能楽堂に獅子が舞いおりた 幸弘☆満斎☆広忠☆能楽現在形・第8回(宝生能楽堂)
2009年 04月 11日
凄くて凄くて、なんだかもう書きようがないような気がする。
幸弘、萬斎、広忠が必死の形相で能楽の可能性に挑戦している。
一調「願書」では野村四郎の謡(これが凄い!膝に置いた手がぶるぶると震えている、老練者の気迫)に挑む大鼓・亀井広忠、いつものことだが今日はことのほか顔色が青く思いつめた表情、よらば切られそう。
狂言小舞「住吉」
シテ・萬斎が万作、深田博治、高野和憲の謡を堂々と従え、むしろ万作お父さんが必死の形相。
一調一管「豊後下リ端」
笛・一噌幸弘と太鼓・観世元伯。
伸びやかに歌い、激しく絶叫し、自由自在な幸弘。
能「望月」
こんな能があるとは。
父親を殺された母・ツレ・梅若晋矢とその子、花若・子方・小早川康充が一夜の宿りを求めた甲屋の亭主は亡き父の部下・シテ・片山清司だった。
しかもその夜、こともあろうに父殺しの当人・ワキ・殿田謙吉がお供にアイ・萬斎を連れてその宿に泊まる。
京都での長い詮議の結果、所領(信濃国・望月)を安堵されルンルン気分で帰郷の道筋なのだ。
さあ、かたき討ちのチャンス!
小澤の策略は母を盲御前に仕立てて、望月の座敷で曽我兄弟の物語を謡わせ、花若に羯鼓の舞を舞わせる。
花若が激情に耐えかねて望月に切りかかろうとしたときの萬斎の動き・形、ワキ正面にいたからばっちり観ることが出来た。ジジイでもしびれるカッコよさ。
ワキの存在感を引き出してその場の仕切り役になったかの下人・萬斎。
八撥という花若の舞が良かったが、それよりも何よりも囃子の笛・一噌幸弘、小鼓・吉阪一郎、大鼓・亀井広忠が物凄い。
花若が鼓を打ちながらも仇・望月の顔をにらみすえいつ何時でも切りかからんとする気迫を、とくに幸弘と広忠が代わって舞台にみなぎらせる。
(平河天満宮・力石)
そして最後は小澤自らが真っ白な獅子頭(てっぺんに赤い椿?)をつけて獅子舞をする。
長袴で激しい舞を舞台狭しと。
長袴だからさぞかし動きにくいだろうに素早い動きで、袴の裾を左右にふりあげてまるで獅子の肢や尾のようだ。
広忠が獅子になって吠える。
うを~うを~!
幸弘が狂乱、小鼓も負けじと吠える。
シテ・小澤は激しく舞い終えると伏して望月の様子をうかがう。
そして居眠りをしているのを確かめるや花若を呼び望月に近づき刀を突き付ける。
いやもう、獅子の咆哮が東京ドームに聞こえたかも知れないぞ。
望月、哀れといえば哀れ、長き御詮議の末に天下晴れて、と思ったのもつかの間、「お前は誰だ!」誰何も空しく、一言の弁解もすることなく殺されてしまう。
ワキがすっと立って切り戸口から消えた後、残された望月の笠を刺して殺しの場面とする。
退場する時の広忠はまるで自分が親の仇を討ち果たしたような顔をしていた。
ほとんど謡いではなくて会話で進行する。
(飯田橋・ラミア前の川で)
今回の能楽現在形は三回にわたって行われるが、いづれの回にも「望月」が組まれている。
配役を変えて同じ演目を見せようという試みだ。
ラッキーにも全部の切符が入手できた。
アァ、これからが楽しみだ。
今日の片山清司や広忠、幸弘などを超えるものが観られるか?
