旅は自分探し、ほんとだぜ! (上海1)
2007年 11月 12日
機内で「ダイ・ハード4」を見終わらないうちに着いちゃうんだから(2時間半)、ほんとに日帰り圏だ。
二泊といっても一昨日の午後から今朝11時まで、旅行案内の本を買ったもののちゃんと読んだのは昨日の夜というようなことだからいわば上海旅行のリハーサルみたいなものだ。
それでもいろいろ感じることはあった。
そのうち今夜は今朝のこと。
朝、ホテルの飯なんか食べたくないから散歩に出た。
「静安寺」、着いたときにここから地下鉄に乗ったのだが同行の諸君は寺にはそれほど興味がなさそうだったから、俺は遠慮していたのだ。
今朝は一人だからオオイバリで、10元払って中に入る。
コンクリートの打ちっ放しでできた建物。
サッカーが出来そうなほどの中庭を挟む形で回廊めいたものがあり正面には大きな戒壇を作っているのだろうか、工事中。
右側の建物には写真左の「千年香樟観音」、左には「釈迦牟尼仏」、どちらも大きい。
観音様が7メートルと説明が書いてある。
正面の建物もバスケットボールが出来そうなほど大きくて何体もの仏像が周囲を囲んでいる。
どこにも若い人がひざまずいて身を投げ出して祈っている。
黄色の服を着た坊さんたちがゾロゾロ現れて、中には携帯をいじったり歌謡曲みたいなのを鼻歌で歌いながら外に出て行くのでついて行ったら、外の回廊に部屋がいくつかあってそこで信者と礼拝をするようだ。
寺の外を歩くと月曜日の8時半、通勤の人や車があわただしい。
そういう中で屋台というもさびしいようなものの上でクレープを焼いている。
丸めた粉を叩きつけてそれを小さな麺棒で伸ばすのだが、狭いところで器用なものだ。
相棒がそれをフライパンで焼き、玉子とかウインナソーセージなどご要望によって挟んで、出来上がりは3分もかからない。
並んで待っている客は殆どポリ袋に入れてもらっていく。職場で食べるのだろう。
もう少し歩くと今度はお焼きとお饅頭。
とうとう我慢できなくなって俺も買ってしまう。
ひとつづつ貰って2元だったか、30円くらいか。
饅頭は甘いゴマ餡、お焼きがピリッと辛く味付けした切干大根が入っていてとてもウマイ。
通勤の諸君と行き交いながら歩いて食べるのがうまいのかもしれない。
「静安寺公園」、もうこの時間は奥様と年寄りの天国だ。
社交ダンスの練習(男抜き)、気功は何組も、合唱、これはなにかの宗教か、歌わずに座っている人やおしゃべりに興じている人も居る、笛を習っている組もある。
蔡元培の銅像があった。
ホテルに帰る途中で小さな食堂に入って食べた「葱油拼麺」、3元。
これがいけるのだ。
時間を過ぎたからお客は4人ほど、工事の人とか、鍋に入れてもらって持っていく人とか。
俺は3日間で今朝この店が一番心が落ち着いたのだ。
お寺や公園で人々のありのままの顔と声とそぶりを見てきたからかもしれない。
昨日までの2日間、両替所から始まってレストランやお店のスタッフのレベルがどこに行っても低いのに驚いていた。
わずかな買い物でも計算間違いをし、何をしているんだろうと思うほど遅い。
やれやれ、中国ってこんなものなのか、と呆れていた。
ところが今朝いろいろ歩いて一杯の麺を食べて気持ちが変わった。
優秀な日本の大学出のエライさんたちをたくさん知っているが彼らは計算間違いはしないが分かっていて分からない振りをする。
自分の保身に関わることになると急に馬鹿になった振りをする。
そういうエライサンがたくさんいる日本のことを思えば上海のこの人たちは大汗をかいて間違っている。
俺はこっちの方がはるかに好きだ。
そういうことがしっかりと実感できて急に力が湧いてきた。
店を出るときにレジのおじさんに手を挙げたら彼も大きく手を挙げた。
昔からの知り合いみたいに。
ああ、いい旅だった、と思った。
美味しそうな屋台メニューですね。
私も何を見るでもなく、町をふらふら散歩するの大好きです。
普通の人たちの暮らしに触れて
ああ~旅の空だなあ…と思います。
懐かしいですね。拙僧も6年ほど前に上海を中心に中国南部を旅しました。
> どこにも若い人がひざまずいて身を投げ出して祈っている。
ホント、多くの線香らしきものを持って、礼拝していたのは、結構新鮮な光景でした。日本人って、僧侶はともかく、一般の人はお寺に来ても礼拝しないんですよね。本来仏教は五体当地であります。仏教文化好きとかいう方が、五体当地の作法も知らないなんてことは、当たり前のようになっていますが、こういう礼拝の光景は見習いたいところです。
ところで,「若い人がひざまずいて身を投げ出して祈っている」,上海(中国)でも仏教は生きていることを知って驚きました。
スープが別になっているおそば、美味しそうです。
おかえりなさいませ。
スープはちゃんと味がしました。
何処の国の仏様も「よう来たね。」とお迎えしてくださいますね。
>若い人がひざまずいて身を投げ出して祈っている>
私は奈良の浄瑠璃寺へ行った時は思わずひざまずいて
額を地に付けんばかりに祈った事を思い出します。
五体投地と言うのですか。
出来る場所と出来ない場所とがありますね。
あの場所は外ではないので、そう言う雰囲気だったのですね。
屋台の写真が出たときはきっとsaheiziさんは召し上がったな。
と思いましたね。お焼きに切干大根?へ~不思議。
美味しかったそうですね。お腹が空いていたのでは? フフ・・
公園は本当に中国らしい。行った事は無いのですけど・・
<ああ、いい旅だった、と思った>これが何より
本当に良い旅をなさって良かったこと・・・
私も思いがけなく一寸上海に行ったような気分です。
有難う御座いました。
今回は本当の上海旅行のリハーサルみたいだったのですね。
坊さんも携帯をいじり、鼻歌を歌うのですね。現代風です。日本はどうでしょう。
社交ダンスの男抜き、何処も同じですね。
お焼きとお饅頭が本当に美味しそうです。次を楽しみにしています。
怠け者ですから。
暮らしの味なのでしょう。
楽しそうで何よりでした。私が前に上海にいったのはなんと10年以上前、まだ路面電車が走ってました。
勝手がわからない場所で、自分にこんなところがあったのか!と思えるのは、旅の醍醐味。そばを食べながらはっと気づくところが、立ち直りというより、気づきで、とても面白いと思いました。