池袋の小三治と上野の権太楼 夏のお楽しみだ 大塚「串駒房」のこともちょっと
2010年 08月 16日
第21回 納涼名選会 鈴本夏まつり
吉例夏夜噺 さん喬・権太楼 特選集
まるで寿限無のように長いね。
その三日目(12日)、パラパラと雨が降る中を御徒町「燕湯」へ。
昨夜大塚でがっちり飲んだのでまだ酒臭い。
自分も嫌だけど寄席の客にも悪い。
さっと汗を流して松坂屋の地下で弁当を買う。
今日は権太楼が「子別れ」をやるから弁松にしたかったけどあれは伊勢丹、ここでは売ってない。
「守よし」の「きじ焼き弁当」を買う。
予約席の番号が「る・1」、壁際まで既に座っている人の前を進まなきゃならない。
申し訳ないのでロビーで飯でも食いながら立ち見しようかな、と迷っているとスタッフのおばさんがテキパキとお客さんにお願いしてくれたのでスイマセンスイマセン。
(大塚「串駒房」、5種類の酒を2合づつ二人で。ビールはサテ何杯飲んだか)
我太楼「子ほめ」
紋之助「曲独楽」、いつもながら明るく、今日は夏の趣向で風車を回す。
昔「風車の弥七」という綽名をつけられたことがある。
似てるかなあ。
井上陽水、地井武男、猿=日吉丸をやった緒形拳、なんとかいうジャガイモのような男優(宇野重吉じゃない)、、いろんな人に似てると云われたが、今鏡を観ると俺でしかないなあ。
扇遊「お菊の皿」
ロケット団・漫才
甚語楼「狸さい」、小柄の丸顔、狸に似ている人が狸の噺、浮世離れしていい心持だ。
(おでんのほかにいろいろ、こんなのも嬉しい)
喬太郎、昨日書いた↓夏休みでも働かなきゃならない愚痴やらこの暑いのにべたつくカップルへの恨み節で沸かして、ふと見ると羽織の紐が外れている。
21年高座に上がってこんなこと初めてだと、羽織を後ろへ投げつけると黒いサングラスの小太りの男が入って来て拾っていく。
文左衛門だ。
結婚相手を家に初お目見えのドタバタ喜劇。
笑いは取れていたが、、。
「この噺を始めてから気がついた、お子さんがいる」、そうだよ大人だって、あんまり、、。
(雲形のテーブルに三組の客が座った)
小菊「俗曲」、朝顔をあしらった都々逸三つがよかった。
文左衛門「ちりとてちん」
喬太郎につられたのか、最近の変化なのか、「ちりとてちん」の匂いを嗅いだトラさんがバタンと後ろに卒倒したり、口に入れて悶絶する様など、一段と誇張した身振りにギャグ、おかしいと云えばおかしいが。
小満んの抑制されているのにおかしさがこらえられないような噺を聴いいてしまうとこういうのが辛い。
喬太郎も文左衛門も迷っているんだろうな。
志ん輔のブログを小言幸兵衛さんに教わって毎日読んでいる。
そうすると彼が必死になって迷いと闘っているのが感じられる(そんなことはほとんど書いてないけれど)。
仙三郎「太神楽曲芸」
さん喬「七段目」、歌舞伎の声色と仕草をたっぷり。
正楽「紙切り」、「熱中症」の注文に「熱中症、熱中症、、どうすりゃいんだろ?」もごもご言いながら切って「これは解説が必要です。高校野球のバッターが熱中症になりました」。
バッターがバットを放り出して倒れそうになってる。
いろんな注文の声が飛び交う中で「そちらに小さなお子さんの声が聴こえましたね」。
かわいい声が「ニンジンスベリダイ!」
正楽、にっこり笑って「秦野のオオネ公園だね、人参の形をした滑り台、そうですね?」
「は~い!」
あの公園に正楽の絵があるんだって。
みごとに出来上がると5つくらいの女の子が長い髪を揺らして跳ねるようにして取りに行った。
(殻付きアーモンド)
権太楼「子別れ」、葬式で貰った弁松の弁当を熊さんが背負っていて叩かれたもんだから中身がつぶれてがんもどきのおつゆがフンドシにしみちゃった、というところをまるまる抜いちゃった。
それを聴きながら弁松食おうと思ったのに。
トリとはいえ限られた時間でやるから(中)のところもほとんど割愛だ。
別れていた息子との再会、子どもはあっさりとやるが熊さんは涙ぐむ。
息子が家に帰るのを見送って
鰻屋での親子の再会に番頭が立ち会って再婚を薦めるやり方は初めてだ。
そこを小三治は息子に「ね、おとっつあん、後生だからさあ、また元のように三人で暮らしておくれよう」と言わせ志ん朝は熊が「また、一緒に、、暮らしちゃァ、、いけないかねえ」という。
(ヨッパラってピンボケ)
熱演だった。
でもちょっと物足らない。
俺の好きな吉原でのひと騒ぎや母子で糸巻きする細かい描写などが割愛されてしまったこともあるが、どうも権太楼の芸風にいまひとつぴったり来なかったように思った。
何年も前に遊三の「子別れ(下)」を寄席で聴いたのが忘れられない。
泣けてしょうがなかった。
今日は権太楼が泣いていた。
次は18日「宿屋の仇討」のキップが取ってある。
楽しみ。
あらまあ、長いのはイベントの名前でなくて記事のことになっちゃったか。
吉例夏夜噺 さん喬・権太楼 特選集
まるで寿限無のように長いね。
その三日目(12日)、パラパラと雨が降る中を御徒町「燕湯」へ。
