泣ける落語って? 第499回「落語研究会」
2010年 01月 13日
前回の落語研究会のあとの反省会で何樫さんが
荻生徂徠が無名で極貧時代に義侠心のある豆腐屋に毎日オカラを“出世払い”で食べさせてもらいながら学問に励む。
徂徠が世に出て、逆に火事で焼けてしまった豆腐屋に恩返しをする人情噺、志の輔のは聴いたことがない。
何樫さんはどこで泣いたのかな。
俺は前の金馬の「藪入り」、これはテープで時々聴くが泣きそうになることがある。
年に二日しか帰宅しない子供の帰るのを待ちかねてあれを食べさせよう、あそこに連れて行こう、と夜っぴて歓待計画を練る親父が、いよいよ帰った息子が立派に挨拶をするのに顔をあげることもできず、
そんな話をしていたのが旧臘。
そうしたら今日は志ん輔が「子別れ」をやるという。
さて、泣くか?
酒と女で離婚して吉原の女郎と暮らした熊さんが目覚めて酒を断ち立派な大工になったところで別れた金坊に道端で出っくわす。
訊けばおっかあは今でも熊のことを悪くは思っていない。
針仕事で健気に金坊を育てているけれど、そこはそれ近所のバカ息子と喧嘩して傷こさえて帰ってもその子が仕事をくれる家のバカ息子と聞くと「金ちゃん、我慢しとくれ」と言い、鉛筆はちびて手の中で踊ってしまうようなのを使い続けている。
ここらへんで客席のあちこちで鼻ァすする音がする。
俺が遊三で泣いたのは、そこではなくて翌日夫婦が鰻屋で再会してハッピーエンドになるときのドタバタで笑いながら目に汗ェかいたのだ。
志ん輔、大熱演、もう少しで、、目に汗が出そうになったが、結局出なかった。
身構えていちゃ出るもんも出ないか。
そういうと私もそうだ、という人がいるが、俺は悲しい真っ盛りのときは泣かない。
そういう苦しみを乗り越えてハッピーになった時に泣いちゃう。
「ライパチくん」という漫画をご存じだろうか、ああいうスポーツ漫画などでヘタっくそが頑張ってファインプレーをするようなところでユルンデしまう。
”健気”ってのに弱い。

「子別れ」の中で熊は一人で暮らしていて饅頭やで湯気(けむ)をあげている饅頭をみると
このセリフ、わかる?
先日紹介した柳家小満んの「江戸東京落語散歩」に出てました。
清正は徳川に毒饅頭食わされて死んだという俗説があるン。
手を開かないから糸が直ぐ抜ける、と叱られて思わず手を開いて転げ落ちる50銭玉。
それがきっかけで外で熊にあったことを妻は知る。
母と向かい合ってする糸巻きのつくる空間のことが分からなくなるとこの噺の味わいは薄れるなあ。
銭を握ったコブシが幼く小さいことも思い浮かべるから翌日の鰻屋の大団円が泣けるのかもしれない。

