あと6ヶ月の命といわれて・・・・ 凄い友人がいました
2005年 09月 19日
今日会った友人。今は某国の国立大学教授。京都会議では某国の代表として来日するほどの人だ(国籍は日本にあるけれどその国は国の代表に外国人でも指名する、開かれた国だね)。
彼の思い出話。28歳の時にいよいよ某国の大学の教師として第一歩を踏み出そうとした頃スケートをしていたら突然足が動かなくなった。医者たちがいろいろ調べた挙句言うのには「筋肉が機能しなくなっている。これが全身に広がる。あと6ヶ月の命だ」。随分はっきり言う国だ。
彼はびっくりも何も「一体誰のことを言っているの?」その後、「恥ずかしいことだが一人泣けてしょうがなかった」。二日間呆然として泣いたり考えたりしていたそうだ。そしてやっとわかってきたこと。
「何が口惜しい、残念か」それは「もう美味しいものも食べられなくなる、とか楽しいことが出来なくなるということでなく」・・次が凄い。
「今まで自分は必死になって勉強をしてきた。それは先人の業績や学説を学んできたのだ。」それなのに「学んだだけで、それを誰にもお返ししないままで死んでいく。そのことが何よりも口惜しい」。
そういう考えがスーッと見えてきたのだ。見えてきたら今までの泣いたり沈んだりの気持ちが消えて行ったそうだ。
そこで彼は病床に学生を呼んで講義をして2ヶ月過ごした。
それが済んだら胸がすっとして気持ちも落ち着いた。そうしたらナント医者たちが来て謝ったんだと。「我々の誤診でした。筋肉が生きている。貴方は死なないでも直せることが分かった」。その後手術をするか否かをめぐってのかなりスリリングな決断の話しもあるが、今彼は元気そのもの。学者として国際的な名声を博している。俺は彼の隣でその話を聞きながら「なんと凄いやつ!」と感動した。嬉しかった。好い友をもった。たとえ20年に一度しか会わなくても。
今日は名月。いい話を聞けました。
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ce00044
at 2005-09-19 02:05
名月の夜に何十年ぶりかでお会いした星見屋です。さっそく拝見しました。ホンはだめですが時々お邪魔します。
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saheizi-inokori at 2005-09-19 07:10
それぞれの何十年、4時間では物足りない。モット、ゆっくり話したかったね。
中秋のあの白くてまるいお月様のように心に残るお話でした。
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saheizi-inokori at 2005-09-20 14:20
余白色・・いいですね。白、お好きなんですね。無色とも違う、ペンキの白とも違う、透けて見えるような白、私も好きです。でも、彼の話はどくどくと赤い血潮が感じられましたよ。
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pompu
at 2005-09-20 21:32
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本当にいいお話ですね。元気になりました。
ダイエット中に死んだら・・・最後が”空腹”か・・・なんてことばかり思っている自分が凄く恥ずかしい。もっと、生き方考えようっと。
ダイエット中に死んだら・・・最後が”空腹”か・・・なんてことばかり思っている自分が凄く恥ずかしい。もっと、生き方考えようっと。
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saheizi-inokori at 2005-09-20 22:47
あはは!でもダイエットは続けてね。pompuさん。
by saheizi-inokori
| 2005-09-19 00:17
| 梟のゴタク
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Comments(6)