さすがに見ごたえがある 「TOKYO 京劇 フェスティバル 2009」
2009年 09月 30日
役人は庶民のものをただでもらってはいけない。一文だって!地方都市の下級役人が都の長官に抜擢されて、なじみの酒屋がお祝いに持ってきた酒樽を断る。
科挙では首席合格の秀才だが、容姿が醜いというので地方に飛ばされて9年、清廉潔白に頑張ってきた。
その地では名声が高い、それが報われたと大喜び。
主役の徐九経を演じるのは湖北省京劇院院長を勤める名道化役者・朱世彗、1980年の初演以来、600回も上演している「徐九経昇官記」(湖北省京劇院)だ。
徐の抜擢には裏があって、天子の叔父・並肩王が徐を引っ張り上げたのだ。
王の義弟と武勲輝く元帥の息子が一人の女を、俺の妻だと訴訟合戦。
元帥に地方に飛ばされた徐は味方になるだろうと、裁判所の長官にしたというわけ。
有力者の板挟みになって正義を貫こうとする徐。
四肢の長さはバラバラ、短駆、肩はかしがって、顔はヒョウゲて、酒が大好き(でも公正な裁判をするために禁酒を誓う)、どうみても頼りない男が忠義なおつきと知恵で難問を乗り切っていく。
官吏は辛いよ 官吏は苦労する途中で唄う。
徐九経はいじめられ官吏 ふがいない官吏、、、
昇級?罷免?清潔?汚職?
ちょっと霞が関を思い出したよ。
あすこにゃ、こんな立派な官吏はいないかな。
オメデタのようだ)
18世紀、乾隆帝の頃に地方に行われていた芝居、昆曲、語り物芸などを吸収洗練させて生まれたという京劇、もうひとつ観たのは、「水滸伝 三打祝家荘」(中国国家京劇院)。
毛沢東の「敵を知り、知恵をもって戦うべきだ」という指示に沿って、指揮官の学習のために1945年に作られた作品。
美しい衣装と独特の化粧、オリンピックの床体操を彷彿させるダイナミックな動き、とくに武器を扱う戦闘場面は息をのむ。
寄席の曲芸を集団で猛スピードでやっているようだ。
鍛え抜かれた身体、しかし、筋肉モリモリではなくて鞭がしなうようなやさしい動きだ。
気をつけて観ていないと当たり前の動作のようだが俺がやったら股が裂ける、骨が折れる。
唄やセリフの部分は役柄によっていくつかの唄い方があるようだ。
最初は女性のセリフと唄にやや違和感を感じたが(ちょっと思いがけなくて滑稽な感じがする)、劇の進行に感情移入していくうちに、それは消え、むしろ美しいものとして聴けるようになった。
とくに朱と水滸伝の主役・趙永偉の唄とセリフは快かった。
そうそう、セリフの掛け合いのリズムとかメロデイアスな発音は意味は分からなくともいい気持ちで聴いていた。
音楽、銅鑼やシンバル、太鼓、琵琶に胡弓、ラッパも鳴って賑やか一方と思っていたが、聴きなれると表情豊かだ。
あと、もう一つ観る予定、楽しみだ。
それにしても中国のこれからが分からない。
中華人民共和国建国60周年記念
日中文化協定締結30周年事業
9月26日~10月5日
東京芸術劇場 中ホール
Tracked
from 好都合な虚構
at 2009-10-01 14:45
タイトル : 失言は正直
cocomeritaさんのところでチラッとコメントした話題です。 ベルルスコーニ首相は「『よろしくお伝えください』という伝言を誰からか頼まれたなぁ。ああ、あの日焼けした人! そう、オバマだ!」と述べた。 問題発言があったのは、ミラノで27日に行われた与党・自由国民党大会の演説。 さらに、ベルルスコーニ首相は、ファーストレディーのミシェル夫人に対しても、「彼の妻も日焼けしているから、2人でビーチに行ったに違いない」と発言した。 アメリカ・ピッツバーグで開かれた金融サミットの夕食会の...... more
cocomeritaさんのところでチラッとコメントした話題です。 ベルルスコーニ首相は「『よろしくお伝えください』という伝言を誰からか頼まれたなぁ。ああ、あの日焼けした人! そう、オバマだ!」と述べた。 問題発言があったのは、ミラノで27日に行われた与党・自由国民党大会の演説。 さらに、ベルルスコーニ首相は、ファーストレディーのミシェル夫人に対しても、「彼の妻も日焼けしているから、2人でビーチに行ったに違いない」と発言した。 アメリカ・ピッツバーグで開かれた金融サミットの夕食会の...... more
