太鼓持ちは人格者だ 悠玄亭玉介(聞き書き・小田豊二)「幇間の遺言」
2009年 04月 27日
1907年生まれ、94年没、“最後の幇間”と呼ばれた人の一代記。
座敷で幇間(たいこもち)の芸をみた人は少ないだろうな。
俺は二回、浅草の「助六の宿 貞千代」ってとこで観た。
一度は先輩に御馳走になって、次は社員を連れて行った。
面倒な大仕事をやってくれた人たちへの慰労会。
いわば、はとバスの見学みたいなもので小一時間ほど、面白いことをしゃべくって、屏風芸(屏風の陰にあたかももう一人の人間がいるようなやりとりをして見せる一人芸・達者なものだ)を観るだけのものだった(だから安い)。
「うなぎの幇間」「愛宕山」「つるつる」「富久」「たいこ腹」、、幇間が主役の落語は多い。
噺家で幇間になったり幇間から落語家になった人も多い。
玉介が肝臓で入院中のインタビュー、幇間が活躍した世界を生き生きと語る“遺言”。
合間合間で男として役立たずになったことを嘆き、節々の痛みをかこち、しかし、それが洒脱、まるで他人ごとのように突き放してユーモラスなのが、良く考えると凄愴な気分もある。
一編の映画を観るようだ。
客を喜ばせるために自分を殺して、しかし、そういう自分を心底愛している。
愛さなければやっていけない。
どんな客でも惚れなきゃならない、必ず良いところはあるのだからそれを観て心底惚れること。
それは仕事についても同じこと、仕事に惚れない男なんて女にもてるはずがない。
(雑司が谷・「和邑」、三色蕎麦、セイロ、しらゆき、小夏きり。日中暑かったから蕎麦が恋しい)
彼の語るところを聞けば単にお座敷における男芸者の心構えというだけではなくて、およそ人間の本性、社会における処世のあり方を教えられる。
「耳が二つあって口より上にある理由」
それはまずよく聞け、いろんな人の意見を聞け、しかる後にしゃべれ、ということだ。
「天知る、地知る、人が知る」
陰ひなたなく!嫌いな人のことでも陰でけなしてはいけない。
相槌もいけない。
褒める。
(ショカだぞ~、鬼子母神)
いつものことながら俺の生き方とは真反対、今頃反省しても遅いから、面白がって読めばいい。
常磐津、日本舞踊、落語家など経験豊富だから歌舞伎の名優、落語家などのエピソードがあって、これも面白い。
集英社文庫
座敷で幇間(たいこもち)の芸をみた人は少ないだろうな。
俺は二回、浅草の「助六の宿 貞千代」ってとこで観た。
一度は先輩に御馳走になって、次は社員を連れて行った。
面倒な大仕事をやってくれた人たちへの慰労会。
いわば、はとバスの見学みたいなもので小一時間ほど、面白いことをしゃべくって、屏風芸(屏風の陰にあたかももう一人の人間がいるようなやりとりをして見せる一人芸・達者なものだ)を観るだけのものだった(だから安い)。
「うなぎの幇間」「愛宕山」「つるつる」「富久」「たいこ腹」、、幇間が主役の落語は多い。
噺家で幇間になったり幇間から落語家になった人も多い。
玉介が肝臓で入院中のインタビュー、幇間が活躍した世界を生き生きと語る“遺言”。
合間合間で男として役立たずになったことを嘆き、節々の痛みをかこち、しかし、それが洒脱、まるで他人ごとのように突き放してユーモラスなのが、良く考えると凄愴な気分もある。
一編の映画を観るようだ。
客を喜ばせるために自分を殺して、しかし、そういう自分を心底愛している。
愛さなければやっていけない。
どんな客でも惚れなきゃならない、必ず良いところはあるのだからそれを観て心底惚れること。
それは仕事についても同じこと、仕事に惚れない男なんて女にもてるはずがない。
彼の語るところを聞けば単にお座敷における男芸者の心構えというだけではなくて、およそ人間の本性、社会における処世のあり方を教えられる。
「耳が二つあって口より上にある理由」
それはまずよく聞け、いろんな人の意見を聞け、しかる後にしゃべれ、ということだ。
「天知る、地知る、人が知る」
陰ひなたなく!嫌いな人のことでも陰でけなしてはいけない。
相槌もいけない。
褒める。
いつものことながら俺の生き方とは真反対、今頃反省しても遅いから、面白がって読めばいい。
常磐津、日本舞踊、落語家など経験豊富だから歌舞伎の名優、落語家などのエピソードがあって、これも面白い。
集英社文庫
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kaorise at 2009-04-27 23:57
私の場合「天知る地知る星亀知る」なのでした。
みゅうちゃんは何でもお見通し!
みゅうちゃんは何でもお見通し!
0
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gakis-room at 2009-04-28 06:43
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saheizi-inokori at 2009-04-28 07:35
kaoriseさん、そういえば昨日新宿の裏町で子供たちが陸ガメと遊んでいました。いじめてはいなかった。
あなたは駒場だったのかな?
あなたは駒場だったのかな?
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saheizi-inokori at 2009-04-28 07:38
gakis-roomさん、ほんとですかあ?信じられないなあ。男が惚れるような男は女にも惚れられるのではないか、アァ、これも逆は常に真ならず?
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saheizi-inokori at 2009-04-28 11:07
tona さん、私などは自分から言い出してばっかり、嫌な性格です、ほとほと。
到底幇間にはなれないなあ。
到底幇間にはなれないなあ。
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kaorise at 2009-04-28 13:29
新宿で陸カメと遊ぶ子供たちって夢がある、、読んだだけで癒されます。
saheiさんったら〜男が惚れる男に女が惚れるのは昭和の話なのよう〜
今は21世紀なんでね、まず惚れるって事が消滅しつつあるみたい。
やっぱり草食動物の時代かしら。。
saheiさんったら〜男が惚れる男に女が惚れるのは昭和の話なのよう〜
今は21世紀なんでね、まず惚れるって事が消滅しつつあるみたい。
やっぱり草食動物の時代かしら。。
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takoome at 2009-04-28 17:35
是非是非、手に入れたいなぁ、
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saheizi-inokori at 2009-04-28 18:18
kaoriseさん、人が人に惚れなくってどうだってんだい?
つまんね~!
つまんね~!
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saheizi-inokori at 2009-04-28 18:20
takoomeさん、私は古本屋で手に入れました。
単行本で出たのですがこれは文庫です。送ってあげましょうか?書き込みしてしまったけれど。
単行本で出たのですがこれは文庫です。送ってあげましょうか?書き込みしてしまったけれど。
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sweetmitsuki at 2009-04-28 20:11
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saheizi-inokori at 2009-04-28 20:32
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at 2009-04-28 20:51
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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saheizi-inokori at 2009-04-28 22:33
鍵コメさん、了解です^^。
by saheizi-inokori
| 2009-04-27 23:33
| 今週の1冊、又は2・3冊
|
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Comments(14)