昨夜大塚でがっちり飲んだのでまだ酒臭い。
自分も嫌だけど寄席の客にも悪い。
さっと汗を流して松坂屋の地下で弁当を買う。
今日は権太楼が「子別れ」をやるから弁松にしたかったけどあれは伊勢丹、ここでは売ってない。
「守よし」の「きじ焼き弁当」を買う。
予約席の番号が「る・1」、壁際まで既に座っている人の前を進まなきゃならない。
申し訳ないのでロビーで飯でも食いながら立ち見しようかな、と迷っているとスタッフのおばさんがテキパキとお客さんにお願いしてくれたのでスイマセンスイマセン。
我太楼「子ほめ」
紋之助「曲独楽」、いつもながら明るく、今日は夏の趣向で風車を回す。
昔「風車の弥七」という綽名をつけられたことがある。
似てるかなあ。
井上陽水、地井武男、猿=日吉丸をやった緒形拳、なんとかいうジャガイモのような男優(宇野重吉じゃない)、、いろんな人に似てると云われたが、今鏡を観ると俺でしかないなあ。
扇遊「お菊の皿」
ロケット団・漫才
甚語楼「狸さい」、小柄の丸顔、狸に似ている人が狸の噺、浮世離れしていい心持だ。
喬太郎、昨日書いた↓夏休みでも働かなきゃならない愚痴やらこの暑いのにべたつくカップルへの恨み節で沸かして、ふと見ると羽織の紐が外れている。
21年高座に上がってこんなこと初めてだと、羽織を後ろへ投げつけると黒いサングラスの小太りの男が入って来て拾っていく。
文左衛門だ。
結婚相手を家に初お目見えのドタバタ喜劇。
笑いは取れていたが、、。
「この噺を始めてから気がついた、お子さんがいる」、そうだよ大人だって、あんまり、、。
小菊「俗曲」、朝顔をあしらった都々逸三つがよかった。
文左衛門「ちりとてちん」
喬太郎につられたのか、最近の変化なのか、「ちりとてちん」の匂いを嗅いだトラさんがバタンと後ろに卒倒したり、口に入れて悶絶する様など、一段と誇張した身振りにギャグ、おかしいと云えばおかしいが。
小満んの抑制されているのにおかしさがこらえられないような噺を聴いいてしまうとこういうのが辛い。
喬太郎も文左衛門も迷っているんだろうな。
志ん輔のブログを小言幸兵衛さんに教わって毎日読んでいる。
そうすると彼が必死になって迷いと闘っているのが感じられる(そんなことはほとんど書いてないけれど)。
仙三郎「太神楽曲芸」
さん喬「七段目」、歌舞伎の声色と仕草をたっぷり。
正楽「紙切り」、「熱中症」の注文に「熱中症、熱中症、、どうすりゃいんだろ?」もごもご言いながら切って「これは解説が必要です。高校野球のバッターが熱中症になりました」。
バッターがバットを放り出して倒れそうになってる。
いろんな注文の声が飛び交う中で「そちらに小さなお子さんの声が聴こえましたね」。
かわいい声が「ニンジンスベリダイ!」
正楽、にっこり笑って「秦野のオオネ公園だね、人参の形をした滑り台、そうですね?」
「は~い!」
あの公園に正楽の絵があるんだって。
みごとに出来上がると5つくらいの女の子が長い髪を揺らして跳ねるようにして取りに行った。
権太楼「子別れ」、葬式で貰った弁松の弁当を熊さんが背負っていて叩かれたもんだから中身がつぶれてがんもどきのおつゆがフンドシにしみちゃった、というところをまるまる抜いちゃった。
それを聴きながら弁松食おうと思ったのに。
トリとはいえ限られた時間でやるから(中)のところもほとんど割愛だ。
別れていた息子との再会、子どもはあっさりとやるが熊さんは涙ぐむ。
息子が家に帰るのを見送って
なんだか知らねえ、手に力が出てきたと両手を閉じたり開いたりするのは権太楼の工夫だろうか。
鰻屋での親子の再会に番頭が立ち会って再婚を薦めるやり方は初めてだ。
そこを小三治は息子に「ね、おとっつあん、後生だからさあ、また元のように三人で暮らしておくれよう」と言わせ志ん朝は熊が「また、一緒に、、暮らしちゃァ、、いけないかねえ」という。
熱演だった。
でもちょっと物足らない。
俺の好きな吉原でのひと騒ぎや母子で糸巻きする細かい描写などが割愛されてしまったこともあるが、どうも権太楼の芸風にいまひとつぴったり来なかったように思った。
何年も前に遊三の「子別れ(下)」を寄席で聴いたのが忘れられない。
泣けてしょうがなかった。
今日は権太楼が泣いていた。
次は18日「宿屋の仇討」のキップが取ってある。
楽しみ。
あらまあ、長いのはイベントの名前でなくて記事のことになっちゃったか。
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蛸
at 2010-08-16 16:56
x
耳からも口からもごっぉばっかり・・・・、;;
0
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c-khan7 at 2010-08-16 17:06
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saheizi-inokori at 2010-08-16 22:18
