いつの世も辛い目に会うのは弱者だ 弱者の“抵抗”を描き訴える映画「誰がため」、「キャピタリズム」

忙しい忙しい!
隠居がなんで忙しい?
なんだか知らぬが忙しい。
マッサージの先生に「最近疲れっぽくて、、何にもしてないのになあ」と言ったら「何にも?そうでもないですよ」と笑って相手にしてくれない。
このブログを覗いてくださってるからなあ。

観たい映画、そのうち是非と思っているといつの間にか終わってる。
まあ、観なくてもどうってことはないのだろうが、キネマ旬報のベスト10などで見逃した映画がランク付けされるとちょっと損した気もする。
かといってつまらなかった映画も結構入選していて、こういうのを信頼しているわけでもないのだが。
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「誰がため」、「たがために鐘は鳴る」の「たがため」。
ナチスに蹂躙されたデンマークで地下抵抗運動に立ちあがった二人の男の話。
実話だという。
運動組織の指示命令でナチス幹部や組織内の裏切り者を暗殺する。
誰が本当の味方で誰が裏切り者か分からなくなる。
俺などは最後までよくわからなかった。

ナチスが行軍してくるのをみて吐き気が止まらなくなった家庭思いの男が失敗しながら刺客に変貌していく。
可愛い女の子の誕生祝いの日も忘れている。
アジトに来た妻から知らされて同志に金を借りてケーキを買って海岸に停めた車の中で祝ってやる。
耐えかねた妻に愛人が出来るとその男をおとづれ「妻と子を頼む」という。
彼の最後の戦いは壮絶だった。
親友二人、そのうちどちらかと言うと脇を固める印象のこの男が気になった。
忙しいのに渋谷の坂道を上って観る価値は、、まあ、あったかな。
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マイケル・ムーアはいつも面白い。
現代アメリカの病を辛辣に抉り糾弾するのが小気味よくユーモアもある。
この映画「キャピタリズム~マネーは踊る~」“1パーセントの富裕層が99パーセントの非富裕層”をどのように作りだし(強欲故だ)、どのように搾取しつづけているかを快調なテンポで描く。
神父たちは「資本主義は神の御心には叶わない」と断言する。
なぜかくも非人間的なキャピタリズムがアメリカ国民に支持されてきたか?
子供のころからあらゆる機会に洗脳されて「自由競争こそユートピアへの鍵」と信じこまされて来たからだ。
事実、黄金の60年代もあった。

サブプライム・ローンの破たん以前から進行していた銀行の中間層に対するマイホームを抵当にした借金漬け戦略が彼らの長年住み続けた家を奪う。
空前の利益を上げていながらも容赦なく推し進める大企業のコストカットで職場を失う、仕事を愛し、職場の仲間を愛し、家族を愛する良きアメリカ人たち。

NYでハドソン川に冷静沈着な不時着を敢行して155人の乗客乗員の命を救った英雄パイロットが国会で「アメリカのパイロットは誰ひとり我が子をパイロットにしたいとは思っていない」と訴える。
年収2万ドル以下、レストランでアルバイトをしたり血を売って生きるパイロットが珍しくない、という話にはJALの今後の安全は大丈夫だろうかと思う。

おとなしかった99パーセントに残された力は“票”と“抵抗=実力行使”だ。
オバマの登場は99パーセントの力になるのだろうか。
工場閉鎖で首になった家具職人たちが職場に籠城して退職手当などを要求する戦いは全国メデイアの注目、オバマの支援の言葉により強欲金融機関に一矢を報いた。
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だが、今でもアメリカでは7秒に一軒の家が差し押さえを受けているという。
それにしてもアメリカのCEOとかエリートたちの顔の品のないこと!
あ、アメリカだけじゃないか。
Commented by takoome at 2010-01-30 12:13
サワでイ〜カ〜
盛んに動いている佐平次さん、
お疲れがたまりませんように盛んに動いて下さいませ。^^
Commented by saheizi-inokori at 2010-01-30 13:33
takoome さんほどじゃないですよ。タコサンこそお気をつけて^^。
Commented by convenientF at 2010-01-30 14:36
大変だ!キャピタリズム、観なくっちゃ!

