ポチ化した日本は変われるか? 本田靖春「不当逮捕」 橋本治「上司は思いつきで物を言う」
2005年 09月 22日
本田靖春著「不当逮捕」(岩波現代新書)は、戦後の経済復興に伴い、政治優位・司法独立が、経済優位に変わっていく頃に生じた、その変化を読めなかった新聞記者を愛情と惜別の念で痛切に描く。
スター記者の名をほしいままにしていた立松(正義漢の見かけに隠れたニヒリストの一面が面白い)が長期の病欠後に遊軍として取り組んだ売春防止法成立を巡る汚職事件。
検察内部のすさまじい権力争い(政治と司法の綱引きの投影でもある)の中で仕掛けられた罠にはまる。当然助けてくれると思った会社は、もはやかつての新聞社ではなくなっている。
社会部が社会部でなくなった。立松は、日本が貧しいけれど輝いていた特別な時代にのみ活躍の場を与えられた敏腕記者だったのだ。本田のいう“ポチ化した日本人”の時代の到来である。
橋本治著「上司は思いつきでものを言う」(集英社新書)も指摘する。右肩上がり経済下で、ドンドン大きくなる現場をサポートするために駄目でも通用する上司が大量に発生したと。
バブルがはじけて、現場が縮小しても管理部門は肥大化したままだから“上司問題”が生じて会社の改革などができなくなった。“思いつき”しか言えない、“思いつき”を言うことで、当面を糊塗する上司たちだ。
時代は、行き着くところに行き着いて、今となった。本田が、立松を描くことで、又“遺書”とも言うべき「我、拗ね者として生涯を閉ず」(講談社)の中で悲憤慷慨した今となった。
しかし、時代は行き着いて止まっているものではない。大企業病という言葉自体が、そのようなあり方を否定している。新しく“変える人たち”が登場しつつある。彼らの挑戦が失敗する時が”日本をあきらめる”時だ。
彼ら?どこに?
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at 2005-09-23 07:35
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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saheizi-inokori at 2005-09-23 08:24
ありがとう。hanamaki3、そこなのです。誰か教えてくれないかと待ち望んでいました。スキンを変更しても大丈夫でしょうか?いままでの原稿がどうかなってしまわないか心配で・・。皆さんのブログ見やすいですものね。
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saheizi-inokori at 2005-09-23 09:01
なあんだ!簡単。ありがとう、ありがとう.hanamaki3さん!
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pompu
at 2005-09-23 09:10
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変わった!見やすくなりました。
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hanamaki3 at 2005-09-23 10:06
わっお!
すっごく読みやすくなりました。
もしかしたら前のスキンがお好きで、変更するのがイヤなのかしらって思ってたんです。今の方が断然いいです。よかったぁ~、生意気書いたかと心配してました。私も一度スキンを変えているんですけど、早くそのことをお知らせすればよかったですね。
ではでは、これからもよろしくお願いします~♪
すっごく読みやすくなりました。
もしかしたら前のスキンがお好きで、変更するのがイヤなのかしらって思ってたんです。今の方が断然いいです。よかったぁ~、生意気書いたかと心配してました。私も一度スキンを変えているんですけど、早くそのことをお知らせすればよかったですね。
ではでは、これからもよろしくお願いします~♪
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saheizi-inokori at 2005-09-23 11:11
いろいろやってたらTB記録が文字化けしちゃいました。スキンによって文字・右スペース・・それぞれ微妙に違うのですね。写真と文字のスペースも直しました。でも、自分でも見やすくなって嬉しいです。
by saheizi-inokori
| 2005-09-22 22:16
| 今週の1冊、又は2・3冊
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Comments(6)