官僚主導から政治主導への”革命”を妨げるもの

官から菅へなんて洒落を言ってる場合じゃない。
本当に民主党が脱官僚、政治主導の国創りをするのには乗り越えなければならない壁がたくさんある。
なんといっても当の官僚たちは自分たちのみならず先輩や後輩の人生がかかっているから死に物狂いの抵抗が予想される。
あからさまな抵抗もあるだろうが陰湿な消極的非協力という形での抵抗が一番大きいかもしれない。
だから、昨夜から今朝にかけて新閣僚の皆さんが“脱官僚”への意気込みを熱く語ったけれど実際には紆余曲折が予想される。

限られた資源の配分を変えるのだから既得権は侵される。
景気だってすぐに良くなりはしない、むしろ悪くもなるかもしれない。

一方、国民は?
無駄遣いだとか消えた年金だとか天下りなどと言われれば、官僚!もっとまじめにやれ、と思うだろうが、それはそれまでのこと。
官が決めようが政治主導であろうが、実のところはどっちでもいい。
要は“お上”がちゃんとやってくれていればそれでいい。
そういう意味で日本の官僚はむしろ政治家より優秀でよくやってくれたから今の日本があるのではないか。
少し自民党の堕落と歩調を合わせたのかだらしなくなったからこの際、お灸をすえてやる必要はあるけれど、そんな、“革命”だなんて大仰なことをお願いしたつもりはない。

そんな感じが多数派だと言ったら言い過ぎだろうか?
もしそれが当たっていると民主党は苦戦する。

官僚主導から政治主導への”革命”を妨げるもの_e0016828_122143.jpg

明治以来、続いてきたお上任せの国というシステムが今や通用しなくなっていることを理解して、そのシステムへの移行に要する犠牲を甘受する覚悟が国民にないと再び鳩山劇場になってノリピーと同次元の興味の対象に堕してしまう。
そうなって、もう一度自民党に政権を返しても日本は再生できないと思う。

昨夜の記者会見で若い記者たちが、次官の記者会見を禁じたことに対して「言論統制になるのではないか」みたいな危惧を表していた。
きれい事をいってる。
記者クラブにおけるあてがいぶち原稿や官僚とのなれ合いによる身すぎ世すぎが難しくなりそうな気配にあわてているのではないか。
君たちが今までどれほど言論の自由をとことん享受して権力と闘ったのか。
自己規制ばっかりだろう。
西川郵政社長を一昨日まで擁護していたのは朝日、君んとこだ。
こういう輩と不満官僚が結託すれば世論の誘導なんてこともそう難しいことはなさそうだ。

いよいよ、国民の質が問われる。
Tracked from 好都合な虚構 at 2009-09-18 08:49
タイトル : 未知との遭遇     
そして、未知と遭遇した国会議員たちは母船「小澤号」にのって遠い宇宙の彼方へ飛んでいきましたとさ・・・なんてこたぁないだろうな。... more
Commented by antsuan at 2009-09-18 00:29
鳩山首相も岡田大臣も資本家なのに、官僚を敵とし、民間企業の経営者を敵とし、はたまた資本家まで敵にして、果たしてうまくやっていけるのでしょうか。

アメリカもチャイナは、ブリヂストンやイオンの海外の現地法人を人質にして、いろいろ揺さぶってくるでしょうね。
Commented by at 2009-09-18 03:14 x
たまに海外でもよく理解してらっしゃる方がいらっしゃるが、
わたしゃ、さっぱり分からんよ、実感が無いでね、
質、悪いからなぁ.......
Commented by 74mimii at 2009-09-18 06:54
ピント外れかも知れませんが・・・
日本は何となくアメリカに押され気味のように感じていましたが
今度の首相は互角に渡りあえるのでは・・・といった感じを持ちました。もっとも何処の国でも一人で頑張ってもどうしようもありませんけど。
Commented by maru33340 at 2009-09-18 07:15
これからの日本を変えるのは民主党ではなく国民の方ですね。試されているのは、我々一人一人の資質であると思います。
Commented by saheizi-inokori at 2009-09-18 08:36
antsuan、すべてを敵にするわけではないのでしょう。
間違った方向(彼らから見て)を正す。
それは本来政権党の仕事だったはずです。
強欲な資本主義や保身に固まった官僚主義の走狗となるのではなく。
Commented by saheizi-inokori at 2009-09-18 08:37
蛸さん、タイの官僚はどうなんでしょう。王様との関係はどうなってるのかな、こっちは私にはとんとわからない。
Commented by saheizi-inokori at 2009-09-18 08:39
74mimiiさん、おっしゃる通りですね。
国民の支持がなければどうにもならない。アメリカは民主党政権の後ろに国民世論があると思えば軽々しくは扱えないと思います。
Commented by saheizi-inokori at 2009-09-18 08:40
maru33340さん、道は遠く険しいのでしょうが、そうしていくしかないのでしょうね。
Commented by convenientF at 2009-09-18 11:26
>陰湿な消極的非協力という

