去年とはちょっと違う国立名人会 名人が疲れたか、俺が疲れたか
2010年 01月 08日
去年予約チケット取る時から一騒動、先行予約は携帯と家庭電話の子機を二丁拳銃のようにして掛けまくったけどつながらず、小一時間も経ってつながった時は完売。
翌日の一般予約で、今度はネットで(先輩の助言あり)、事前に練習までしたら取れた、なんだか”生きていてよかった感”のある喜び!
変わり映えのしない年末年始を耐えて生きぬいたのは今日のこの日あるを待つ気持ちに支えられてのことであった。
去年の名人会のことなど思い出して小さな胸を膨らませていた。
太神楽曲芸協会による寿獅子から始まるのも去年と同じ。
後ろの長押の額には赤富士とナスをぶら下げた鷹がべたっと描かれている。
鯉昇がいつものように放心状態の間を見せてから、暮れにも聴いた奥様がインフルエンザになってタミフルを打った噺。
夜遅く帰宅したら三つ指ついて出迎えて家ん中はかたずいていて風呂が沸いてて好きな肴で酒の用意がしてある。
なるほど異常状態になるんだな、と。
噺は「粗忽の釘」、隣の家の行くのは省略して最初から隣の家に行って「生きてるかい?」はァ、おかげさまで、「じゃ、さいなら」、いかにもこれが鯉昇の笑いの“間”だな、とその先どんな展開があるのかと楽しみにしたら直ぐに終わってしまう。
正月だからなあ、10分もやらない。
世津子、せっかく正月らしい着物で出て明るい手品をやるけれど、なんだか今一つ会場は盛り上がらない。
最後は「松尽くし」って松を描いた扇子をいくつも持って曲芸みたいなことをやったけれどなあ。
努力賞。
伴奏の歌がとてもきれいな声でほれぼれした。
雲助「子ほめ」
ゆったりしたテンポで彼らしいやりとりなんだけど、、。
牧伸二
76歳でもこんなに元気でやってるよ、というのはいいが、どうもマンネリ、マンネリ自体は必ずしも悪いことだとは思わないが、ネタが品がない。
正月、聴衆のことなども考えてもう少し腹の底から笑えるようなネタでやって欲しい。
出来るはずだよ、おとっつあん。
(最後に小三治たちが会場に投げた手ぬぐい、去年も取った)
扇橋「かつぎや」
彼の高座でしっちゃかめっちゃかになったことがあって観衆が怒ったから今高座には出られないのだ、という噂を聴いて悲憤慷慨していた。
独演会ならともかく寄席っていろいろあるから面白いんじゃないか。
昔志ん生が酔っぱらって出て寝てしまったのを「そのまま寝かせておけ」と聴衆が云ったという。
しっちゃかめっちゃかの扇橋だって本人が楽しそうにやってるならいいじゃないか。
談志のはみている方が苦しくなってしまったけれど。
それで、息をつめるようにして聞いていたが、気のせいか師匠は借りてきた猫みたいに「私は短い時間おしゃべりをして失礼する」といって頭ん中に作っといたワクを外さないように外さないようにして、それでも春の七草の云い立てをにどもやったりする。
ほんとは縁起担ぎの噺をいろいろやるのをこれでおしまい。
やっぱり好きだなあ、扇橋師匠、体ァ大事にどんどん寄席に出て欲しいよ。
澤孝子・浪曲「竹の水仙」
左甚五郎の噺、落語でもやる。
これまた10分もやらないで終わり。
(帰りに食べた「あられあんかけ蕎麦」、風邪気味だったから温かくて嬉しかった。ただ、昼飯の時間がなくなってコンビニのお握り一つ食っただけだったし、そば一杯は今朝お腹がすいた)
小柳枝「搗き屋幸兵衛」
左足の靭帯を痛めたとかで椅子に座って釈台を前にしての一席。
まるで悪口の相手が好きで好きでしょうがないように奇想天外な悪口雑言が小気味よく出てくる。
俺なんか、こんなことォ云われたら嬉しくなって、もっともっと!って”ぶって王子”(あの方どうしてるんでしょうね)になっちゃう。
「蓮の台で添い遂げよう」なんて蛙みてえなことを云って、心中するのに「なんまいだぶ」なら似合うが「悪しきを清めたまえ」の天理教では死ぬ気がなくなっちゃうってのは良くやるギャグだが女の方がイスラム教シーア派だってのは初めて聞いた。
渋いけどいかにも江戸落語、今年はもっと追いかけよう。
久しぶりの正楽。
「羽つき」「トラ」「鏡獅子」「道成寺」「チャップリン」と、こちらは品のある芸もあるいい感じのマンネリ。
最後に「トラの子」という注文。
どうするかとみていると「トラの子を膝に抱いて大事にしている人に、それは私の子ですよ、というトラ」の絵。
鮮やか!
(今年の初詣、近所のお稲荷さん、逆光でうまく映らない)
おマットさん、小三治。
もう出てくるだけでいいもんね。
枕が松飾りの噺、ピリッとしたとこなんかなくてもいいもんね。
小三治師匠の日常が垣間見えるだけでシヤヤヤセだもんね。
「初天神」、そんなに好きな噺じゃなくてもいいもんね。
「アレカッテコレカッテッテ」何べんも言ってちょっと噛んでもいいもんね。
師匠の噛むのってめったにみらんないし。
でもでも、、あまりに早く終わっちゃうのだけは、つまんな~い!
翌日の一般予約で、今度はネットで(先輩の助言あり)、事前に練習までしたら取れた、なんだか”生きていてよかった感”のある喜び!
変わり映えのしない年末年始を耐えて生きぬいたのは今日のこの日あるを待つ気持ちに支えられてのことであった。
去年の名人会のことなど思い出して小さな胸を膨らませていた。
太神楽曲芸協会による寿獅子から始まるのも去年と同じ。
後ろの長押の額には赤富士とナスをぶら下げた鷹がべたっと描かれている。
鯉昇がいつものように放心状態の間を見せてから、暮れにも聴いた奥様がインフルエンザになってタミフルを打った噺。
夜遅く帰宅したら三つ指ついて出迎えて家ん中はかたずいていて風呂が沸いてて好きな肴で酒の用意がしてある。
なるほど異常状態になるんだな、と。
噺は「粗忽の釘」、隣の家の行くのは省略して最初から隣の家に行って「生きてるかい?」はァ、おかげさまで、「じゃ、さいなら」、いかにもこれが鯉昇の笑いの“間”だな、とその先どんな展開があるのかと楽しみにしたら直ぐに終わってしまう。
正月だからなあ、10分もやらない。
世津子、せっかく正月らしい着物で出て明るい手品をやるけれど、なんだか今一つ会場は盛り上がらない。
最後は「松尽くし」って松を描いた扇子をいくつも持って曲芸みたいなことをやったけれどなあ。
努力賞。
伴奏の歌がとてもきれいな声でほれぼれした。
雲助「子ほめ」
ゆったりしたテンポで彼らしいやりとりなんだけど、、。
牧伸二
76歳でもこんなに元気でやってるよ、というのはいいが、どうもマンネリ、マンネリ自体は必ずしも悪いことだとは思わないが、ネタが品がない。
正月、聴衆のことなども考えてもう少し腹の底から笑えるようなネタでやって欲しい。
出来るはずだよ、おとっつあん。
扇橋「かつぎや」
彼の高座でしっちゃかめっちゃかになったことがあって観衆が怒ったから今高座には出られないのだ、という噂を聴いて悲憤慷慨していた。
独演会ならともかく寄席っていろいろあるから面白いんじゃないか。
昔志ん生が酔っぱらって出て寝てしまったのを「そのまま寝かせておけ」と聴衆が云ったという。
しっちゃかめっちゃかの扇橋だって本人が楽しそうにやってるならいいじゃないか。
談志のはみている方が苦しくなってしまったけれど。
それで、息をつめるようにして聞いていたが、気のせいか師匠は借りてきた猫みたいに「私は短い時間おしゃべりをして失礼する」といって頭ん中に作っといたワクを外さないように外さないようにして、それでも春の七草の云い立てをにどもやったりする。
旦那様は大黒様のようで、お嬢様は弁天様のようだ。
まるでこの家は七福神だ。
大黒と弁天では二神しかいないじゃないか
いえいえ、こちらが呉服屋ですから
ほんとは縁起担ぎの噺をいろいろやるのをこれでおしまい。
これで笑う人もいるんです。とぼけた顔でそう言って頭を下げて立って行った。
私は面白くないけれど
やっぱり好きだなあ、扇橋師匠、体ァ大事にどんどん寄席に出て欲しいよ。
澤孝子・浪曲「竹の水仙」
左甚五郎の噺、落語でもやる。
これまた10分もやらないで終わり。
小柳枝「搗き屋幸兵衛」
左足の靭帯を痛めたとかで椅子に座って釈台を前にしての一席。
すっぱらぎっチョ!落語で楽しいのは罵詈雑言の豊かなことだ。
土手っパラ蹴破ってトンネルこさえて汽車ァたたっこむ
