みずみずしくやわらかな“戦後” 「早川良雄 -“顔”と“形状”-」(東京国立近代美術館)
2010年 01月 28日
1917年生まれ、2009年3月逝去。
薦めてくださる人がいて、戦後のグラフイック・デザイン界を牽引してきた人と言うだけの予備知識で行ってみた。
膝の痛みもほとんどなくなってポカポカと言いたいくらいのお濠端だ。

まず1951年から1954年にかけての「カロン洋裁生徒募集」のポスターに足が止まる。
懐かしい感じが漂うのだ。
簡潔で力強い顔と文字、「よく出来たポスター」というのを学校で教わった、その源流がここにある。

画面の4隅だけを白く残して、ほとんどがまっ黒な小判形に塗りつぶされている、その右上にピンクの漢字で「日本」、よく見ると横縞が入っている、「日」と「本」の間に白い筆記体で「Japan」。
左下に日本髪が金泥、髷に結って青い櫛と赤いサクランボのような髪飾りがさしてある。
顔は俯き気味に左に向けられている長い鼻筋と切れ長の目が白い線で描いてあるだけ、あとは灰青の帯に臙脂の帯紐が描かれて、その女性がついた左手だけが灰色に塗られている。
体は何にも書いてない。
下にほんとに小さな白抜きで「JAPAN AIR LINES」とある。
こんなJALポスターもあったのだ。

伊奈製陶のポスターがいくつかあって、どれも素敵だ。
「愛について(Ⅱ)」も面白いが、「抱擁」というのは、やわらかいピンクの顔(らしいカタマリ)と薄緑の体(らしいカタマリ)から人参色の手が出て、淡青の顔と赤い体から紫の手が出て、抱きあっている。

(京阪百貨店ポスター・2009年)
ちょっとミロの絵を思わせるような自由奔放な色と表現方法が楽しい。
今の東京にあふれている”インパクトの強い”、女性だと妙に不機嫌なとんがった顔をしているようなポスターにはない世界。
しゃれたコピーの必要もなく訴求するイメージが伝わってくる。
「形状」のシリーズもまるで子供が積み木遊びをしているようにマル・サンカク・シカク、円筒などと戯れている。
赤ん坊は、まず親の顔と身の回りの物の色と形を覚えていくのだろう。
その覚え方はもしかすると早川さんの絵のような色と形の把握だったのかもしれない。
俺が物事に感じるときの重要な要素であるユーモアがある。

同じ所で「ウイリアム・ケントリッジー歩きながら歴史を考える」という展覧会もやっている。
ちょっと覗いたがアニメーションはヘッドフォンで音とシンクロさせてみるのが一時間以上かかるので、出直すことにした。
写真撮影OKの常設展示も魅力的だし。
薦めてくださる人がいて、戦後のグラフイック・デザイン界を牽引してきた人と言うだけの予備知識で行ってみた。
膝の痛みもほとんどなくなってポカポカと言いたいくらいのお濠端だ。

懐かしい感じが漂うのだ。
簡潔で力強い顔と文字、「よく出来たポスター」というのを学校で教わった、その源流がここにある。

左下に日本髪が金泥、髷に結って青い櫛と赤いサクランボのような髪飾りがさしてある。
顔は俯き気味に左に向けられている長い鼻筋と切れ長の目が白い線で描いてあるだけ、あとは灰青の帯に臙脂の帯紐が描かれて、その女性がついた左手だけが灰色に塗られている。
体は何にも書いてない。
下にほんとに小さな白抜きで「JAPAN AIR LINES」とある。
こんなJALポスターもあったのだ。

伊奈製陶のポスターがいくつかあって、どれも素敵だ。
「愛について(Ⅱ)」も面白いが、「抱擁」というのは、やわらかいピンクの顔(らしいカタマリ)と薄緑の体(らしいカタマリ)から人参色の手が出て、淡青の顔と赤い体から紫の手が出て、抱きあっている。

ちょっとミロの絵を思わせるような自由奔放な色と表現方法が楽しい。
今の東京にあふれている”インパクトの強い”、女性だと妙に不機嫌なとんがった顔をしているようなポスターにはない世界。
しゃれたコピーの必要もなく訴求するイメージが伝わってくる。
「形状」のシリーズもまるで子供が積み木遊びをしているようにマル・サンカク・シカク、円筒などと戯れている。
赤ん坊は、まず親の顔と身の回りの物の色と形を覚えていくのだろう。
その覚え方はもしかすると早川さんの絵のような色と形の把握だったのかもしれない。
俺が物事に感じるときの重要な要素であるユーモアがある。

同じ所で「ウイリアム・ケントリッジー歩きながら歴史を考える」という展覧会もやっている。
ちょっと覗いたがアニメーションはヘッドフォンで音とシンクロさせてみるのが一時間以上かかるので、出直すことにした。
写真撮影OKの常設展示も魅力的だし。
サワディ〜カ〜
どぉしてこっちにはないんだろぉ。。。。。
どぉしてこっちにはないんだろぉ。。。。。
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takoome さん、美術館ないんですか?
c-khan7 さん、もう一度行ってみます。
それから田中一光展も。
それから田中一光展も。
みい さん、関東の亀倉と並び称された人ですがやわらかな情緒は早川の独壇場かもしれません。