これが上手いんですよね。サラリーマン時代はサンザやられましたが、サラリーマンを辞めてからは共犯!成功したときの快感たるやたまらんなぁ。

Commented by junko at 2009-09-18 19:08 x
Ciao saheiziさん
saheiziさんの記事は、新聞よりよほど面白い。
だから、saheiziさんのブログで私は日本の政治の動きを興味深く追っています。
今の新聞が面白くなくて、読者離れするのは当然だと思うもん。
ジャーナリストのジャの字もない人々が、体制に、そして大勢に影響のないことを、風の向くまま、あっちこっちへふらふらしながら書いてる。
そんな時期では、真実も伝わってこないし、ノンフィクションとしてもなんの面白みもない。
海外の特派員、
日本の新聞の海外のニュースを読んでると、この人たちは海外の新聞の記事をただ訳しているのではないかと思う時がしばしばあります。
Commented by saheizi-inokori at 2009-09-18 23:29
convenientFさん、気持ちはわかるけどなあ、、。
Commented by saheizi-inokori at 2009-09-18 23:31
junko さん、ただ訳すだけ、でも日本語の場合は意訳する、または省略する。むしろそのまま全部を伝えて欲しいのに。
Commented by 74mimii at 2009-09-19 03:29
お話の間に入ってゴメンなさい・・・
海外特派員はその国に何年くらい住んでいるのでしょうね。
チョコッと行って表面だけ見て報道すると浮き上がった報道になると思うのですよ。日本の新聞をネットで読みますが、当地でのニュースをしっかり報道するのとピント外れがあって面白いです。
Commented by saheizi-inokori at 2009-09-19 08:58
74mimiiさん、海外に住んでもニュースの現場を踏まず人から聞いた噺やネットで調べたことを書いて事足れりという記者も多いそうです。
「アフリカで食べる」「カラシニコフ」などでいろんな賞をとった松本仁一(朝日新聞記者だった)は「俺が賞を取ったのは現地に行って書いたから、それさえすればあの程度のことは書けるのだ」と謙遜もあるのでしょうが、当世記者気質を批判していました。
周到な取材の上でネイテイブの記者には書けない、独特の視点で書いた記事は価値があると思います。
Commented by 74mimii at 2009-09-19 12:48
そうですね。
記事はまず客観的な取材からはじまりますよね。
松本仁一氏の文章を読んで見たいと思います。
もしかしたら、佐平次さん前に書いておられたのかも。
うっかりしました。
Commented by 74mimii at 2009-09-19 13:13
佐平次さんと松本仁一氏は同期でいらしたのですねぇ~
ネットで探しましたらこちらのブログが沢山出てきました。
カラシ二コフという方がAK47を作ったのだと知ってビックリしました。こちらでは犯罪によく使われる銃として一般人に知られています。松本氏、信州人は根性があるのですよね。
佐平次さんも・・・
Commented by saheizi-inokori at 2009-09-19 21:23
74mimiiさん、松本はカラシニコフに会いに行ったのです。
そして仲良くなってしまった。
お互いに農民であることを彼が言ったからだそうですよ。
たしかそのことをブログに書いたかもしれません。
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by saheizi-inokori | 2009-09-17 23:51 | 梟のゴタク | Trackback(1) | Comments(17)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


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