「<反>新自由主義者」の最も凶暴で、頑固で、破壊的指導者をもって自任する拙者が、発表されたときから待っていたのに一番弟子のディックが死んだり、ババアの介護保険関係の諸手続やらでまだ観ていない。

ところが、拙者の親友で、同じく「<反>新自由主義者」である男は「キャピタリズム」を観ない、と宣言している。マイケル・ムーアの作風が気に入らないという。素材の扱いが不真面目だという。

「Sicko」もコメディタッチだったが、それが気に入らないらしい。

アッシは、この手の訴求はコメディタッチの方が恐怖感を増すから有効だと思うのであるが....
Commented by saheizi-inokori at 2010-01-30 15:23
convenientF さん、同感ですねえ。
相手が相手ですから、一筋縄のやり方ではなかなか、、。
アイツラこそ非真面目です。
マイケル・ムーアは笑いを提供しますが真面目も真面目、大真面目、心底からアメリカを憂え怒っています。
画面から彼の怒りが湯気を立てて迫ってきます。
哀しみも会場を浸します。
Commented by cocomerita at 2010-01-31 01:20
Ciao saheiziさん
saheiziさんは今日も風を切って約束の場へ向かう
そのフットワークの良さには学びたいものがあります。

私はムーア監督好きです
彼の作風ややり方は何処かあの酔拳を思わせる
Commented by saheizi-inokori at 2010-01-31 08:35
cocomerita さん、酔拳!いえてるなあ。
Commented by 旭のキューです。 at 2010-01-31 09:05 x
ブログって結構労力ありますね。休日は、更新で1時間2時間は当たり前ですもの・・・さすがに平日の更新はつらいものがあります。
Commented by saheizi-inokori at 2010-01-31 10:32
旭のキューです。さん、それもあって“忙しい忙しい”^^。
楽しんでやりましょう。
Commented by c-khan7 at 2010-01-31 11:34
ナチスの力は当時、ヨーロッパ全土を制圧していたんですね。。
恐ろしい事です。地下で多くの人が反ナチス運動をしていたことでしょう。そして弾圧されていたことでしょう。。今も昔も権力という凶器はどこにでも転がっているわけですね。
Commented by saheizi-inokori at 2010-01-31 13:08
c-khan7 さん、反ナチスもいたけれど親ナチスや裏切りスパイもたくさんいたのです。
今も昔も、、!
Commented by convenientF at 2010-01-31 17:46
ニッポンの空き屋率は8軒に1軒。まだマシ?
そうかなぁ。売れる見込みないのよねぇ。後に住む人、生まれてこないのよねぇ。生まれてきたって、食べ物つくる農家はもういないのよねぇ。
Commented by saheizi-inokori at 2010-01-31 18:28
convenientF さん、それでもまだマンション作ってる。空き家を増やすため?
Commented by convenientF at 2010-02-01 14:19
>それでもまだマンション作ってる。空き家を増やすため?

とにかく土地、建材、労賃などでカネが動けば”何とかなる....”かもしれない、ってことですね。
建築主(購入者)が失業などで破綻すれば「任意売却」や競売で住宅は処分されます。つまり住宅に投入した土地、建材、労賃などの代金がカネに戻ります。

業界としてはそれでいいんですよ。利益を出すなんて、そんな「罰当たり」なことは考えていません。

ペダルを漕ぎ続けていれば、日本とは逆に人口が大幅に増える国がそれらの住宅を買いに来るかもしれないじゃありませんか。

希望を持ち続けましょう!!!!!!!!
Commented by saheizi-inokori at 2010-02-01 15:02
convenientF さん、後輪はパンク、ステアはゆるゆる、動き続けているのが不思議な自転車!
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by saheizi-inokori | 2010-01-30 11:13 | 映画 | Trackback | Comments(14)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori