フロスト万歳!大好きだ R・D・ウィングフィールド「夜のフロスト」(創元推理文庫)
2009年 05月 22日
740ページ!写真も絵もない、小さな活字ばっかり。
それを一気に読んでしまった。
このところ面白くないこともあったのに途中で何度も噴き出しながら。
「フロスト気質」で紹介した通り、デントン署のフロスト警部は下ネタギャグの権化だ。
苦境に陥れば陥るほど(しょっちゅうなのだが)ギャグは猛烈を極める。
ギャグが特効薬。
ギャグでも言わなきゃ自殺しかねないような繊細な警部なのだ、実は。
同時にギャグは疲労困憊、お先真っ暗な部下たちを奮い立たせる即効薬でもある。
実に実に部下思いの警部なのだ、実は。
そして読んでる俺も元気シャワーを浴びたぜ、読者思いなんだね、実は。
今回のデントン署、流感警報が出て署員の多くが病欠、さなきだに人手が足りないのをあざ笑うがごとく、老女を残忍に切り裂く事件が連続し、いたいけな少女が新聞配達の途次、惨殺される。
他殺が疑われる動機なき自殺死体、これも少女。
あちこちに不気味な脅迫状が届いたり墓場荒らしが連続する。
これでもまだ足りぬとばかりにジプシーと地元の餓鬼どもがにらみ合って一触即発の空気、、。
フロストの天敵・マレット署長は、こういうときにますます本領を発揮する。
本部第一、一切の判断から逃げて暖房が利かない冷蔵庫のような署内でただひとり居心地の良い署長室に手入れの行き届いた制服にくるまっている。
無能・無責任・無恥の生きた標本。
自宅に帰ることすらままならず不眠不休(勤務表、クソくらえ!)の捜査活動を続けるフロストに命じてご自分はさっさと定時退勤、あ、そうそう、備品調度の調査書類とガソリン代の請求書の証拠書類を明日までにやっとくことを忘れないで!
”うまくいけば点数は俺のもの、失敗すればフロストの責任”、堂々とフロストに言うところが可愛いといえば、、可愛くない!
張り倒して辞表を叩きつけてやれ!
いやいや、フロストは耐えるのですね。
警察が好きなのだ。事件を解決したいのだ。
残虐な犯人をつかまえたいのだ。
書類を作りおべんちゃらを言うのは嫌いでも。
口から出まかせ運任せ、フロストはマレットの罠から脱出して現場に爆走する。
マレットにかませる悪態(表では皮肉、裏では悪罵)に膝叩いて笑い留飲をさげるのは俺だけか。
(最高裁前、先日の裁判員制度の性犯罪被害者の名前を公開している件、最高裁は“シカト“のようです。八木さんのブログをみてください)
それにしてもこうして書いてみると洋の東西を問わずお役所とか上司ってのは似たようなもんだなあ。
グローバルな世界ってわけだ。
土壇場、全てがこんがらがって最終判断を下す人が求められる事態に立ち至ってフロストはウェルズ巡査部長にあることを命ずる
フロストよ、永遠に!
作者が死んでしまったことが悲しい。
シリーズ第三弾の本書にギルモア・新部長刑事が勇躍デントン署に赴任する。
帰宅できない夫を待ちわびてもんもんとウオトカを飲み干す悪妻もどこかにいそうだ。
出世はしてくれ、家には早く帰れ、することはしてくれ、って。
臨場感あふれ、しかもスピーデイな展開。
芹澤恵 訳
それを一気に読んでしまった。
このところ面白くないこともあったのに途中で何度も噴き出しながら。
「フロスト気質」で紹介した通り、デントン署のフロスト警部は下ネタギャグの権化だ。
苦境に陥れば陥るほど(しょっちゅうなのだが)ギャグは猛烈を極める。
ギャグが特効薬。
ギャグでも言わなきゃ自殺しかねないような繊細な警部なのだ、実は。
同時にギャグは疲労困憊、お先真っ暗な部下たちを奮い立たせる即効薬でもある。
実に実に部下思いの警部なのだ、実は。
そして読んでる俺も元気シャワーを浴びたぜ、読者思いなんだね、実は。
今回のデントン署、流感警報が出て署員の多くが病欠、さなきだに人手が足りないのをあざ笑うがごとく、老女を残忍に切り裂く事件が連続し、いたいけな少女が新聞配達の途次、惨殺される。
他殺が疑われる動機なき自殺死体、これも少女。
あちこちに不気味な脅迫状が届いたり墓場荒らしが連続する。
これでもまだ足りぬとばかりにジプシーと地元の餓鬼どもがにらみ合って一触即発の空気、、。
フロストの天敵・マレット署長は、こういうときにますます本領を発揮する。
本部第一、一切の判断から逃げて暖房が利かない冷蔵庫のような署内でただひとり居心地の良い署長室に手入れの行き届いた制服にくるまっている。
無能・無責任・無恥の生きた標本。
勤務表に従いなさい。警察の最優先解決事件が何であるかは分かってるだろうな。それを解決しなさい。最優先解決事件はいくつもあって、風向きで入れ替わる。
本部への支援要請はしない。
みんなの団結でがんばりなさい。
自宅に帰ることすらままならず不眠不休(勤務表、クソくらえ!)の捜査活動を続けるフロストに命じてご自分はさっさと定時退勤、あ、そうそう、備品調度の調査書類とガソリン代の請求書の証拠書類を明日までにやっとくことを忘れないで!
