想像力の使い方を誤るな トム・ロブ・スミス「グラーグ57」(上下)
2009年 09月 27日
「チャイルド44」の続編、しかし、これだけ読んでもなんの支障もない。
主人公・レオはスターリン体制下で国家安全保安省の捜査官として罪なき人々を拷問し自白させ収容所に送り続けた。

そのレオが生まれ変わろうとして凄絶な闘いに追い込まれていく。
レオの追跡で殺された夫婦の遺児姉妹を養女にするが、その姉は深夜寝ているレオの喉に密かにナイフを擬する。
フルシチョフのスターリン批判演説書、そこには無実の市民を密告・偽証した者、逮捕し拷問し収容所に送る仕事に従事した者たちのリストが載っている。
極秘のはずの、その書類が何者かによって彼らに送りつけられる。
ある者はもろくも家族(父であり夫である男がおぞましい殺人者であることを何も知らなかった)を道連れに自殺し、ある者は何者かによって殺される。
スターリンの写真が飾られている学校でその書類が読み上げられる。

(「鴻池朋子展・インタートラベラー神話と遊ぶ人」のロビーで。
人々の上半身は想像力という羽根を与えられて地球の深度6400キロに向けて旅立っている)
復讐と贖罪の物語だ。
すさまじい・おぞましい復讐の物語。
想像力の限りを尽くして相手がより深く傷ついて復讐の実があがるかを考える。
人間がどこまで誠実に贖罪出来るかの物語。

(オペラシテイ)
理屈はともかく、手に汗握るアクション、極寒の収容所にいたと思うとハンガリー動乱のまっただ中にいるのだ。
一筋縄の復讐物語ではなくてドンデン返しの連続も面白い。
国家とは恐ろしい。
それにも負けない個人は美しい。

(鴻池さんのタクラミで地球そのものになった自分の心の中を覗いて遊んだ俺、極上のミステリに酔い、サンマをひとりつつく)
田口俊樹 訳
新潮文庫
主人公・レオはスターリン体制下で国家安全保安省の捜査官として罪なき人々を拷問し自白させ収容所に送り続けた。
一定のレベルの恐怖を持続するためには、常に民衆に恐怖そのものが供給されなければならない。恐怖が革命を守るのだ。

そのレオが生まれ変わろうとして凄絶な闘いに追い込まれていく。
レオの追跡で殺された夫婦の遺児姉妹を養女にするが、その姉は深夜寝ているレオの喉に密かにナイフを擬する。
フルシチョフのスターリン批判演説書、そこには無実の市民を密告・偽証した者、逮捕し拷問し収容所に送る仕事に従事した者たちのリストが載っている。
極秘のはずの、その書類が何者かによって彼らに送りつけられる。
ある者はもろくも家族(父であり夫である男がおぞましい殺人者であることを何も知らなかった)を道連れに自殺し、ある者は何者かによって殺される。
スターリンの写真が飾られている学校でその書類が読み上げられる。

人々の上半身は想像力という羽根を与えられて地球の深度6400キロに向けて旅立っている)
復讐と贖罪の物語だ。
すさまじい・おぞましい復讐の物語。
想像力の限りを尽くして相手がより深く傷ついて復讐の実があがるかを考える。
人間がどこまで誠実に贖罪出来るかの物語。

理屈はともかく、手に汗握るアクション、極寒の収容所にいたと思うとハンガリー動乱のまっただ中にいるのだ。
一筋縄の復讐物語ではなくてドンデン返しの連続も面白い。
国家とは恐ろしい。
それにも負けない個人は美しい。

田口俊樹 訳
新潮文庫
国家に立ち向かう個人も美しいが、秋刀魚のキラキラも美しく、美味しい。
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c-khan7さん、このほか厚揚げの焼いたの、たこぶつ、みんなうまかったなあ。
今年はカツオが不作でしたがサンマの当たり年のようですね。
ほぼ毎日、刺身と塩焼きを楽しんでます。
ほぼ毎日、刺身と塩焼きを楽しんでます。
convenientFさん、新鮮な秋刀魚を醤油で炊いたのもいいですよ。生姜と梅も少し入れて。
>生姜と梅も少し入れて。
そうだ!
私の育った土地では大羽(イワシ)が肥料にするほど獲れたので(今は?)、生姜と梅を使って炊いたのも毎日のように食べていました。
煮方はオフクロにきちんと教わっているのにサンマに適用するのを忘れていました。
ありがとうございます。
そうだ!
私の育った土地では大羽(イワシ)が肥料にするほど獲れたので(今は?)、生姜と梅を使って炊いたのも毎日のように食べていました。
煮方はオフクロにきちんと教わっているのにサンマに適用するのを忘れていました。
ありがとうございます。
静かないい作品ですね。本当は恐ろしいのに、、、より以上に人を表現していますね。想像力をかきたてられます。
junko さん、これは近所の居酒屋ですよ。
初めて入りました。私は居酒屋では店の人としゃべりたい。
なのにここはテーブルで一人、スタッフは中東系でなんにも話してくれない。
でも秋刀魚がうまかったから、、でも又行くかどうかは?
初めて入りました。私は居酒屋では店の人としゃべりたい。
なのにここはテーブルで一人、スタッフは中東系でなんにも話してくれない。
でも秋刀魚がうまかったから、、でも又行くかどうかは?
fukuyokaさん、省略することは読み手の想像力に対する信頼が必要なのですね。
度胸も。
度胸も。
by saheizi-inokori
| 2009-09-27 22:23
| 今週の1冊、又は2・3冊
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