お店を駄目にするのは”細部にこだわらないトップ”のせいだ ”志がないトップ”の罪は大きい
2005年 09月 02日
今朝の日経MJで野瀬泰申氏が「食の細道」というコラムで怒っている。愛知万博さなかの名古屋でようやく「空き室あり」のホテルを見つけて泊まったときの悲惨な経験談。
このホテルはバブル期に建てられたものではないだろうか。居住性や快適性を無視して効率だけを追求している。
あれじゃ、最後まで満室にならないのもわかるなあ。
ホテルに限らない。飲食店でもよく見られる。そもそもお客様が使うということを考えて設計したのかが疑われる。トップ自らそこで食事をしてみたか?客室に泊まりバスやトイレを使ってみたか。
効率性すら考えていないこともある。スタッフの動線という観念などゼロ!
設計段階の話ばかりではない。清掃の行き届かないこと。普通に歩いてみるだけで埃やシミがいっぱい目につく。
古びた什器や調度類、一般家庭でも買い換えているようなテレビが大きな顔をしてデント座っている。
コスト管理といい、自ら現場に出ないで数字ばかり追っかけるから現場の「もう少し丁寧に清掃する業者に頼めば・・」とか「そろそろこのTV、取り替えなくては」みたいな、直ぐには売り上げに結びつかずに経費がかかるような事柄が、すべてないがしろ、手付かずでおかれる。スタッフはそういう環境に慣れてしまうから、自分たちできれいにしようとか問題点をいろいろ言おうという空気も無くなる。
そんな店にお客様がくるもんか!でも立地が良かったり開店当初の名前が通っていたりすると直ぐにはぶっつぶれない。そうこうする内にトップはご栄転。いろいろ細かいことを言って、必要な改修などに金を使ったトップはうるさ型といわれ、一時的な出費による数字の悪化の責任を追求される。
大企業グループにありがちなケース。零細規模の店でもオーナーがやる気を失うと同じことだ。マスコミに出たりして有名になって、”店の原点”を忘れて浮かれて、いたずらに出店数を増やす場合もそうなるね。どっちにしてもイタイ目にあうのはスタッフだ。
上の写真。「にしむら日和」。たこ焼きの店。東京駅・黒塀横丁の入り口左側。気がつかない客は素通りしてしまうようなところに店主手づくりのかわいい蛸の人形と活け花。こういう店はトップの”思い”と”行い”で生きている。多店舗展開は難しいけれど生き抜くにはこれが必要だ。