 x
最近は、都会の小学校では、そうした欠損家庭が多いため、運動会での家族一緒の昼食、演目などはないようですよ。私も働いていたため、日曜の運動会が雨天延期で、平日になったときは、本当に大変でした。子どもの運動会だから休みます・・なんて言えない時代でした。欠損家庭と同じ思いを我が家の子はいつもしていました。
チリの人たちは、民族的に家族大事のようです。いいですね。
Commented by saheizi-inokori at 2010-10-15 13:00
c-khan7 さん、もう40過ぎのおじさんになってるはず。
良い家庭のお父さんでしょう、きっと。
Commented by saheizi-inokori at 2010-10-15 13:02
antsuan さん、「おじさんと一緒に走ろうか?」と言ったときにコクンと頷いた笑顔も覚えてますよ。
いろんなことを忘れてしまっているのにそういう一瞬だけ覚えているということが不思議です。
Commented by saheizi-inokori at 2010-10-15 13:03
minmei316 さん、亡くなってしまっても心の支えであり続けますね。
Commented by saheizi-inokori at 2010-10-15 13:06
ginsuisen さん、欠損家庭と言うのですか。私も欠損児でした。
でも近所のおばさんたちと一緒に食べる昼ごはん、オニギリやウデタマゴ、柿、キャラメル、、嬉しかったなあ。
Commented by kaorise at 2010-10-15 22:07
手を繋いで一緒に走った子のお顔をよく見ましたか?
小さい頃のsaheiさんだったかもしれませんよ〜(SF!)
Commented by saheizi-inokori at 2010-10-15 23:08
kaorise さん、そして私が死んだ父だったりして^^。
Commented by 旭のキューです。 at 2010-10-16 07:52 x
チリの救出は奇跡と思われましたが、何と本妻に代わり愛人が出迎えるという記事を千葉日報で読みました。何とも危惧なお話と感じました。
Commented by saheizi-inokori at 2010-10-16 09:17
旭のキューです。さん、どちらが迎えに出ても誰も出ないよりはハッピーじゃないでしょうか。
Commented by みい at 2010-10-16 10:06 x
エスぺランサいい言葉だなあ~と思いました。
家族は希望ですね。生きて行く上での大切なもの。
saheiziさんと、手を繋いで走ったお子さんも、その手の温もり、思いだしているかもしれませんね。
Commented by saheizi-inokori at 2010-10-16 11:25
みいさん、希望を支えるのも家族かもしれません。
Commented by cocomerita at 2010-10-17 00:50
Ciao saheiziさん
閉所恐怖症の私は、身を縮めるようにこの日を待っていたのでした
私なら一日で狂う

saheiziさんのこのおばあさんとお母さんの詩にはね
いつも涙させられるんだ
ふ~~
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by saheizi-inokori | 2010-10-15 10:45 | わが母と祖母の遺したまいしうた | Trackback | Comments(15)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori