白目米で食べる新宿中村屋のカリー
2010年 03月 30日
総調理長のNさんと料理研究家のKさん、中国料理の人気店SのオーナーシエフIさん、と「白目米」を賞味する。
江戸時代に武州幸手の天領でつくられて大名などが珍重していた最高級米、中村屋の創始者相馬愛蔵がカリーに合うのではないかと契約栽培していたが戦雲たなびく昭和13年には途絶えた。
それを13年前に茨城の研究所にあった種もみを21グラム分けて貰って復活したという。
べとつかずカリーの味が絡みやすい。
長粒米というのだが見た目にはそんなに長くはない。
宮本常一の「日本文化の形成」に日本で一般的な短粒米は揚子江付近から朝鮮半島南部を経て日本へ、長粒系の赤米は琉球列島を北上して日本へ、陸稲は朝鮮半島の南部から主として秦人によってもたらされたのではなかったかとあった。
それがどういうイクタテがあったか白目米となって大名たちの口を喜ばせ、いちど死にかけてまた今は石川で息を吹き返して、こうして俺たちの口に、、面白いというかなんだか有難い気持ちにもなった。
料理のプロたちとの会話はとても楽しい。
野菜を料理するにのにちょっと風に当てておくと味も深まるという話になったら、それはその前に軽くボイルした後、干しておくといいとIさん。
そのボイルの仕方、干し方、どれもいろいろ試行錯誤してこれがいいというやり方を見つけるのですね?俺が愚問を発するとにっこり笑って頷いた。
俺が sweetmitsukiさんのブログに「土筆の灰汁をぬくつもりで酢で煮た」といい加減なコメントをした話をして
酢には灰汁を抜く作用はあるのかという質問をしたら、三人とも首をひねりながら、それでも酢を使う古今東西の料理法をアアデモナイコウデモナイと披露して下さった。
結論は灰汁を抜く作用があるかどうかは不明だが不思議な作用をすることは間違いないということに。
心優しい人たちだった。
肝心のカリー。
インドカリーとコールマンカリーを半分づつ食べたがうまかった。
ここのカリーを食うと亡き叔母が連れてきた頃を思い出すので特別な味になるのだ。
ただ、俺の舌では白目米の効果が今一つわからない。
平均よりまずいものは分かるけれど旨いものは全部旨いというのが俺の舌。
こんど飯を普通のコメと白目米の二皿用意して食べ比べてみたいものだ。
それは、蘊蓄が深まるはずだ!!!
確かにお酢には不思議な作用がありますよ。
スープとか炒め物、パスタソースにリゾットに
最後の段階でちょっと入れると味が深まりまろやかになる。
ウソのようだが本当で、私の日常的トリックになってます。
音楽もそうだけど、食べ物にもそれぞれの思い出ってありますよね。 笑
野菜は直前まで生きているので、風にあたるとあ〜いい気分。って思うのかも。それが旨味になったりして。ちょっと残酷なのだけど、、
皆いい人たちですが。
でもNさんは長粒だと言ったのですよ。聞き間違いではないと思いますが。
ボイルしておくと水分が残るのだそうです。
ルーツはどこか、長粒だと南方かもしれませんが、、。
酢を使った料理、古今東西にあらゆるレシピがあるのでしょうね。
土筆を煮るために酢を買いに行ったら、色々な種類の酢、合わせ酢がコーナーいっぱいに揃っていて驚いてしまいました。