まるで悪口の相手が好きで好きでしょうがないように奇想天外な悪口雑言が小気味よく出てくる。
俺なんか、こんなことォ云われたら嬉しくなって、もっともっと!って”ぶって王子”(あの方どうしてるんでしょうね)になっちゃう。
「蓮の台で添い遂げよう」なんて蛙みてえなことを云って、心中するのに「なんまいだぶ」なら似合うが「悪しきを清めたまえ」の天理教では死ぬ気がなくなっちゃうってのは良くやるギャグだが女の方がイスラム教シーア派だってのは初めて聞いた。
渋いけどいかにも江戸落語、今年はもっと追いかけよう。
久しぶりの正楽。
「羽つき」「トラ」「鏡獅子」「道成寺」「チャップリン」と、こちらは品のある芸もあるいい感じのマンネリ。
最後に「トラの子」という注文。
どうするかとみていると「トラの子を膝に抱いて大事にしている人に、それは私の子ですよ、というトラ」の絵。
鮮やか!
おマットさん、小三治。
もう出てくるだけでいいもんね。
枕が松飾りの噺、ピリッとしたとこなんかなくてもいいもんね。
小三治師匠の日常が垣間見えるだけでシヤヤヤセだもんね。
「初天神」、そんなに好きな噺じゃなくてもいいもんね。
「アレカッテコレカッテッテ」何べんも言ってちょっと噛んでもいいもんね。
師匠の噛むのってめったにみらんないし。
でもでも、、あまりに早く終わっちゃうのだけは、つまんな~い!
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HOOP at 2010-01-08 11:47
どうしたんでしょう?
やはり、盛り沢山過ぎて持ち時間が限られたから?
それとも、期待が大き過ぎたのでしょうか。
やはり、盛り沢山過ぎて持ち時間が限られたから?
それとも、期待が大き過ぎたのでしょうか。
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saheizi-inokori at 2010-01-08 17:16
HOOPさん、両方でしょうね。私の気持ちにも問題があったかな。
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c-khan7 at 2010-01-08 19:13
初天神、最後は凧上げまで、いきましたか?
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saheizi-inokori at 2010-01-08 21:44
c-khan7さん、とてもそこまでは飴玉やを省略して団子やで終わりですもの。
ただ金坊が親の真似して蜜の甕に団子を入れようって、あまり聴かないところで〆ました。
ただ金坊が親の真似して蜜の甕に団子を入れようって、あまり聴かないところで〆ました。
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旭のキューです。
at 2010-01-09 10:03
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ネットで予約、良かったですね。いい正月だったと思います。それと、変わり映えしない年末年始を耐えて生き抜いて・・・が非常に笑えました。(*^。^*)
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saheizi-inokori at 2010-01-09 10:27
旭のキューです。さん、マジ、生きがいですよ、今や。
by saheizi-inokori
| 2010-01-08 10:47
| 落語・寄席
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Comments(6)