もし、これを超えるとしたら、まさに超絶という言葉しか当てはまらないな。
明日から桜新町は桜まつり。ここは八重桜だから今日が7分咲きくらいでちょうどいいのだ。
青森県の浪岡の人が屋台を出してほたてを焼いていた。
桜ん坊、桃、リンゴの枝を売っていたので買ってみた。
水揚げは先っぽを金づちでつぶすといいと教えてくれたのは、途中でどうしてももう一杯ビールを飲みたくて入った初めての居酒屋の女将さん。
意志は弱いのですがそのために有益な教えをいただいている。
一本だけで今度こそまっすぐ帰りました。
幸弘、萬斎、広忠が必死の形相で能楽の可能性に挑戦している。
一調「願書」では野村四郎の謡(これが凄い!膝に置いた手がぶるぶると震えている、老練者の気迫)に挑む大鼓・亀井広忠、いつものことだが今日はことのほか顔色が青く思いつめた表情、よらば切られそう。
狂言小舞「住吉」
シテ・萬斎が万作、深田博治、高野和憲の謡を堂々と従え、むしろ万作お父さんが必死の形相。
一調一管「豊後下リ端」
笛・一噌幸弘と太鼓・観世元伯。
伸びやかに歌い、激しく絶叫し、自由自在な幸弘。
能「望月」
こんな能があるとは。
父親を殺された母・ツレ・梅若晋矢とその子、花若・子方・小早川康充が一夜の宿りを求めた甲屋の亭主は亡き父の部下・シテ・片山清司だった。
しかもその夜、こともあろうに父殺しの当人・ワキ・殿田謙吉がお供にアイ・萬斎を連れてその宿に泊まる。
京都での長い詮議の結果、所領(信濃国・望月)を安堵されルンルン気分で帰郷の道筋なのだ。
さあ、かたき討ちのチャンス!
小澤の策略は母を盲御前に仕立てて、望月の座敷で曽我兄弟の物語を謡わせ、花若に羯鼓の舞を舞わせる。
花若が激情に耐えかねて望月に切りかかろうとしたときの萬斎の動き・形、ワキ正面にいたからばっちり観ることが出来た。ジジイでもしびれるカッコよさ。
ワキの存在感を引き出してその場の仕切り役になったかの下人・萬斎。
八撥という花若の舞が良かったが、それよりも何よりも囃子の笛・一噌幸弘、小鼓・吉阪一郎、大鼓・亀井広忠が物凄い。
花若が鼓を打ちながらも仇・望月の顔をにらみすえいつ何時でも切りかからんとする気迫を、とくに幸弘と広忠が代わって舞台にみなぎらせる。
そして最後は小澤自らが真っ白な獅子頭(てっぺんに赤い椿?)をつけて獅子舞をする。
長袴で激しい舞を舞台狭しと。
長袴だからさぞかし動きにくいだろうに素早い動きで、袴の裾を左右にふりあげてまるで獅子の肢や尾のようだ。
広忠が獅子になって吠える。
うを~うを~!
幸弘が狂乱、小鼓も負けじと吠える。
シテ・小澤は激しく舞い終えると伏して望月の様子をうかがう。
そして居眠りをしているのを確かめるや花若を呼び望月に近づき刀を突き付ける。
いやもう、獅子の咆哮が東京ドームに聞こえたかも知れないぞ。
望月、哀れといえば哀れ、長き御詮議の末に天下晴れて、と思ったのもつかの間、「お前は誰だ!」誰何も空しく、一言の弁解もすることなく殺されてしまう。
ワキがすっと立って切り戸口から消えた後、残された望月の笠を刺して殺しの場面とする。
退場する時の広忠はまるで自分が親の仇を討ち果たしたような顔をしていた。
ほとんど謡いではなくて会話で進行する。
今回の能楽現在形は三回にわたって行われるが、いづれの回にも「望月」が組まれている。
配役を変えて同じ演目を見せようという試みだ。
ラッキーにも全部の切符が入手できた。
アァ、これからが楽しみだ。
今日の片山清司や広忠、幸弘などを超えるものが観られるか?
もし、これを超えるとしたら、まさに超絶という言葉しか当てはまらないな。
明日から桜新町は桜まつり。ここは八重桜だから今日が7分咲きくらいでちょうどいいのだ。
青森県の浪岡の人が屋台を出してほたてを焼いていた。
桜ん坊、桃、リンゴの枝を売っていたので買ってみた。
水揚げは先っぽを金づちでつぶすといいと教えてくれたのは、途中でどうしてももう一杯ビールを飲みたくて入った初めての居酒屋の女将さん。
意志は弱いのですがそのために有益な教えをいただいている。
一本だけで今度こそまっすぐ帰りました。
Commented
by
takoome at 2009-04-11 21:52
佐平次さんの気の入れようが伝わってくるなぁ、
日本で能を見てみたい。
日本で能を見てみたい。
0
Commented
by
saheizi-inokori at 2009-04-12 08:51
takoomeさん、落語もね。日本もいいことありまっせ~^^。
by saheizi-inokori
| 2009-04-11 21:30
| 能・芝居
|
Trackback
|
Comments(2)