蛸さん、ほんとだね。有難いことです。
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saheizi-inokori at 2010-08-16 22:20
c-khan7 さん、鈴本中席は権太楼とさん喬が交互にトリなんです。
「イハチィ!」も権太楼です^^。
「イハチィ!」も権太楼です^^。
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旭のキューです。
at 2010-08-17 07:29
x
次は18日ですか~楽しみが一杯という感じです。
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saheizi-inokori at 2010-08-17 09:17
夢八さん、うまい料理を出す居酒屋のハシリみたいな店ですね。
若いカップルの客が多いです。
若いカップルの客が多いです。
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saheizi-inokori at 2010-08-17 09:18
旭のキューです。さん、そうですよ。
いまや寄席が生きがい^^。
いまや寄席が生きがい^^。
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saheizi-inokori at 2010-08-17 09:24
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fukuyoka
at 2010-08-17 14:14
x
いつもタイミングがずれてごめんなさい。弁松の弁当は大好きなんです。新幹線に乗る時に大丸で買うことがよくあります。一度落語聞いてみたいです。
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saheizi-inokori at 2010-08-17 15:11
fukuyoka さん、「子別れ」はたまに寄席でもやるけれど弁松が出るかどうか、が問題ですね。
家にテープがあるかもしれない。探してみようかな。
家にテープがあるかもしれない。探してみようかな。
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小言幸兵衛
at 2010-08-17 18:39
x
今年は鈴本の夏まつりに行けそうになく、佐平次さんのブログを涎を流しながら拝見しております(笑)。
喬太郎の「羽織の紐事件」(?)は、滅多にお目にかかれない場面に遭遇されたようですね。ネタは「ほんとのこというと」だと思いますが、私もこの噺は彼の新作の中では評価低いですねぇ。あまり笑えない。
権太楼「子別れ」は、確かに弁松が登場しないのは残念ですが、「下」だけでも楽しかったのではないでしょうか。もちろん、さん喬「七段目」だって聞きたかったなぁ。若旦那と定吉のやりとりが目に浮かびます。
お暑い中、お体ご自愛ください。
喬太郎の「羽織の紐事件」(?)は、滅多にお目にかかれない場面に遭遇されたようですね。ネタは「ほんとのこというと」だと思いますが、私もこの噺は彼の新作の中では評価低いですねぇ。あまり笑えない。
権太楼「子別れ」は、確かに弁松が登場しないのは残念ですが、「下」だけでも楽しかったのではないでしょうか。もちろん、さん喬「七段目」だって聞きたかったなぁ。若旦那と定吉のやりとりが目に浮かびます。
お暑い中、お体ご自愛ください。
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saheizi-inokori at 2010-08-17 18:52
小言幸兵衛さん、喬太郎が皆さんブログに書いていいですから!と悲鳴をあげましたよ。
「ほんとのこというと」ですか、ヤク中だったりナルト巻きの丸かじりをしたり、、若い子のしゃべり方のマネが面白いと云えばいえますが。
権太楼には期待値が高いのですよ。
そのうちきっとお会いできることを楽しみにして、、明日出かけます。
志ん輔の昔のブログも読んでます。
師匠が大好きだったんですね、わかるなあ。
「ほんとのこというと」ですか、ヤク中だったりナルト巻きの丸かじりをしたり、、若い子のしゃべり方のマネが面白いと云えばいえますが。
権太楼には期待値が高いのですよ。
そのうちきっとお会いできることを楽しみにして、、明日出かけます。
志ん輔の昔のブログも読んでます。
師匠が大好きだったんですね、わかるなあ。
by saheizi-inokori
| 2010-08-16 14:34
| 落語・寄席
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Comments(14)