ジードの「贋札つくり」読んだことがありますか 島田雅彦「悪貨」
2010年 08月 02日
それを狙った美容院の男と友人、ひったくって、その金でキャバクラで豪遊する。
ホームレスはガソリンスタンドで焼身自殺をする。
キャバクラの女は故郷に帰り父親の不渡りを救う。
だが、その金には精巧な偽札が含まれていた。
ホームレスに投げ込まれた金は偽札だったのだ。
偽札鑑定に召喚された、フクロウは従来とは比較にならないほど精巧な偽札に、旧知の男のサインをみつける。
印刷工場の廃業で中国に渡っていた印刷工の。
フクロウの父親が経営する工場で働いていたのだ。
国際的金融犯罪、マネーロンダリングが激化しているのに対し、美しすぎる刑事がその拠点と疑われる宝石商・通称「銭洗い弁天」に潜入工作をする。
「彼岸コミューン」なる共同体が飛躍的に伸びる。
過疎化した農山村に「カリスマ百姓」の指導を受けて新しい農業生産共同体をつくる運動に失業者や共鳴者が続々集まった。
コミューンはシャッター通りと化した地方の商店街の再活性化にも進出する。
それだけではなくインターネットを通じ環境保護運動。消費者運動との連動も行う。
何よりもの特徴は「アガペー」という地域通貨を発行したこと。
膨れ上がった借金を相殺するため国家や中央銀行は実体経済以上の規模をはるかに超えたお金を流通させている。貨幣の信用を守るべき国家が率先して、信用を貶めている。
そして人々はお金に支配されている。
国家や企業を信じるより、友人関係や隣人関係を信じよう。
友愛銀行を設立して、仲間同士で、無利子でお金を貸し借りする。
労働や実際に見合っただけのアガペーを発行する。
貧しい人をなくすのだ。
その彼岸コミューンに多額の資金を投じている謎の富豪がいる。
かつてコミューン創設者に救われた男が偽札造りにかかわっているらしい。
美しすぎる刑事は男に近寄る。
偽札によりハイパーインフレを起こし日本経済を破綻させようという陰謀は誰がどのように?
純文学の作家がエンタテインメントに徹した。
偽札作り、って想像力を刺激するね。
ばれないならやってみたい人? はい!って。
夏休みの暇つぶし。
講談社
私が本の帯にあった「美人すぎる刑事」から借用しました。
考えてみれば「過ぎる」って変な表現ではありますね。
美人すぎる女優、っていうのかな。
職業差別の匂いもする?
寄席にも行きたいし、、。
こういう小説って楽しいですよね、、島田雅彦さんは昔から気になる作家だったので、読んでみたいです。