浅草初詣 八木忠栄「落語はライブで聴こう」(新書館)
2008年 01月 20日
ちょっと前は正月は二日に出勤してお客様を迎えたり店を回って挨拶したり、獅子舞とか餅つきなどのイベントに加わったり、、忙しくも楽しい半日を過ごすと社員の若手などを誘って浅草に行った。
そういうことがなくても松の内に浅草に行かないことはなかったのに、なぜか今年は今頃、しかも浅草演芸ホールによらずに、お参りだけ。
でも「蛇骨湯」には入りましたよ。
焦げ茶色のお湯(温泉)と露天風呂がある人気の銭湯です。
番台の壁に志ん駒さんの額に入った色紙がかけてある。
最近続けて彼が志ん生をおぶって銭湯に行った噺を聴いたばかりだ。
志ん駒さん、くるんだ?相変わらず美人の若女将
ええ、毎日。志ん生を連れて行ったのは「世界湯」、日暮里にある。
志ん駒がいるんじゃないかと思ったが、それはあるはずがない。
今頃は末広亭に向かっている。
いつも通る雷門をよくみると風神・雷神が緑と赤だということや裏側に天竜・金竜像があってなかなか立派なお姿であることなどに今更気がついた。
夜に近づいて人通りも少ない。
改装中だった宝蔵門がきれいだ。
魚河岸講寄進の釣り灯籠が新品のように見えた。
深夜、ライトアップされた本堂を眺めながら後じさりしてみてご覧なさい。
さがった分だけグイグイと大きな屋根がこちらに近づいてくるようで、とても素敵です。
昨日は寒くもあり飲み過ぎてもいたのでやってみなかったけれど。
この近くに「鳥多古」というちょっと変わった、でも美味しい鳥料理屋があってそこに行ったときはいつもそうして帰る習わしだ。
寄席に行かなかった代わりに紹介する落語本。
談志、小三治、三枝、権太楼、さん喬、馬生、
談春、志らく、、23人の噺家のライブの実見録だ。
聴いた噺100あまりの梗概も書いてある。
粗筋だけではなく噺の聴きどころや演じ手による演出の違いなども。
これから落語を聴いてみようかというような方には格好の入門書になるかも。
扇橋のことは小三治の話の中でしか登場しないのがやや俺としてはつまらないけれど。
ただし、その扇橋の登場するエピソードは彼と小三治の仲良しぶりを伝えて微笑ましい。
扇橋がまとまった噺をせずに小三治のことばかり話して高座を降りたんだそうだ。
小三治の話をするのは俺は何度も聞いたけれど、本題の噺を全くやらなかったことはあまり覚えがない。
さて、その時、トリだった小三治が扇橋がどんな噺をしたのかとネタ帳をみると「小三治を頼む」とだけあったそうだ。
そのことを小三治はマクラで披露して
これは遺言ですかね。あたしに言わせれば「扇橋を頼む」ですよと笑わせたそうだ。
首をひねっているうちに、傘の『蛇の目』は“だのめ”とは言わずに“じゃのめ”であることに思い至った。
何のことは無い『じゃこつのゆ』だった。 どうも堆積した,亜炭層から湧出する天然冷泉であるらしい。 ロックの“主”永井荷風も、風呂嫌いの割には、『蛇骨の湯』には、よく入ったとの目撃談もある。
ヘビホネと読む人もいました^^。
ちょっと混んでいるのが問題ですが、もともと、銭湯とは“イモのこ”を洗うようなのが常態だったんですね。
子供のころの銭湯の混んでいたこと!
「堀之内」の粗忽者が「おかしいなあ、ケツをかいてもちっとも、、」「ばかやろ!人のケツをかきやがって」というやりとりなんて今の銭湯だと長~い手でなきゃできません。