(今年初めて半蔵門のソバ屋で)
他に
弥助「駒長」
王楽「兵庫舟」
どちらも珍しい噺。
喬太郎「竹の水仙」
喬太郎は今や人気№ワンだってね、たしかに笑わせることは笑わせる。
泣かせはしない。
菊之丞「愛宕山」
志の輔の「荻生徂徠」で泣いたとおっしゃった。
荻生徂徠が無名で極貧時代に義侠心のある豆腐屋に毎日オカラを“出世払い”で食べさせてもらいながら学問に励む。
徂徠が世に出て、逆に火事で焼けてしまった豆腐屋に恩返しをする人情噺、志の輔のは聴いたことがない。
何樫さんはどこで泣いたのかな。
俺は前の金馬の「藪入り」、これはテープで時々聴くが泣きそうになることがある。
年に二日しか帰宅しない子供の帰るのを待ちかねてあれを食べさせよう、あそこに連れて行こう、と夜っぴて歓待計画を練る親父が、いよいよ帰った息子が立派に挨拶をするのに顔をあげることもできず、
おっかあ、どうだ、大きくなったか?見てくれというところでズンとくるのだ。他には遊三の「子別れ」で泣いたことがある。
そんな話をしていたのが旧臘。
そうしたら今日は志ん輔が「子別れ」をやるという。
さて、泣くか?
酒と女で離婚して吉原の女郎と暮らした熊さんが目覚めて酒を断ち立派な大工になったところで別れた金坊に道端で出っくわす。
訊けばおっかあは今でも熊のことを悪くは思っていない。
針仕事で健気に金坊を育てているけれど、そこはそれ近所のバカ息子と喧嘩して傷こさえて帰ってもその子が仕事をくれる家のバカ息子と聞くと「金ちゃん、我慢しとくれ」と言い、鉛筆はちびて手の中で踊ってしまうようなのを使い続けている。
ここらへんで客席のあちこちで鼻ァすする音がする。
俺が遊三で泣いたのは、そこではなくて翌日夫婦が鰻屋で再会してハッピーエンドになるときのドタバタで笑いながら目に汗ェかいたのだ。
志ん輔、大熱演、もう少しで、、目に汗が出そうになったが、結局出なかった。
身構えていちゃ出るもんも出ないか。
そういうと私もそうだ、という人がいるが、俺は悲しい真っ盛りのときは泣かない。
そういう苦しみを乗り越えてハッピーになった時に泣いちゃう。
ああ、よかったなあ、これでよかったよかったみたいなところ、映画でもそうだな。
「ライパチくん」という漫画をご存じだろうか、ああいうスポーツ漫画などでヘタっくそが頑張ってファインプレーをするようなところでユルンデしまう。
”健気”ってのに弱い。

ああ、そうだ、金坊がこの饅頭が好きだったァ。ええ?買って帰(けえ)ったら、それァ喜ぶだろうなァ。もしうちにいたら、、、、「おうっ、ほら金坊、饅頭だよ」って出してやったら、どんなつらするだろうなァと思ったら、、思わず知らずフーッと涙が出てきちゃってねェ、、饅頭屋の親爺はそれをみて
饅頭みて泣いてる、清正公(セイショコ)様の身内か?という。
このセリフ、わかる?
先日紹介した柳家小満んの「江戸東京落語散歩」に出てました。
清正は徳川に毒饅頭食わされて死んだという俗説があるン。
饅頭の供物はよしな大神儀金坊が熊さんからおっかあに云っちゃだめだよと貰った50銭、手ん中に握って糸巻きの手伝いをする。
清正はあんにたがわず落命し
手を開かないから糸が直ぐ抜ける、と叱られて思わず手を開いて転げ落ちる50銭玉。
それがきっかけで外で熊にあったことを妻は知る。
母と向かい合ってする糸巻きのつくる空間のことが分からなくなるとこの噺の味わいは薄れるなあ。
銭を握ったコブシが幼く小さいことも思い浮かべるから翌日の鰻屋の大団円が泣けるのかもしれない。

他に
弥助「駒長」
王楽「兵庫舟」
どちらも珍しい噺。
喬太郎「竹の水仙」
喬太郎は今や人気№ワンだってね、たしかに笑わせることは笑わせる。
泣かせはしない。
菊之丞「愛宕山」
ライパチくん,懐かしいなあ。
違う作者の「キャプテン」も好きでした。
違う作者の「キャプテン」も好きでした。
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くっ、なんつんだろ、レビューで泣いてちゃ世話ねぇや、、グスン
gakis-roomさん、巨人の星よりも好きでした。
HOOPさん、琴線に触れましたでしょうか?^^。
sweetmitsukiさん、そうそう長屋の衆がバカやっているのを聴いて想像をたくましくしているとふと涙ぐんでしまう。
いとしくなるのかな。
いとしくなるのかな。
きとら さん、この金馬の画像を今の若い人はどう感じるのでしょうね。(人さまざまではあるでしょうが)
単身赴任のわが子、故郷を離れて勉強する子ども、と重ねてイメージするにはあまりに切ない。
単身赴任のわが子、故郷を離れて勉強する子ども、と重ねてイメージするにはあまりに切ない。

「御宿かわせみ」で谷中経王寺(本行寺の隣の寺)の境内にある茶店の仲居が子供が小さい時に上方に奉公に出した。その子が偉くなって江戸に使いに来るが仲居は私のようなものが親ではと姿を隠す話もあります。
散歩好きさん、経王寺に茶店があったのですか。
それも泣かせる噺ですねえ。
それも泣かせる噺ですねえ。
by saheizi-inokori
| 2010-01-13 12:06
| 落語・寄席
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