関西に住みながら、京阪百貨店の存在を知りませんでした。
在るのですネ。
在るのですネ。
関係のない事で申し訳ありませんが・・・
やっと「おくりびと」のDVDを観ました。
日本で死にたいな、と思ったのですよ。
山形が舞台になっていますが「おくりびと」は日本の何処にでも
あるお仕事なのでしょうか・・・おかしな質問でゴメンなさい。
やっと「おくりびと」のDVDを観ました。
日本で死にたいな、と思ったのですよ。
山形が舞台になっていますが「おくりびと」は日本の何処にでも
あるお仕事なのでしょうか・・・おかしな質問でゴメンなさい。
高麗山さん、今はどこかの会社に統合されているかもしれませんね。
74mimii さん、私はその映画をみてないのですよ。
葬儀社はどこにもあります。
映画はそこに働く人の一人を主人公にして人間の死について描いているのではないですか?
葬儀社には機械的無機質に葬儀を執行する人もいることでしょう。
葬儀社はどこにもあります。
映画はそこに働く人の一人を主人公にして人間の死について描いているのではないですか?
葬儀社には機械的無機質に葬儀を執行する人もいることでしょう。
私もJAPAN AIR LINES の作品に惹かれました。この作品でどれだけの人が
当時刺激を受けた事でしょう。早川さんの事田中さんの事昨夜の夕刊に載ってましたね。 ご本人も素敵な方でした。
当時刺激を受けた事でしょう。早川さんの事田中さんの事昨夜の夕刊に載ってましたね。 ご本人も素敵な方でした。
fukuyoka さん、田中一光展も行きます。
「カロン洋裁」がどう化けているかなあ^^。
「カロン洋裁」がどう化けているかなあ^^。
Ciao saheiziさん
こういう作風好きです。
素晴らしいですね。
JALもこういうセンスのある広告を作っていたことがあったのですね。
彼らの世界の美人シリーズのカレンダーはどうも好きになれなくて、、
2/14までなのね。
行ってみます。
こういう作風好きです。
素晴らしいですね。
JALもこういうセンスのある広告を作っていたことがあったのですね。
彼らの世界の美人シリーズのカレンダーはどうも好きになれなくて、、
2/14までなのね。
行ってみます。

うわー!行きたかったな~。
今回の上京は日曜の試験の後じゃないと時間が取れないから、月曜・火曜は休館の美術館が多いこともあって、それにろくに下調べもせずに出かけたから・・・(実はこの1月間というものはさすがにお尻に火がついて、かなりマジで勉強一筋だったもので・・・(*_*; )
火曜日は娘に誘われるまま、ふらふらと六本木の現代美術館へ・・・しかし、ここも休館・・・。
仕方なく六本木ヒルズの森美術館へ・・・。
ものすごくいいお天気だったから、展望台から東京中の景色が見渡せて、得した気分に・・・。
肝心の美術館はって?
可もなく不可もなく、感動もなく・・・でした。
あー、こっちに行けばよかったなぁ~と、残念ですー
(--〆)
東京は美術館が多すぎて、くまなく調査するのは至難の業!
今度は、ちゃんと入念に調査してからいきま~す!
それにしてもsaheiziさん、毎日お忙しそうですこと・・・(^_^;)
今回の上京は日曜の試験の後じゃないと時間が取れないから、月曜・火曜は休館の美術館が多いこともあって、それにろくに下調べもせずに出かけたから・・・(実はこの1月間というものはさすがにお尻に火がついて、かなりマジで勉強一筋だったもので・・・(*_*; )
火曜日は娘に誘われるまま、ふらふらと六本木の現代美術館へ・・・しかし、ここも休館・・・。
仕方なく六本木ヒルズの森美術館へ・・・。
ものすごくいいお天気だったから、展望台から東京中の景色が見渡せて、得した気分に・・・。
肝心の美術館はって?
可もなく不可もなく、感動もなく・・・でした。
あー、こっちに行けばよかったなぁ~と、残念ですー
(--〆)
東京は美術館が多すぎて、くまなく調査するのは至難の業!
今度は、ちゃんと入念に調査してからいきま~す!
それにしてもsaheiziさん、毎日お忙しそうですこと・・・(^_^;)
cocomerita さん、いいでしょう?
他にも好いものが多いですよ。
他にも好いものが多いですよ。
せん さん、毎週何曜日かの夕刊(朝日)に美術館の情報があります。
もっとも私は人に教えていただいたのですが。
ほんとに数が多いから行ったことのない美術館がたくさんあります。
そもそも美術館に行くようになったのはこの数年ですし。
もっとも私は人に教えていただいたのですが。
ほんとに数が多いから行ったことのない美術館がたくさんあります。
そもそも美術館に行くようになったのはこの数年ですし。
by saheizi-inokori
| 2010-01-28 09:57
| こんなところがあったよ
|
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Comments(16)