オカマの”結界”は守れたか? 「メゾン・ド・ヒミコ」
2005年 10月 08日
父と娘、孫・・家族の関係・愛憎。生きていくために必要な経済的な基盤。女性との愛。そして何よりも確実にやってくる”死”。
オカマであっても人の子であり親でありこの世に生きている以上、しかも一般的な男よりも細やかな心配り・美しいもの対する感受性に恵まれている以上、そうであるからこそ、そのような”しがらみ”は残酷に・非情にやってくる。
彼らは精一杯、優しさの限りを尽くし”雄雄しくも”立ち向かう。弱さ・割り切れなさ・決して全ての解決がないことは当たり前。ただただ、結界の崩壊を防ぐために忍び、群れる。結界の中で群れて残された命を暖める。
その意味で主人公「沙織」が、家族を捨ててメゾンに生きる彼らを無責任となじる言葉は過酷である。死に臨んで「決して許さない」という娘に「至極まっとうな結論だと思う」と受け「貴方が好きよ」とだけ言う。そのような自信に満ちた人生を送ることができる親がどれほどいるのだろう。形だけ平穏な家庭を営んで子供を育てていたからといって、その内実は?平穏であること自体が、異常な何かをはらんでいるような気がする。人間として素直に生きていく、そのことをあきらめて・多くのなさねばならない何かをあきらめて、見せかけの”人並み”に逃げ込んではいないだろうか?
「きっと泣いちゃうよ」と友人に言われて見た映画。泣きはしなかったが感動した。楽しかった。
ひとつ、オダギリジョー演ずる春彦が施設のスポンサーである老人に抱かれて帰って沙織に「最悪!」となじられた後の独り言。「これで暫くの間、この施設も安泰だ」。全く不要・不自然だ。このセリフが映画全体の品格をかなり落としてしまったのは残念!
◆なんとまあ2日続けて映画館に行ってしまった。こんなこと滅多にないのだが、こんどは同居人の推奨である。内実を云うとナントカ割引の恩恵があるからということだ。なんだかトホホ気分もある。ところで、初回上映は11時10分から、お昼をまたいでしまう、生活のリズムを無視した妙な上映時間である。休日ぐらい午前中にきっちり1本上映せんかい(怒)と思ってしまう。まあ館主の発想というものはよく分からない。それでも映画のほうはなかなか面白かった。真に人生の深奥、ひとさまざまである。孤独であるが孤独じゃない、酷薄であるが酷...... more
涙はきっと暖かい CAST:オダギリジョー/柴咲コウ/田中泯 他 この映画ぢつは密かに観たかったんです。まさかチネチッタで公開するとは思ってもみてなかったから嬉しかった(涙) 今までオダギリジョーと柴咲コウってなんでかあまり好きじゃなかったのよね・・・。 でもね・・・これ観たらほとんどの人が二人にハマっちゃうんじゃないかしら。もちろん私もハマりました(笑)だって二人ともとっても魅力的だったんだもの。 特にオダギリジョーはとんでもなく色っぽかった。後姿とか、逆三角形なナイスなボディーとかね。シャ...... more
監督 : 犬童一心主演 : オダギリジョー / 柴咲コウ / / 田中泯(『たそがれ清兵衛』) 公式HP:http://himiko-movie.com/ 監督は、「黄泉がえり」や「ジョゼと虎と魚たち」、「いぬの映画」など映画をの創った犬童一心。音楽は、サントラを手がけるの...... more
ゲイバー「BAR 卑弥呼」…もしかして「銀巴里」をイメージしたの?これは相容れない父娘=家族の話で,同性愛者と異性愛者の話で,生と死と老いの話。 年老いたゲイ達の姿は見世物小屋的な好奇心をくすぐり,それでいて世間の視線は現実的で,ファンタジーとリアルの境... more
メゾン・ド・ヒミコ 犬童一心 ★★★☆☆ しっとりとした家族の物語。ゲイの人たちが集まる老人ホームが舞台ということでキワモノの匂いも見る前はあったり、そんな所が引っ掛かりとして見に行ったのだが、実にどっしりとした重量感ある人間ドラマが展開されるもんで、見..... more
メゾン・ド・ヒミコ http://himiko-movie.com/ ★★☆☆☆ 映画 邦画 監督:犬童一心。主演:オダギリジョー、柴咲コウ。 ...... more
あらすじ塗装会社で事務員として働く沙織(柴咲コウ)のもとに沙織の父の恋人の岸本(オダギリジョー)が訪ねてくる。沙織の父・卑弥呼(田中泯)が死期が近いので彼が運営しているゲイのための老人ホームを手伝って欲しいとの提案に母を捨てた父が憎かったが、破格の日給...... more
監督:犬童一心 出演:オダギリジョー、柴咲コウ、田中泯、西島秀俊、歌澤寅右衛門 評価:81点 (ネタバレあります) 世の中で嫌いなものは、ゲイと納豆とカボチャの煮付。 そんな俺だったのに、この映画を見ているといつの間にかゲイのおっさんた....... more
ですねえ、私もあの春彦の行為には驚きました。
たた、後で、春彦の台詞に「今まで自分は一人だったから、ここは潰したくない」というのがありましたね。
あの時、春彦とスポンサーが出かける車の音を卑弥呼は聞いていたようでした。
春彦もホームの皆のためにも切羽詰まってたのかなと複雑な気がしました。
色々と考えてしまう映画でした。
その埋め合わせがダンス・シーンかもしれません。