あれからもう9年か 懐かしい映画「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」
2009年 01月 28日
思いだしたのが映画「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」だ。
2000年の正月に観ている。
当時、しょっちゅう社員宛てに「ホンの戯言」と題したメールを発信していた。読んだ本を会社に寄贈するのに、その簡単な紹介をするのと、折々の所感を書いていた。
その中にこの映画のことも書いていたので自分の文章の引用と云うこっぱずかしいことをします。
(前略)というわけで、くたびれていたが、気分を明るくしたくて、最初のお目当て「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」をみたのだ。文化村など冷やかしてきたら、15.30に間に合って座れた。それにしても若いカップルがぎっしり、情報に敏感、行動がはやい。単にヒマなだけか。早朝出勤して打ち合わせが始まる前に書きなぐったものだからひどい文章(長いし、あまり読まれなかっただろう)だが俺は懐かしい。
映画は素晴らしかった。キューバのミュージシァン、それも名人ばかり、世に知られることもなく引退同然の人たちをひっぱりだして同名のバンドを編成する。80歳から90歳という、年寄りが主体。このバンドは、グラミー賞をとり、カーネギーホールも制覇するしだから、知っている人もいるかも。
映画は彼らのレコード録音風景、コンサート風景、キューバの風景などをつなげ、その間にメンバー自身が生い立ちや、人生観、音楽観を語る。私生児だとか、信仰だとか、ラサロを信心している歌手が、ラサロに何を毎日お供えしているか説明するのだがその時ラム酒もあって、これは「ラサロが好きに違いない、なぜなら俺が好きだから。」「ラサロは乞食だが人間を助けてくれる。聖人の姿と乞食のとあるが俺は乞食が好き。」などと、ぼつぼつとしゃべる。
音楽がよくて人物がよい。オーラが画面から感じられる。
でもホントに田舎のトッチャン。
NYに行ってお上りさんを発揮するところなんか、かわいくてかわいくて。ウィンドウにあるケネデイの人形をみて「これはだれだ。忘れた。きっと何かのリーダーだ」というところ!エンパイヤの展望台から、自由の女神を見ながら、「あんなに小さいわけがねえ」とか、「もしそうなら、頭になにかのせてるはずだ、そんなものここからみえないだろう」というようなやりとり。
「女房や娘にNYの景色を見せてやりたかった」としみじみ語る。世界のミュージシァンだぜ。これが。
演奏する段になると凄い迫力。貧乏だが素朴なキューバの暮らしがよくて、これはもう絶対もう一回見に行くつもり。帰りにちりめん亭のナントカラーメンを食べて晩ご飯としたが、とても豊かな気持ちの晩餐でした。
この映画はすっかり気に入って、そんなことは初めてなのだがDVDをすぐに買った。
そして社内で希望者を集めてそれの映写会をやった。
一人で見るよりみんなで楽しめる映画だと思ったからだ。
酒などは持ちよりでと云ったらいろんな寄付があって結構なつまみも揃って酒盛りになってしまった。
だからもうワイワイ、映画はBGMみたいなものになってしまった。
それでも楽しかったなあ。
キューバの音楽に凝って何枚かCDも買った。
夏にはぜひキューバに行こうと思った。
オマラ・ポルトウンドのコンサートはやっと取れた二階の一番奥の席で観て興奮した。
キューバには行かず、CDは今もときどき聴くがDVDが何処に行ったか見つからない。
ゲバラの映画のほうは、私も一昨日観てきました。
私はああいう人物が今いたらと思います。
音楽をこんなにも楽しむのかとも思いました。
そういう光景をしのんでこちらもほっとします。
「チェ・ゲバラ」は如何でしたか?又の日に感想が書かれるのでしょうか。
おじいさんたちはカーネギーホールから世界中を演奏して歩いたのですよ。
わたし、てっきりsaheiさんは早めに引退した落語好き風呂好き本好きの風流人だと思ってました。
よく考えたらそんな人、いまどき世の中にいるわけないのに〜
saheiさんって社会的な話題を書いても、どこか浮き世離れした感じがしますね。
どうもあれっきりという感じがしますが。
日本の演歌の歴史と現状を見ればわかりやすいと思うのです。
起源は民謡、つまり「労働歌」と「踊り」ですが、民謡の臭いがする歌を歌っている若者はいまや「氷川きよし」と「ジェロ」君ぐらい。「労働歌」は消え、「盆踊り」はマニアだけのもにになっています。
キューバ音楽も同様で、最近はブッシュが国連に毎年要求されながら封鎖態勢を完全には撤廃しないからだという利いた風な理屈が通るそうですが、単に世界の人々が近世ヨーロッパや中南米で生まれた「社交ダンス」を楽しまなくなったから衰亡してきただけのことです。
世界中がロックンロールばっかり。小泉がプレスリー詣でをしたから、にしましょうか(^^;)。
非常に優れた感覚、技術を持ったミュージシャンは誕生していますが、我らが津軽三味線の若手奏者たち同様、ハービー・ハンコックを頂点とする現代ジャズの世界に入っていきます。
情緒纏綿たる「キューバ艶歌」は、「股旅演歌」と同様、古い録音で楽しむしかなさそうです
そうだと思います。だからこそ彼らの音楽を又とないものとして楽しめるのですよね。
落語でもどんな名人が現れても志ん生とは違う。
時代精神が違うのですから同じだったらしょうがない。
私も行ってみたい国です。
最近になって、人、人間をまた撮りたくなっています。
どこかに幾たびにずーずーしくも声をかけさせてもらって、写真を撮らせてもらうんです。
その国の人をそんな一瞬になにが判ると言うのかと、自分でも思いますが、一瞬でも良いからその人の人生に触れてみたいと思うんです。
映画「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」。へんな性格の私はすぐじーんと感じてしまう。^^
この映画がいいと思う人はいい性格です^^。