アメリカだけのことではない! 堤未果「ルポ 貧困大国アメリカ」
2010年 02月 25日
2004年、ハリケーンの来る前のルイジアナ州でフードスタンプの受給者率は63.8%、一回の食事につき一人1ドル40セントで食べるとしたら(調理器具がない貧困家庭が多い)とりあえず腹が膨れるジャンクフードだ。
学校でも全米で3002万人(2005年)の生徒が「無料ー割引給食」を受けるが予算は少ないからやはりジャンクフードに近いものになる。
貧困児童ほど教育レベルが低く肥満度が増す。
イラクや北朝鮮で非情な独裁者が国民を飢えさせていると大統領(ブッシュ)は言いますが、あなたの国の国民を飢えさせているのは一体誰なの?災害予防・緊急事態への対処、学校教育、医療、、本当は民営化してはならない分野が民営化され生命を守るより利益が追求される。
大学を出ても学資の借金を返すだけの収入は見込めない。
「落ちこぼれゼロ法」が出来て高校生の成績だけではなく親の職業、年収、携帯番号、などの個人情報が軍隊に集められる。
軍のリクルーターが甘言を弄して入隊を薦める。
大学の学資を出してやる、兵士用の医療保険に入れてやる、、
若者の希望を奪い、食い詰めさせてしょうことなしに軍隊に追い込む。
死ぬかも知れないと思っても今よりましと入隊する。
リクルーターも食い詰め入隊組、ノルマを課されてウソをついて入隊させることも多い。
前線から帰還しても食べていける保証はないからホームレスになる。
戦争すら民営化されて食い詰め若者が就職していく。
死んでも戦死者ではない。
戦争請負業界で、イラクは「ゴールドラッシュ」と呼ばれている。
”「民営化された戦争」という国家レベルの貧困ビジネスと、それを回してゆくために社会の底辺に落とされた人間が大量に消費されるという恐ろしい仕組み”普通に出産しただけでも2泊3日の入院で2万ドル以上の費用がかかるから日帰り出産が増えている。
急性虫垂炎で1日入院して手術を受けると1万2千ドルの請求。
妻の出産と重なって自己破産に追い込まれる事例。
病院の株式会社経営で徹底的に追求される効率化。
点滴の管がついたままの患者を退院させる。
全米で年間7万1千人が医療過誤で死んでいる(自動車事故は4万人)。
新自由主義のもたらした社会破壊の現場ルポ。
暗い気持ちになって読むのが嫌になる。
しかし
無知や無関心は「変えられないのでは」という恐怖を生み、いつしか無力感となって私たちから力を奪う。だが目を伏せて口をつぐんだ時、私たちは初めて負けるのだ。そして大人が自ら舞台をおりた時が、子どもたちにとっての絶望の始まりになる。
それが分っていないことそのものが知力のなさ、なのだけど。
まあいいや、と楽していると体も頭も心も肥満になっていく、、
でも貧困で、それしか食べられないとしたら、と思うとぞっとします。
みゅうちゃんみたいにタンポポのはっぱ食べた方がいいわあ。
日本もどんどんアメリカ化してきてる気がします。
私達の業界もかつてない惨状なのですが、ここで降りたらだめです。
大人なら、プロなら、こんな時代こそ、少しでも変化につながることをやらなければ、と思ってます。
マクドナルドなどが給食事業に進出している。これも貧困ビジネスです。
大企業の戦略に負けないでがんばらなければ明日がないですね。
マイケルムーア監督の映画でやっぱり軍に勧誘する軍人が出てくるんだけど、まるで子供をさらってサーカスに売り飛ばすような卑しさ、嘘が漂っていて吐き気がした。
病院は、タクシーに行きのタクシー代だけ払って、保険のない病人を、保護施設の前まで送り届けさせ、、、捨てる。
私たちはアメリカの大都市のかっこいいところしか見せられてないけど、それは少数の甘い汁を吸ってるお金持ちの世界
それ以外の大半の人々が困難な生活を強いられてる。ブッシュを始め、超富裕層の銀行口座の金額をさらに増やすために、国の恩恵を受けていない、受けることのできない若者が自分の命をかけて、闘いというビジネスに乗り出していく。 解せない。
日本も同じ道を歩んでることは確かで、やっぱり理性と知性と先見の明のある人々が、ここで頑張らないといけない気がします。
日本も本書に書かれている不幸が押し寄せつつあるような気がします。
それと勇気と。
日本は自衛隊だから随分違いますし、医療関係もアメリカみたいに高くはありません。アメリカの方がかなり深刻。でも日本もあと何年もつのでしょうか。アメリカと同じ道を歩むのでしょうか。
何しろアメリカからの構造改革要望をすなおに守り続けてきたのですから。
恐ろしいですね。
アメリカ国内でもメデイアによる情報の操作が行われていてひどさが知られてないのかもしれません。
日本でも私の周りにいる人たちだけを見ているとまだまだ心配ないようにもみえますが、少し踏み出して普段話をしないような人と会って見るとまるで違う日本が見えてきます。
どんどん刑務所に送りこめ、という圧力があるというのです。