今年初めての寄席 充実の9時間! 末広亭正月二之席
2010年 01月 19日
m.yamさんのブログで小三治が病気休演(池袋)したとあった上に、先日の国立名人会が今一つ調子が出ていなようにも見えたので、もしかして重い病で今日も休演かと心配しいしい出かけた末広亭、今日は大丈夫と聞いて一安心。
小三治の出は夜席だけど昼席の出演者も素晴らしいし、席を確保するためもあって12時に入った。
すでに一階の椅子席は満員で桟敷席と言われたが膝が痛いと言ったら一番前のパイプ椅子に座らせてくれる。
正月は顔見せ興行だから出演者が多くてまともな噺はあまり聴けない。
その一方で限られた時間でどうやって(はしょって)まとめるかは噺家(色物も)のセンスが問われる。
楽屋落ちのような有名噺家の物まねを含むエピソード(木久扇の先代正蔵など)、小噺、漫談などが多く手っとり早く笑わせて入れ替わる。
南喬が師匠の小南と公演に行った時の思い出噺、うまいもんだと思った。
しん平がくだらない噺をしていて俺と目があって(この位置は噺家が下を切ると俺をみるようになるのだ)
そんな中で雲助の「ざるや」縁起担ぎの旦那に「上」のつく言葉を連発してご祝儀をせしめるざるやの噺が骨法もきちんとしていかにもめでたく快い。
さん喬は末広亭の案内から「替わり目」をちょろっとやって見せたが軽くていい味だ。
この人はいつも四角四面、新派をみるような噺が多いけれどこういうのもいいなあ。
小満んが「高野違い」、前の金馬の十八番、百人一首とか紺屋の噺、利休茶、柿茶、団十郎茶、海老茶があって、海老茶式部(袴の色で女学生を呼んだ)、「すべらかし」とか例によって小満んワールド。
笑い優先、わかりやすい噺ばかりの中で異彩を放った。
「紺屋のあさって、講釈師のあした」って分かりますか。
扇橋が「つる」、これも正月恒例の噺、去年も一昨年も聴いたような気がするが、今年が一番良かった。
一番前、噺家から6メートルくらいのところで斜め右から高座をみあげていると姿のいい噺家にほれぼれする。
黒紋付の羽織にウコンの紐、渋い黄がかって芥子色かな細い縦じまの着物、帯は玉子色?例によってぶるぶる震えているけれど背筋はピンとして紫の座布団に座っている。
むーちょさんでなくとも写真を撮りたくなる。
昼席主任は圓歌、
やれやれ4時間半が過ぎたが殆どのお客が帰らない、二階も満員。
場内を歩いてエコノミック症候の予防とお尻の痛いのをほぐす。
夜席で印象に残ったのは
三之助「初天神」、“なんか買って欲しくなる金坊”の心理に焦点を当てた面白い演出、扇遊「たらちね」、志ん五「鈴が森」、権太楼の2月3日節分手拭い撒きの番宣を兼ねた圓菊と扇橋のエピソード、金馬が、病気自慢の年よりの噺、円蔵「鰻の幇間」、これはもう円蔵じゃなきゃできない自由闊達、イケイケドン、一気呵成のお楽しみだった。
一朝「つぼ算」も楽しかったなあ。
騙されているらしいことに気がついてはいてもどこがおかしいかわからないで焦れにじれる道具屋の主が傑作。
というわけで昼の12時から夜の8時26分、都合40組を超える出演者の末に、やっと御大・小三治の登場。
エスカレーター、左に立って右を歩く人のために開けるのが東京、関西に行くと逆で左をあける。
さて名古屋はどうか?
趣味と道楽は同じことなのに趣味と言うと好いことのように聞こえます、とこれは前にも聴いた枕から釣りの噺に、そして「野ざらし」(2007年6月にも聴いている)。
好かったなあ。
八つあんと先生のやり取りから、ひょうひょうと軽くって、それでいてちょっと芝居がかったような先生のしゃべりがあって、一つひとつのセリフが生きていて、目の前にとぼけた二人とユウテキまでもいるようで。
八つあんが俺もユウテキに逢わんものと釣りに出かけて繰り広げる珍騒動は迷惑をかけられる釣り師たちの
こちらを誘いこんで思わず笑顔にならせる、不思議な、あの“無罪放免の”、あの笑顔が何度も見られた。
体調もいまいちだったのかもしれない。
だからか、力が抜けて、かえってこの噺の味わいが深まった。
噺をオカワが流れてくるところの前で打ち切って、野だいこも出てこないのが俺は良かった。
これで2500円、席亭にお礼をいいたい。
小三治の出は夜席だけど昼席の出演者も素晴らしいし、席を確保するためもあって12時に入った。
すでに一階の椅子席は満員で桟敷席と言われたが膝が痛いと言ったら一番前のパイプ椅子に座らせてくれる。
正月は顔見せ興行だから出演者が多くてまともな噺はあまり聴けない。
その一方で限られた時間でどうやって(はしょって)まとめるかは噺家(色物も)のセンスが問われる。
楽屋落ちのような有名噺家の物まねを含むエピソード(木久扇の先代正蔵など)、小噺、漫談などが多く手っとり早く笑わせて入れ替わる。
南喬が師匠の小南と公演に行った時の思い出噺、うまいもんだと思った。
しん平がくだらない噺をしていて俺と目があって(この位置は噺家が下を切ると俺をみるようになるのだ)
くだらない?と訊くから思わず(笑いながら)頷いたら
重々分かってるよだってさ。
そんな中で雲助の「ざるや」縁起担ぎの旦那に「上」のつく言葉を連発してご祝儀をせしめるざるやの噺が骨法もきちんとしていかにもめでたく快い。
さん喬は末広亭の案内から「替わり目」をちょろっとやって見せたが軽くていい味だ。
この人はいつも四角四面、新派をみるような噺が多いけれどこういうのもいいなあ。
小満んが「高野違い」、前の金馬の十八番、百人一首とか紺屋の噺、利休茶、柿茶、団十郎茶、海老茶があって、海老茶式部(袴の色で女学生を呼んだ)、「すべらかし」とか例によって小満んワールド。
笑い優先、わかりやすい噺ばかりの中で異彩を放った。
「紺屋のあさって、講釈師のあした」って分かりますか。
扇橋が「つる」、これも正月恒例の噺、去年も一昨年も聴いたような気がするが、今年が一番良かった。
一番前、噺家から6メートルくらいのところで斜め右から高座をみあげていると姿のいい噺家にほれぼれする。
黒紋付の羽織にウコンの紐、渋い黄がかって芥子色かな細い縦じまの着物、帯は玉子色?例によってぶるぶる震えているけれど背筋はピンとして紫の座布団に座っている。
むーちょさんでなくとも写真を撮りたくなる。
昼席主任は圓歌、
人を笑わせてる場合じゃねえよ。こっちが笑わせて貰いたいと切り出して、芸歴64年の中の思い出、昭和天皇の前で演った時のことを語り爆笑の渦。
やれやれ4時間半が過ぎたが殆どのお客が帰らない、二階も満員。
場内を歩いてエコノミック症候の予防とお尻の痛いのをほぐす。
夜席で印象に残ったのは
三之助「初天神」、“なんか買って欲しくなる金坊”の心理に焦点を当てた面白い演出、扇遊「たらちね」、志ん五「鈴が森」、権太楼の2月3日節分手拭い撒きの番宣を兼ねた圓菊と扇橋のエピソード、金馬が、病気自慢の年よりの噺、円蔵「鰻の幇間」、これはもう円蔵じゃなきゃできない自由闊達、イケイケドン、一気呵成のお楽しみだった。
一朝「つぼ算」も楽しかったなあ。
騙されているらしいことに気がついてはいてもどこがおかしいかわからないで焦れにじれる道具屋の主が傑作。
というわけで昼の12時から夜の8時26分、都合40組を超える出演者の末に、やっと御大・小三治の登場。
エスカレーター、左に立って右を歩く人のために開けるのが東京、関西に行くと逆で左をあける。
さて名古屋はどうか?
名古屋三越で観たところではどっちつかずであっちに行ったりこっちに来たりしている、と言って、とても嬉しそうに笑った顔が調子のよいときの顔だった。
趣味と道楽は同じことなのに趣味と言うと好いことのように聞こえます、とこれは前にも聴いた枕から釣りの噺に、そして「野ざらし」(2007年6月にも聴いている)。
好かったなあ。
八つあんと先生のやり取りから、ひょうひょうと軽くって、それでいてちょっと芝居がかったような先生のしゃべりがあって、一つひとつのセリフが生きていて、目の前にとぼけた二人とユウテキまでもいるようで。
八つあんが俺もユウテキに逢わんものと釣りに出かけて繰り広げる珍騒動は迷惑をかけられる釣り師たちの
駄目だあ、こらア、今日はもう釣れませんよ。しょうがねえや、もう。の言葉通り抱腹絶倒、末広亭が笑いで揺れた。
見ていきましょう、面白いから
こちらを誘いこんで思わず笑顔にならせる、不思議な、あの“無罪放免の”、あの笑顔が何度も見られた。
体調もいまいちだったのかもしれない。
だからか、力が抜けて、かえってこの噺の味わいが深まった。
噺をオカワが流れてくるところの前で打ち切って、野だいこも出てこないのが俺は良かった。
これで2500円、席亭にお礼をいいたい。
楽しさがビンビンと伝わってくるレポートだこと。100円くらい払わにゃいけんだろうかな。
サンチは留守番かい?
サンチは留守番かい?
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c-khan7 at 2010-01-19 19:12
お尻、大丈夫ですか?9時間耐久落語レースですね。
さぞ、お疲れになった事と思います。
さぞ、お疲れになった事と思います。
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saheizi-inokori at 2010-01-19 19:35
めい犬ウメ さん、カフエはサンチOKが多いのですがねえ、、。
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saheizi-inokori at 2010-01-19 19:37
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松風村雨
at 2010-01-19 20:06
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初めまして。
落語に行き始めたばかりの者です。
こちらで、小満んさんのことを知り、「べけんや」を読み、
昨日18日(月)夜、横浜は関内小ホールでの
「横浜:柳家小満んの会」へ行って参りました。
独特の上品さ、枕から本題への移行(?)が私好みです。
「蚫のし」、「高野違い」、「清正公酒屋」でした。
白金台で仕事をしていますので、清正公の銅像を見に行ってみます。
有り難うございました。
追伸:能は、Saheiji-Inokori 様より早くから見ているかもしれません。
落語に行き始めたばかりの者です。
こちらで、小満んさんのことを知り、「べけんや」を読み、
昨日18日(月)夜、横浜は関内小ホールでの
「横浜:柳家小満んの会」へ行って参りました。
独特の上品さ、枕から本題への移行(?)が私好みです。
「蚫のし」、「高野違い」、「清正公酒屋」でした。
白金台で仕事をしていますので、清正公の銅像を見に行ってみます。
有り難うございました。
追伸:能は、Saheiji-Inokori 様より早くから見ているかもしれません。
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saheizi-inokori at 2010-01-19 20:12
松風村雨さん、いらっしゃいませ。
小満んがお好きとは嬉しいです。
私は二三年前に誰かの代演で「目黒のさんま」を聴いて以来、独特の話しっぷりが好きになりました。
爆笑、ってことではないけれどしみじみ楽しめます。
能は(落語だって)ほんの駆け出し、どうかいろいろ教えてください。
小満んがお好きとは嬉しいです。
私は二三年前に誰かの代演で「目黒のさんま」を聴いて以来、独特の話しっぷりが好きになりました。
爆笑、ってことではないけれどしみじみ楽しめます。
能は(落語だって)ほんの駆け出し、どうかいろいろ教えてください。
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maru
at 2010-01-19 20:47
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こりゃ、いくらデフレとはいえ安すぎますね(笑)「しばらくお休みされたら」という前言撤回します。私も行きたかった。
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saheizi-inokori at 2010-01-19 22:24
maru さん、明日もやってますよ。私は行ってみるつもり^^。
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maru
at 2010-01-19 23:45
x
あいたた、明日から京都、岡山と二泊の出張なのです。トホホ…
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saheizi-inokori at 2010-01-20 08:30
maru また夏になると末広亭と池袋、鈴本もやったかなあ。
こういうのは隠居の特権です^^。
こういうのは隠居の特権です^^。
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せん
at 2010-01-20 21:48
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やっぱり、小三治行かれたのですね~。
それにしても昼夜通しとは、スゴイ!!
満喫されたはずでしょうに、また明日も行かれるのですって!?
まさに落語三昧、能にオペラに読書にサンチとの散歩にと、心を喜ばす趣味三昧の生活。
羨ましいな~っ。
でも、心を楽しませるのも体力勝負!
くれぐれも、ご自愛くださいませ。
それにしても昼夜通しとは、スゴイ!!
満喫されたはずでしょうに、また明日も行かれるのですって!?
まさに落語三昧、能にオペラに読書にサンチとの散歩にと、心を喜ばす趣味三昧の生活。
羨ましいな~っ。
でも、心を楽しませるのも体力勝負!
くれぐれも、ご自愛くださいませ。
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saheizi-inokori at 2010-01-20 23:22
by saheizi-inokori
| 2010-01-19 14:55
| 落語・寄席
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