空はどうして青いの? いろんなことを映すから?

通勤途中で、工事のトラックが留っていて、邪魔だなあ、と不機嫌になりつつワキを通り過ぎようとしたら工事の若いお兄ちゃんが「やべえ!」と叫んだ。
何事かと振り返ると「洗濯モン、出しっぱなしで来ちゃった」と、仲間に言ってる。
不機嫌が治ってしまったぜ。

空はどうして青いの? いろんなことを映すから?_e0016828_23461899.jpg駅で車椅子のホームレス、だろうな、女性が毛布でグルグル身体を巻いて車椅子に座っている。
男性がなんか食べ物を差し出している。
夫婦なのかも知れない。
難儀だなあ。

夜、末廣亭で扇橋が「二人旅」で歌を歌った。
空はどうして青いの?
海の色が映るの。
海はどうして広いの?
魚がたくさん泳ぐから。
魚はどうして跳ねるの?
雲を近くで見たいから。
雲はどうして白いの?
カモメの好きな色だから。
カモメはどうして飛ぶの?
虹を渡ってみたいから。
虹はどうしてきれいなの?
坊やが空に描いたから。
ちょっと金子みすヾみたいでしょう。
実は和田誠の作詞らしい。

空はどうして青いの? いろんなことを映すから?_e0016828_23453674.jpgトリは古今亭志ん輔。
「お直し」、志ん生が文部大臣賞をとった女郎と牛太郎の噺。
どうにもだらしない男と身を捨てて尽くす女、45分の大熱演で聴かせた。
この噺を高座で聴くのは初めて。
Commented by ume at 2007-12-06 04:51 x
>空はどうして青いの?
この詩を読んで、唐突に、35年前のことを思い出しました。ちょっと心を惹かれる彼女がいた。(もちろん片想い)美大出身の彼女が見せてくれた絵は海と空の絵でした。「この絵に何か言葉を書き添えてほしい」と頼まれて考えた言葉が
『海はどうして青いか知ってるかい? 青いお空の涙なの
お空はどうして青いか知ってるかい? 青い海の鏡なの』

たわいもない言葉を考えついたもので、今となれば赤面ものですが、当時は気に入られたい一心で、必死に考えたのを覚えています。空に「お」が付くのに海に『お』が付かないのはヘンかなーと思ったものでした。35年後に和田誠のこんな詩にお目にかかるとはなんだか妙な気分です。
当然のごとく彼女とは何の関係も生じませんでした。『お元気ですか』で始まる彼女の手紙は引き出しの一番奥に、今も保管してあります。

Commented by saheizi-inokori at 2007-12-06 08:09
ume さん、それは彼女はトテモ嬉しかったのと思いますよ。
今も大事に飾ってあるかもしれません。」
Commented by sakura at 2007-12-06 12:09 x
umeさん saheiziさんの仰るようにきっと彼女の海と空の絵は
額に入れて飾ってあると思います。素敵な想い出ですね。
男の方の青春時代ってとても 純情・・・お話伺って素敵だな~
と思います。
和田誠の詩 いいですね。コピーさせて頂きます。
Commented by molamola-manbow at 2007-12-06 18:36
常打ちの寄席で45分、そんな大ネタもやるんですね~。
賛をスラスラッと、umeさんにも感服ですね~。
Commented by gakis-room at 2007-12-06 18:37
umeさん,やるねえ! 「この絵に何か言葉を書き添えてほしい」って片思いしてたのは美大出身の彼女のほうですよ。
Commented by 散歩好き at 2007-12-06 20:49 x
生活も重い話も重い噺をジックリ聞かせる落語がはねて寄席を後にする思いは満足感はあっても重いのでしょうか?
Commented by saheizi-inokori at 2007-12-07 00:12
sakura さん、男は純情かもしれないけれど、どうにもならないヤクザだという噺が「世直し」でしたよ。
Commented by saheizi-inokori at 2007-12-07 00:13
molamola-manbowさん、こんなに力が入ったトリは久しぶりに見ました。
Commented by saheizi-inokori at 2007-12-07 00:14
gakis-roomさん、私もそう思いますよ。
それともあまりの素晴らしさに恐れをなしたか?
Commented by saheizi-inokori at 2007-12-07 00:16
散歩好きさん、そこは落語、決して重い気持ちのままにはしておかない。
サゲもあるし全体をユーモアが包んでいるのです。
暗い、重い噺を軽く聴かせるのが腕でしょうか。涙は誘っても。
Commented by ume at 2007-12-07 06:30 x
saheiziさん、せっかくいただいた皆さんからコメント、この場を借りて一言コメントさせていただきます。「ミミズの赤ん坊」のように小心者の私が必死になって考えた言葉です。その後なんの話の発展もないのがいかにも私らしい。saheiziさん,sakuraさん,gakisさん、私にもこんな時代があったことを思い出させてくれた記事でした。ありがとうございました。
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by saheizi-inokori | 2007-12-05 23:49 | 落語・寄席 | Trackback | Comments(11)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori