楽しい掛け取り、まるで大晦日演芸大会だ 志ん輔・さん喬「掛取萬歳」
2008年 12月 27日
志ん輔(ビクター落語会)とさん喬(落語研究会)の二人を聴くことが出来た(なんと贅沢な年の瀬なんだろう!)。
長屋の八つあん、からっけつ、寄せ来る掛け取りを追い払うのに去年は死んだふりをしたけれど、香典を持ってきた大家さんに女房が固辞するのを早桶から手を出して「貰っとけ」、大家さんはヒエッって逃げ出した。
今年はどうしようって考えたのが掛け取りに来る人の道楽を使って誤魔化そうってェ、、。
まずは狂歌の好きな大家さん。
「びんぼうの棒も次第に長くなり振り回されぬ年の暮れ」
「びんぼうをすれどこの家に風情あり質の流れに借金の山」
立て続けにいくつも即興の狂歌を披露すると大家さん、すっかり感心して
「貸しはやる貸しはとらるる世の中になにとて親のつれなかるらん」帰ってしまう。
「お前さん!凄いねえ、どこでそんなこと覚えたの?」
女房が訊くと
なあに、寄席に行きゃア落語家が教えてくれライたしかに寄席じゃあ“学校で教えない”ことォおせえてくれるなあ。
次いで来たのが浪花やの旦那、義太夫が大好き。
八五郎の魂胆を見抜いて義太夫で催促する。
出ん、出ん、でんでんでん、、志ん輔の首を振り振り青筋立てて唸る義太夫は実に可笑しい。
さん喬は美声だが可笑しさや迫力でやや劣るかな。
魚屋のカッつアン、幼馴染のせいもあって取りにくそうに催促するのに逆に挑発して喧嘩に持ち込む。
この後は↑に書いた「睨み返し」に出てくる「取らねえうちは一寸たりとも動かねえ」「払わねえうちは五分だって動かさねえ」の話と同じ。
払ってもない金にお釣りを寄こせと悪乗りしてカッつあんを帰したあと
金ができたら真っ先に返してやらなきゃなって八つあんのホントの人柄をあらわすセリフを加えるのはさん喬。
この人は乱暴な登場人物もどこかやさしく描く癖があるようだ。
相模やの番頭は芝居好き。
お掛けとり様のお入りィ!八は大声で感じを出す。
さん喬の演出では町内のお囃子の稽古に来ている衆に三味線に笛や太鼓で応援してもらうという趣向(志ん輔のは断りなしにお囃子がつく)。
どぶ板を花道と見立てて見栄ェ切りながらの登場、このあたりからの可笑しさはさん喬、志ん輔、甲乙つけ難いな。
松にもいろいろありましてえ、えぞまつ、とどまつ、ごようまつ、あなたまつのも松の内捧げ持った扇を読むとて、気取った節回しでだあ~っとなるセリフはさん喬だ。
ワキで見ている女房は
お前さ~ん、面白いねえ!わたしゃすっかり楽しくなってきたよ。主が汗ェ掻いてんのに、、いい女房だ。
毎年これで行こうね!
最後に出てくる(魚やと浪花やなどの登場順は噺家によって違う)のは三河屋の旦那、そう三河萬歳だ。
まっちゃろうか~まっちゃろうか~一年まとか二年まとか~優しい旦那だ、でも八つあんはしたたかだ。
なかなかそんな~ことでは勘定なんかできね~楽しいリズムで、見えない鼓を叩きながら値切っていく。
十年二十年、、、はあ、まだまだ、、
そ~れじゃいってェ~いつ~は~らう現実にはありえなかっただろうが、等身大の商い、見て触って使って食える範囲での取引、そこには人情やユーモアが十分に入り込めるような商い、現代が失ったものを感じる、と云ったら笑わせるナイ!って言われるか?
ひゃーく万年もォ、過ぎたならァ
ただ噺が上手というだけでは演れない噺だ。
義太夫、芝居、三河萬歳、、いろんな芸能をマスターした上でそのパロデイーをして見せる。
6代目の円生の十八番を当代の実力者が堪能させてくれた。
さん喬も達者だったが少し真面目に過ぎた。
これは少々大仰に道化のように笑わせてくれなきゃ。
志ん輔の青筋と百面相がぴったりだと思う。
彼の当たり芸になりそうだ。
これも好きで時々歌います。日本語の歌詞にはちょっと無理があるんですけどね。 しかし日本人によるまともな歌唱/演奏は見あたりません。 この方がマシでしょう。珍しくバース付きですし... http://jp.youtube.com/watch?v=jmuypbHcfYQ 次のはクソ真面目な歌唱ですが、この方が落ち着きますか。 ヤッパ面白くない? 失礼をばいたしました。 では、お詫びにまたジェロ君、 ... more
は~ちゃんの、肖像権も存在しないのかな?
抱っこしたくなるような・・・
佐平次さん、は〜ちゃんソックリなんだって^^ 見たぞぉ〜
ヘヤーカットが素敵なはーちゃん、もう歩かれるのですね。遥太はやっと2歩でたところです。なんでも口に入れてこの間も猫のドライフードぽりぽりと食べてしまいました。
それで、息子と落語を聴きに行こうと思います。
また新宿で。
日本の面白いことをお土産に持っていって欲しいなと思って。^^
親子で寄席っていいなあ。
この前の写真から、すっかり顔を覚えて、道であってもわかります。
久しぶりに正月に遊びに来ます。