”うまくいけば点数は俺のもの、失敗すればフロストの責任”、堂々とフロストに言うところが可愛いといえば、、可愛くない!
張り倒して辞表を叩きつけてやれ!
いやいや、フロストは耐えるのですね。
警察が好きなのだ。事件を解決したいのだ。
残虐な犯人をつかまえたいのだ。
書類を作りおべんちゃらを言うのは嫌いでも。
口から出まかせ運任せ、フロストはマレットの罠から脱出して現場に爆走する。
マレットにかませる悪態(表では皮肉、裏では悪罵)に膝叩いて笑い留飲をさげるのは俺だけか。
それにしてもこうして書いてみると洋の東西を問わずお役所とか上司ってのは似たようなもんだなあ。
グローバルな世界ってわけだ。
土壇場、全てがこんがらがって最終判断を下す人が求められる事態に立ち至ってフロストはウェルズ巡査部長にあることを命ずる
ウェルズ巡査部長は即答を避けた。フロストこそ現代のヒーローだね。
「ジャック(フロストの名前)、もし妙なことになったら、その時はちゃんとあんたが泥を引っかぶってくれるのか?」
「かぶらなかったことがあるか?」とフロストは言った。
フロストよ、永遠に!
作者が死んでしまったことが悲しい。
シリーズ第三弾の本書にギルモア・新部長刑事が勇躍デントン署に赴任する。
帰宅できない夫を待ちわびてもんもんとウオトカを飲み干す悪妻もどこかにいそうだ。
出世はしてくれ、家には早く帰れ、することはしてくれ、って。
臨場感あふれ、しかもスピーデイな展開。
芹澤恵 訳
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kaorise at 2009-05-23 13:40
書込み途中でコメが消えてしまいました(汗
中途半端なコメが来てたら消去してください。
フロスト、すごい人ですね。面白いです。
組織に所属しつつフリーの境地で仕事できるなんて。パワフル!
ホント、、下ネタくらい言わないとやってられないですよ、、
真面目で四角四面な人って組織に多いけど、下らん事に目くじらたててその労力を仕事の創造性にむけろよ〜ムダだよ〜と思うこと多いのであります。
中途半端なコメが来てたら消去してください。
フロスト、すごい人ですね。面白いです。
組織に所属しつつフリーの境地で仕事できるなんて。パワフル!
ホント、、下ネタくらい言わないとやってられないですよ、、
真面目で四角四面な人って組織に多いけど、下らん事に目くじらたててその労力を仕事の創造性にむけろよ〜ムダだよ〜と思うこと多いのであります。
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saheizi-inokori at 2009-05-23 18:12
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mmiizzz at 2009-05-24 02:01
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saheizi-inokori at 2009-05-24 08:55
mmiizzzさん、作者が亡くなってもうフロストの新しい冒険が読めないのが残念です。
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お茶好き
at 2009-05-31 20:39
x
フロスト警部またまた登場ですね。前回紹介して頂いたのも面白かったですけど、今回のもヒット作品のようですね。
映像としても見たいけど、ミステリーチャンネルは我が家では見れない(>_<)
映像としても見たいけど、ミステリーチャンネルは我が家では見れない(>_<)
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saheizi-inokori at 2009-05-31 21:05
お茶好きさん、私は今度の方が面白勝ったような気がしますよ。
by saheizi-inokori
| 2009-05-22 22:18
| 今週の1冊、又は2・3冊
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Comments(6)