その時歴史は動いた 古代史新聞編纂委員会編「古代史新聞」(日本文芸社)

「世界各地の古代史の現場から迫真のレポート!」と腰巻に大書してある。
BC44年からBC34年号の紙面を紹介しよう。
トップ記事は「カエサル暗殺さる」。
ローマ=BC44年の記事は「ブルトゥス、お前もか!」「多数の暗殺者 一斉に終身独裁官を襲う」「ローマ元老院議場は血の海」。
ローマ=BC43年「第二次三頭政治開始」「カエサルの後継争い続く」。
2面には「ドキュメント カエサル暗殺ー世界を震撼させたXデー」。
「私はもう何もかも知っている」というカエサルの布告や暗殺前夜、友人たちと晩餐をともにし「どんな死を望むか」を話題にして「長く苦しまず劇的に死ぬのがいい」と語ったこととか専属占い師の夢占いによる警告のこと。
事件後のキケロや民衆の動きなどが報じられる。
同じ面には「朝鮮半島に高句麗建国」という記事もある。
下段に「世界短信」とあってエルサレム=BC37年の「ヘロデ。ユダヤの王に」という記事が。
ご丁寧に「追悼 ユリウス・カエサル氏」という囲み記事もある。

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(AD712年~AD719年号)

他にこんな記事も。

「メソポタミアに都市国家誕生か 交易めぐり都市間の対立も激化」
「ヒクソス、ナイル下流に侵入 エジプトで初の異民族支配」
「常勝アテネ軍団スパルタに敗れる 窮鼠猫を噛むのたとえか?」
「宿敵・狗奴国との戦い激化 卑弥呼、魏に状況を報告 魏は詔書と軍旗を授けて激励」
「東西美女列伝 東・清楚な美人?卑弥呼 西・潔さで男を超えるクレオパトラ」
「日中関係に不穏な空気 煬帝日本の国書に激怒 全権大使・小野妹子は毅然として動ぜず」
、、。

「結びの言」なる後書きで古代史新聞副主幹・伊達政五郎なる人が
歴史の表舞台から遠ざけられた人々の動き、見解なども紹介する必要があり、公式見解とは異なる情報も参考意見の一つとして紹介する必要もあろう。
と書いている。
”ご近所さん”のコメントで知った本だ。
アマゾンで申し込んだら送料の方が高かった。

長さといい面白さといいトイレで読むのにちょうど良い。037.gif
Commented by asuno-kazemachi at 2008-04-28 22:22
「歴史新聞」と「戦国史新聞」は持っています。
ずいぶん以前に買ったものですけど。
「古代史新聞」もいいですね。
欲しくなりました。
Commented by saheizi-inokori at 2008-04-28 23:27
asuno-kazemachiさん、そんなのもあるんですね。
うーん、どうしよう。また買いたくなった。
Commented by sweetmitsuki at 2008-04-29 05:45
古代のある時代に世界各地で一体何が起こっていたのかを並列しているのが面白いですね。
読んでみたくなりました。
そういえば、小学校の中にある遺跡を見せてもらった時にそこの小学生が作った江戸時代壁新聞が貼ってありました。
小学生の作ったものですからそんなに洗練されてはいないのですが微笑ましく読みました。
Commented by gakis-room at 2008-04-29 06:23
世界史年表を縦に見ないで横に見るのって好きです。同時代史ですね。
Commented by saheizi-inokori at 2008-04-29 08:24
sweetmitsukiさん、私たちの受験用?歴史は地域割、国割でこういうふうに横断的にみることが少なかったような気がします。
それと年号の暗記はするけれどその時代の人たちの生活感覚などを同じ人間の視点で考えてみることも少なかった(私の想像力の不足故か)ようにも思います。
Commented by saheizi-inokori at 2008-04-29 08:27
gakis-roomさん、田中秀征が学生時代の下宿の壁に年表を張り地球儀を手元に置いて「こうするだけで歴史が生きて見えてくる」みたいなことを(そんなきざな言い方ではなかったけれど)言っていたのを時々思い出します。
Commented by convenientF at 2008-04-29 09:03
>地域割、国割でこういうふうに横断的にみることが少なかったような

教科書は縦割りにできていましたが、講義は横割りでしたよ。
地球儀も使いました。
先生の好みだったのかな?
Commented by saheizi-inokori at 2008-04-29 09:05
平太郎さんの記事はいわば近代史新聞ですね。
いい先生にあったのですね。
世界史を勉強しない高校生とかが話題になりました。縦割りすら学ばないのでは!
Commented by convenientF at 2008-04-29 11:14
>いい先生にあったのですね。

釈迦とソクラテスが同年代だったということから、ジョン・フォードの西部劇製作法は、昭和4年まで生きて映画の仕事をしていたワイアット・アープに直接指導されたものだ、という変なことまで教わりました。
もちろん入試には出ませんが、私の歳ぐらいまでは大学受験も長閑なモンだったのです。血相変えて取り組むような大事業ではなかったのです。羨ましいでしょう(^^;)。
Commented by saheizi-inokori at 2008-04-29 17:45
convenientFさん、私も受験勉強は楽しかったですよ。
そうか、ワイアット・ァープは長生きだったのですか。
なんとなく撃たれて早死にしたかと思っていたなあ。
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by saheizi-inokori | 2008-04-28 21:40 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Trackback | Comments(10)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori