左龍の「つる」が飛んでった 鈴本夏祭りは絶好調(1)
2010年 08月 19日
昔白髪の老人が浜辺で海の彼方を眺めていたらモロコシの方からオスの鶴がツーっと飛んで来て松の枝にぽっと止まった。
そのあとメスの鶴がルーっと飛んで来た。
それでツルということにしたんだ。
隠居の与太噺に感心したはっつあん、自分も喋ってみたくてハンチャンにやってみる。
オスの鶴がツルーっと飛んで来てメスが、、、あれ!変だな?
何べんやってもメスが、の後が続かない。
たまりかねて戻って隠居にもう一度やって貰う。
今度こそ大丈夫とハンチャン!鶴は何でツルって言うか知ってるかい?
あれ、また来たよ、知らねえよ。
聞きたいかい?
忙しいんだって!聞きたかねえったら。
じゃあ仕事しながら聞いてくれ。
オスの鶴がツーっと 、、ここだよ、今度は大丈夫だ、、ツーっと飛んで来て松の枝にルっと止まった。
その後、メスの鶴が、、、メスの鶴が、、、
とうとうベソをかいてしまう。
ハンチャンが、メスの鶴がなんてったい?
う~ん、(泣きながら)、メスの鶴が黙って飛んできた。
こうして書いてみたらそんなに面白い話でもないかも。
短くできるので正月の顔見せのようなときにやる人が多い。
下手な人がやるとしらけるときもある。
昨日の左龍のはよかった。
メスの鶴が、で後が続かなくなったときに宙を上目遣いに睨んで呻吟する、その様が彼の異相と相まって何ともいえないおかしみを誘う。
同じことを繰り返すのだが、答えが出てこない苦しさ・いらだちがどんどん深まってくる感じがいいのだ。
こういう単純な噺で大笑いさせるところに噺家の力量が発揮される。
噺家が自分で可笑しがって笑わせてやろうとするとこっちはしらける。
噺家自身がはっつあんになりきって「あれえ?なんか変だなあ、どうするんだっけ」と一生懸命悩むから可笑しい。
新しい携帯を買ってちょっとした操作がどうやってもできなくて焦りまくる。
ドコモのお姉ちゃんに聞くといとも簡単にやってみせるんだけど、家ィ帰って一人でやるとうんともすんとも、、え~い、チッタアこっちの気持ちを察してくれよって機械にあたったりして。
そんな感じかな。
扇橋のやるのもあのとぼけた味が噺に合って好きだ。
今日は長野から送られて来たモロコシを茹でました。
この、モロコシとモロコシは、何か関係があるのでしょうか?面白い話を聞くと、誰かに教えたくなるのは、皆、一緒ですよね。
それ以前に日本にあったモロコシ(中国伝来)に似ているので唐(外国)からきたトウモロコシでトウモロコシとよんだという説があります。
これも鶴の類かな^^。
面白い噺をきいてしゃべりたくても忘れてしまうのもよくあることですね。
随分お世話になったなあ。