日本のことかと思ったよ 映画「ブッシュ」

映画「ブッシュ」を観た。
若い頃から何ひとつ長続きせずにトラブルばかり、そのたびに尻拭いをするパパ・ブッシュに「お前にはがっかりさせられた」と言われ続ける。
常に偉大なパパ・ブッシュの名前が引き合いに出され、家庭では優秀な弟と比べられ、コンプレックスの塊になってアル中気味だ。

（昨日アップしたブラシの花みたいなの、全体像）

そんな男が突然”神の啓示”を受けて政治家の道を歩み、”神の啓示”のままに大統領を自分の使命と思い込む。
言葉もちゃんと使えないような無知・無責任な男を御しやすしと看て取って、選挙のプロ（ゴロ？）や政治家、役人が取り巻いて自分に都合の良い政策を進言して実行に移す。
人当たりとその場限りの弁舌の巧みさ、汚い戦術でも平気で使う臆面のなさが彼を大統領にまで押しあげてしまう悲喜劇。

判断は大統領の俺がする

ハイ！大統領、奸物どもはほくそ笑む。
要はひと言二言調子のよいことを説明すればいい、ブッシュの自尊心「俺が世界を動かしている」を満足させればいいのだ。

９・１１は、そういう男と彼を取り巻く魑魅魍魎にとっては願ってもないチャンス。
一挙にイラクを、ついではイランを手中に収めて石油を確保する。
そうすれば永遠にアメリカ帝国に歯向かう国はいない。
なあに、みんな石油業者なのだ。
悪の枢軸、テロに協力するか自由か、歯切れの良いワンフレーズで落ち目だった国内支持率も劇的に反転する。
テキサスのブッシュの牧場を政権幹部たちと歩きながらイラク進攻を決めるときにブッシュが犬に気を取られていたり道を間違えてウロウロ行ったり来たり、それにみんながつながってウロウロする映像が印象的だ。

（世田谷線、豪徳寺あたり）

漫画を見るようだが笑えない。
多分これが事実だと思うから。
その結果が今世界を苦しめてもいるから。

しかし、似ているなあ。


世襲の、はるかに偉大な親たちの血を引く、きっと他の職業についたら何も出来ないだろうと思われる男たち（ブッシュはハーバードもパパの力で入学した）。
それでも利用価値があれば人は寄ってたかって持ち上げる。
言葉を知らない？それがどうした！
無知？
ご心配なく、そのために側近がいるし官僚がついている。
無責任？
それこそ有難い。言うがままになってくれるほうが、、。

「イラク」は「百年に一度」だ。
バラマキといわれようがなんといわれようがバックの財界と官僚たちが喜ぶならやってしまおうじゃないか。
今まで出来なかったことを一挙に在庫一掃セールだ（パパ・ブッシュがフセインを殺さなかったのが悪い）。
選挙が全て、世論操作が何よりも優先だ。
出来ることはなんでもやって政権維持、選挙に勝つ。

似ている一番はマスコミのいい加減な報道とそれに踊らされている国民かも知れない。
そんな国民がお坊ちゃま議員を良しとして総理大臣（大統領）にまでしてしまう。


そうしてブッシュは靴を投げられた。
日本はどうなる？