絶対に強くなってやる! ジョン・ハート「ラスト・チャイルド」(上下)
2010年 04月 29日
優しかった母キャサリンはその日迎えに行かなかった父を責めて許さない。
父は失踪する。
13歳の少年ジョニーは健気だ。
僕が妹を見つけるんだ。
いつだって何が一番正しいかを教えてくれた父が逃げ出すはずがない、きっと帰ってくる。
母は、嫌らしい実業家ケンにいいようにされ麻薬と酒で壊れかけているけれど僕が守る。
親切そうな刑事ハントも信用しない、妹を見つけられないから。
あんなに毎日必死に祈ったのに、、もう神は信じない。
最後の祈りで三つお願いをした。
母が薬をやめますように。
家族が戻ってきますように。
ケンがゆっくりと恐怖におびえながら悲惨な死に方をするようにと。
今ジョニーはインデイアンの信仰をもつ。
僕はインデイアンの酋長だ。
ワシの巣に忍びこんで親ワシと格闘して取ったワシの羽根がお守りだ。
少年の必死な“捜査”活動に喚起されたように起き続ける殺人、誘拐、遺体遺棄、、。
刑事ハントはアリッサ事件に囚われている。
事件発生後2年たっても事件のことを考えて眠れない。
キャサリンとジョニーにも囚われている。
警察署内では孤立、妻には逃げられ息子とも日に日に断絶が深まる。
トムとハックルベリを思い浮かべるような少年たちの描写、現代のトムたち。
疾走感とはこういうことをいうのだろう。
現代の家族が抱える葛藤、誰もが犯す人生の過ち、信仰の意味、友情・勇気の気高さ、、
文章に無駄もなく流石に評判の高いミステリだ。
英国推理作家協会・最優秀スリラー賞受賞
ハヤカワ文庫
東野さやか 訳
うわ、おもしろそうですね。
で、この類のジャンルで上下2冊にもわたってるってのがすごい
夏のバカンスによさそうな一冊
何もしないでひたすら読む。
「絶対に辞めてやる」というフレーズが頭に浮かびました。
絶対に、やめそうもない人がいいそうですね。
長い小説が好きなので、上下組もそそられます!
「ピストルズ」という長いのを読んでいます。面白いのになかなか進まない。落語、映画、展覧会、、。気が多いんだなあ。