亀の狐、海老の狐 義経千本桜 忠信篇 第8回亀治郎の会
2010年 08月 20日
亀治郎という役者が面白いと聞いていた。
ちょっと高いと思ったが一度は観ておかなきゃと申し込んでみたら切符がとれてしまった。
買ってから時間が経っているから出し物のことも忘れてどこかにあるはずのチラシを探しもせずに行ったらチラシはないしパンフレットは2500円だという。
バカにするなって、だれが買うか。
圧倒的におばさんが多い会場は幕が上がってもがやがやうるさい。
でも役者が出てくると「おもだかや!」なんて言うのは男が多い。
いちいち言うなよ、と思うけどこれがしきたりじゃしょうがない。
まずは「道行初音旅」
清元に乗って亀治郎扮する佐藤忠信実は源九郎狐と芝雀の静御前の踊り。
きれいだ。「ご両人!」だ。
清元を歌うおじさんの声の良さ。
悔しいけどうっとりする。
学生時代に歌舞伎研究会に入ろうと思ったら、おぼっちゃまばかりだったのでほうほうのていで逃げ出したことがいまだにトラウマになってる。
ケチな男である。
(ランチは浅草カツサンド700円。結構いける)
ついで「川連法眼館の場」
静御前が初音の鼓を打つとどこからともなく現れる忠信の正体は実は源九郎狐だった。
親狐が初音の鼓の皮になっているので親恋しさに忠信に化けてやってくる。
義太夫の語りがなかなかいいなあ。
早変わり、狐の仕草、ここと思えば又あちらの早技、2メートル以上も上から飛び降りてバック転をしたり、、京劇のように体を使ってみせて、こりゃ外国人が喜びそうだ。
最後は宙乗りで桜吹雪の中を二階席に消えていく。
外国人でなくとも楽しい。
義経は染五郎。
(国立劇場、大劇場)
最後は「上州土産百両首」
二時間以上の人情劇(というのか)、これはひたすら退屈、早く終わらないかと思ってみていた。
幼友だち同士がスリの仲間から足を洗って10年後の今月今夜再会しようと誓う。
兄貴分は頭の足らない弟分のために200両の金を貯めるのだが、前歴をバラスと脅し取ろうとするかつてのスリ仲間を殺してしまう。
凶状持ち・100両の賞金首となっても約束の再会を果たそうとして上州から浅草に出てくると弟分は岡っ引きの子分になっている。
兄貴分・亀治郎、弟分・福士誠治。
二人の交情があたかも恋人同士のようなのはそういう演出なんだろうか。
歌舞伎の方は素晴らしいレベルのものだと思うがもう一度見るかと言われれば遠慮する。
落語の方がずっといい(安いし)。
能や狂言に比べてどうしてもくどく感じるのだ。
家に帰ったらNHKニュースのあと海老蔵の特集をやっていた。
ついそのままみていたら彼がロンドン公演でこの「川連法眼館の場」をやる苦心談が出てきた。
名門の子に生まれてその名に恥じない役者になるのは大変な才能と精進、不安や重圧に負けない精神力が必要だ。
そういうものに恵まれずに終わってしまう人も多いのだろう。
それでも名前で世の中を渡っていける場合もあるのだろうが、本人がその分を知ってしまうと辛いことだろう。
周囲の人のこともあるしなんとかそんな自分と折り合いをつけて生きていかなくてはならない。
今の俺にはそういう人の人生のほうにも興味がある。
ちょっと高いと思ったが一度は観ておかなきゃと申し込んでみたら切符がとれてしまった。
買ってから時間が経っているから出し物のことも忘れてどこかにあるはずのチラシを探しもせずに行ったらチラシはないしパンフレットは2500円だという。
バカにするなって、だれが買うか。
圧倒的におばさんが多い会場は幕が上がってもがやがやうるさい。
でも役者が出てくると「おもだかや!」なんて言うのは男が多い。
いちいち言うなよ、と思うけどこれがしきたりじゃしょうがない。
まずは「道行初音旅」
清元に乗って亀治郎扮する佐藤忠信実は源九郎狐と芝雀の静御前の踊り。
きれいだ。「ご両人!」だ。
清元を歌うおじさんの声の良さ。
悔しいけどうっとりする。
学生時代に歌舞伎研究会に入ろうと思ったら、おぼっちゃまばかりだったのでほうほうのていで逃げ出したことがいまだにトラウマになってる。
ケチな男である。
ついで「川連法眼館の場」
静御前が初音の鼓を打つとどこからともなく現れる忠信の正体は実は源九郎狐だった。
親狐が初音の鼓の皮になっているので親恋しさに忠信に化けてやってくる。
義太夫の語りがなかなかいいなあ。
早変わり、狐の仕草、ここと思えば又あちらの早技、2メートル以上も上から飛び降りてバック転をしたり、、京劇のように体を使ってみせて、こりゃ外国人が喜びそうだ。
最後は宙乗りで桜吹雪の中を二階席に消えていく。
外国人でなくとも楽しい。
義経は染五郎。
最後は「上州土産百両首」
二時間以上の人情劇(というのか)、これはひたすら退屈、早く終わらないかと思ってみていた。
幼友だち同士がスリの仲間から足を洗って10年後の今月今夜再会しようと誓う。
兄貴分は頭の足らない弟分のために200両の金を貯めるのだが、前歴をバラスと脅し取ろうとするかつてのスリ仲間を殺してしまう。
凶状持ち・100両の賞金首となっても約束の再会を果たそうとして上州から浅草に出てくると弟分は岡っ引きの子分になっている。
兄貴分・亀治郎、弟分・福士誠治。
二人の交情があたかも恋人同士のようなのはそういう演出なんだろうか。
歌舞伎の方は素晴らしいレベルのものだと思うがもう一度見るかと言われれば遠慮する。
落語の方がずっといい(安いし)。
能や狂言に比べてどうしてもくどく感じるのだ。
家に帰ったらNHKニュースのあと海老蔵の特集をやっていた。