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c-khan7 at 2009-10-01 00:25
京劇のあとは、中華料理じゃなくて、お蕎麦でしたか。美味しそう。
以前、剣舞を観た事ありますが、中国舞踊の身体のしなやかさは男女問わず、ビックリですね。
以前、剣舞を観た事ありますが、中国舞踊の身体のしなやかさは男女問わず、ビックリですね。
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saheizi-inokori at 2009-10-01 09:17
c-khan7さん、そうなんですね。中国の人は中華料理を食べながら京劇を観た(聴いた)時代もあるそうです。
イタリア料理にイタリア歌劇、日本人は(私はか?)中華もイタリアンも好きですが、それなら能のあとの方がいい。
とても両方は重たく感じます。
イタリア料理にイタリア歌劇、日本人は(私はか?)中華もイタリアンも好きですが、それなら能のあとの方がいい。
とても両方は重たく感じます。
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haruneko3 at 2009-10-01 19:23
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たま
at 2009-10-01 21:35
x
3枚目の画像は、外来の園芸品種、「ダチュラ」又は「ダズラ」(※商品名は、たしか、その花柄の形態から、「トランペット・フラワー」あるいは「エンジェル・トランペット」)の紅花でしょうか。
我が家のお向いさんの庭にたいそう大ぶりな、その株(白花)があり、毎年今頃の季節に、夜な夜な(※夜に開花する)、酔客(自分?)に実に怪しげな芳香を振り撒きます。
その昔には、その原種が「西洋ナス」とも称され、長崎の出島辺りでは、薬草として随分と珍重されたとか・・・?
優れた薬草の習いとして、その樹液は有毒にて、うっかり眼にでも入れると、最悪の場合には失明のおそれもあるかと・・・。ご注意あそばせ。
我が家のお向いさんの庭にたいそう大ぶりな、その株(白花)があり、毎年今頃の季節に、夜な夜な(※夜に開花する)、酔客(自分?)に実に怪しげな芳香を振り撒きます。
その昔には、その原種が「西洋ナス」とも称され、長崎の出島辺りでは、薬草として随分と珍重されたとか・・・?
優れた薬草の習いとして、その樹液は有毒にて、うっかり眼にでも入れると、最悪の場合には失明のおそれもあるかと・・・。ご注意あそばせ。
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sweetmitsuki at 2009-10-01 21:47
真ん中が白で、赤く縁取ったメークが、容姿が醜いという表現ですか。
そしてかしがった肩、当然この姿勢ですべての演技をこなすのでしょう。
文化の違いを感じさせられました。
それにしてもこれからの中国、どうなるのでしょうね。
そしてかしがった肩、当然この姿勢ですべての演技をこなすのでしょう。
文化の違いを感じさせられました。
それにしてもこれからの中国、どうなるのでしょうね。
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saheizi-inokori at 2009-10-01 21:58
haruneko3さん、中国政府が国をちゃんと統治できるか、それが怖いと思います。国民のレベルが上がれば上がるほど難しくなるかもしれない。
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saheizi-inokori at 2009-10-01 22:00
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saheizi-inokori at 2009-10-01 22:02
by saheizi-inokori
| 2009-09-30 23:05
| 能・芝居
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Comments(8)