生き残りへの危機感 能楽現在形 劇場版@世田谷「能は能か、演劇か」
2008年 06月 21日
しかし、その危機感は能楽の無限の豊かさに対する強い自信・信念・理解、さらに彼らの才能によって刺激的な挑戦となって俺たちを喜ばせる。
昨年みた「鐵輪」と「猩々乱」に続いて会場は世田谷パブリックシアター。
開演前からスモークが立ち込め舞台は真っ暗、すでにして異様な“能舞台”だった。
お調べが終わると暗いままの舞台に左からお囃子(太鼓・助川治、大鼓・亀井広忠、小鼓・観世新九郎、笛・一噌幸弘)が、右から地謡(浅見重好、藤波重彦、坂真太郎、武田宗典)が並ぶ。
磯枕、苔の衣を片敷きて暗闇にワキ・宝生欣哉の上歌が響くと半能(能の後半部分だけを上演する)「融」の始まりだ。
囃子方のほうに気を取られていたらホリゾントのあたりが空色、下は波か、その上正面一杯に大きな大きな月が浮かんで、それに見入るらしき人のシルエットが出現していた。
照明が白い狩衣、紅地?の指貫の貴公子を浮かび上がらせる。
融の大臣とはわがことなりシテ・観世喜正は舞台中央奥の橋から正面にスロープを降りてくる。
去年はまだあった四角な舞台、柱、木の床、橋掛かり、、今年は能舞台の名残を消し去ってしまった。
「十三段の舞」、観世独特の小書き(特別な演出)、延々と月光の舞が続く。
アフター・トークで一噌幸弘が「13日の金曜日」だった、と変な冗談を交えて「能楽の笛としてはもっとも長い演奏が続く」と云った通り息が続くだけでも驚く。
能「舎利」は楽しいスペクタクルだった。
シテ・足疾鬼(ソクシッキ)・片山清司がワキ・旅僧・宝生欣哉が拝む舎利を奪って天井を蹴破って空高く消えてしまう。
アイ・寺の能力・野村萬斎が韋駄天(ツレ・関根祥人)に舎利を取り返して欲しいと祈る。
韋駄天対足疾鬼が舞台狭しと闘う。
いや、舞台ではないのだ。天空が戦場なのだ。
ミラーボールまで使う照明が想像を助けている。
地謡に観世喜正と松山隆之が加わり囃子方のここを先途と言わんばかりの熱演とバランスがとれる。
アフター・トークで真黒なリノリュームの床で目安となる柱のない舞台で重い装束と面をつけて舞うことがどれほど難しく危険なものであるかを楽しげに語り合う片山や萬斎。
(片山)能舞台だと柱で限られた空間の制約をどうにかして打ち破って演技をしようと頑張るのだけれど、今日のような空間ではその逆で限られていない空間の中でどう求心的な動き(この表現はまったく俺の意訳、正確な表現を忘れてしまった)を作るかが課題だった。スモークは水蒸気だから大鼓にとっては“致命的”だったという広忠(彼の演奏がいつもより元気がないように感じられたのはそのせいか)。
ただでさえ、面をつけると役者は孤独になるのだが、今日は黒い床に暗い照明で、あたかも海の底に一人でいるような気分、ツレを見失うこともあった。
いろんな無理な注文に対して役者にはマゾっ気があるから、できないだろうと言われるとやってしまう。
(萬斎)こういう舞台では役者の応用力が試される。
今日は皆さん、よくご無事で生きて還ってこられたと思う。
舞台で転ぶということはある意味では役者の命にかかわるんです。
駄洒落の連発で笑いを誘う幸弘。
会場から「どういう姿勢が一番つらいか」と質問が出た。
何もしない、動かないでいる。それが一番つらい。片山が答えると、広忠が「それは囃子方でも同じだ」、やはりじっと動かないのがつらいそうだ。
動いても命がけ、静かにしていてはつらい。
どっちにしても大変だ。
じっとみているのも大変だ、と客席に声(聞こえなかったけれど)。
大変でも何回でも観に行きたくなる。
俺もマゾっ気?
『暴走老人!』の話、忘れていたわけではありませんよ。 1月に脳梗塞に襲われて以来、どこへも出かけようとしなかった妻が今年になって初めて美容院へ行く、と言い出しました。以前の家の近所の店で多店舗チェーンなのですがその日は昔からの担当美容師が来る日だそうです。電話してみるとやはり担当の美容師が来ていました。先方も驚いたようでした。 出かけてから2時間ぐらい経った頃、妻のケータイから電話が掛かってきましたが出てみると例の男性美容師です。「奥様がケータイの使い方がわからないと仰いますので」 ...... more
テレビで放送していました。苔を使って屋上緑化をしているところが増えているそうです。紹介されていた苔は、スナゴケスナゴケ・シートという品種で、高温に強く水・肥料もほとんど必要なく寿命も長いという特徴があるそうです。地球温暖化対策として、結構な効果があるそうです。光と風と森が拓く未来エンタメランキングへ--------------- おすすめのページ ---------------「コンタクトレンズ」で検索してみました!「株取引」に興味のある方に。「ブランド市場」ちょっと奮発してあの商品を!... more
かたや官界や政界にはそういうエリートがいないのが哀しいです。
紫の玉ねぎは薄くスライスして、サンドイッチにいれるのが好きです。お料理にいれても甘くて美味しいし・・・
食いしん坊はつい目が食べ物へいきます。