ついそのままみていたら彼がロンドン公演でこの「川連法眼館の場」をやる苦心談が出てきた。
名門の子に生まれてその名に恥じない役者になるのは大変な才能と精進、不安や重圧に負けない精神力が必要だ。
そういうものに恵まれずに終わってしまう人も多いのだろう。
それでも名前で世の中を渡っていける場合もあるのだろうが、本人がその分を知ってしまうと辛いことだろう。
周囲の人のこともあるしなんとかそんな自分と折り合いをつけて生きていかなくてはならない。
今の俺にはそういう人の人生のほうにも興味がある。
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minmei316 at 2010-08-20 18:04
以前お客様で、とても早い早朝予約をいただき
お着物のお着付けをさせていただいた事がありました
お話を聞けば、なんとなんとお着物を着て朝一番の飛行機に乗り
東京へ歌舞伎を観に行かれるとか・・・
お客様、気合入っておられました
でも、ちょっとばかり、羨ましい気持ちもありました
いつかわたしも着物を着て歌舞伎を観に行ってみたいわ~
中村吉衛門さん 好きなのよね~
お着物のお着付けをさせていただいた事がありました
お話を聞けば、なんとなんとお着物を着て朝一番の飛行機に乗り
東京へ歌舞伎を観に行かれるとか・・・
お客様、気合入っておられました
でも、ちょっとばかり、羨ましい気持ちもありました
いつかわたしも着物を着て歌舞伎を観に行ってみたいわ~
中村吉衛門さん 好きなのよね~
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ぴ
at 2010-08-20 18:30
x
この前,寺島しのぶさんの主演作みてきました
あんな家系に生まれると男と女では随分待遇が違うらしく…
松たかこさんはお嬢ブームに乗りましたが,彼女はそうでなかった
あの七光りに勝つために初めはポルノから入ったのですよね
あの家に産まれて考えられない~~
そしてフランス人との結婚
折り合いをつけない生き方…
難しいものかしらね
あんな家系に生まれると男と女では随分待遇が違うらしく…
松たかこさんはお嬢ブームに乗りましたが,彼女はそうでなかった
あの七光りに勝つために初めはポルノから入ったのですよね
あの家に産まれて考えられない~~
そしてフランス人との結婚
折り合いをつけない生き方…
難しいものかしらね
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takoome at 2010-08-20 18:41
サワディ〜カ〜
見たい! 見たい!
見たい! 見たい!
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saheizi-inokori at 2010-08-20 20:52
minmei316 さん、テイーシャツで行った私は場違いでしたね^^。
寄席は浴衣だと割引になるところもありますよ。
寄席は浴衣だと割引になるところもありますよ。
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saheizi-inokori at 2010-08-20 20:53
ぴさん、ね、興味あるでしょ?
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saheizi-inokori at 2010-08-20 20:53
takoome さん、タイ公演はやらないのかな?
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c-khan7
at 2010-08-20 21:40
x
名門に生まれた苦労、名門に生まれなかった苦労。どちらも大変ですね。芸の世界での頂点がどこなのか、探す事が精進なのでしょう。昨夜の海老蔵さんを観ていてそう思いました。
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saheizi-inokori at 2010-08-20 21:45
亀治郎さん、がんばってますよね。本家宙乗りですものね。
名門同士もいろいろあるようです。海老蔵さんは、囃し方である亀井家の田中傳左衛門と傳次郎が何でも知っていて驚いたとか・・(つまりあまりにもいろいろ知らなかったということなのでしょう、何しろ光源氏も知らなかったらしいですから)。亀井忠雄パパが自分を超えるように上の上になるように育てた・・と言っていたのを思い出します。
名門同士もいろいろあるようです。海老蔵さんは、囃し方である亀井家の田中傳左衛門と傳次郎が何でも知っていて驚いたとか・・(つまりあまりにもいろいろ知らなかったということなのでしょう、何しろ光源氏も知らなかったらしいですから)。亀井忠雄パパが自分を超えるように上の上になるように育てた・・と言っていたのを思い出します。
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saheizi-inokori at 2010-08-21 08:44
by saheizi-inokori
| 2010-08-20 13:16
| 能・芝居
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